Google Chrome Web ブラウザには、エクスプロイトにより幅広い不正操作に利用できる脆弱性が存在します。Chrome は最も普及している Web ブラウザに分類されます。Cisco Talos の研究者は先日、WebGL(3D グラフィックの表示を担う Chrome API)に脆弱性を発見しました。
Talos は情報開示方針に従って Google 社と協力し、今回の脆弱性が解決されたこと、および影響を受けた利用者向けにアップデートが提供されていることを確認しています。
脆弱性の詳細
Google Chrome の DrawElementsInstanced で発見された情報漏洩の脆弱性(TALOS-2020-1123/CVE-2020-6555)
Google Chrome 83.0.4103.116(安定版、64 ビット)および 86.0.4198.0(開発者向けビルド、64 ビット)の WebGL 関数には、情報漏えいを引き起こす脆弱性が存在しています。細工された JavaScript によって、境界外のメモリを参照される恐れがあります。攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトするには、細工された悪意のある Web ページにユーザからアクセスさせる必要があります。
脆弱性のアドバイザリ全文はこちらをご覧ください。
脆弱性が確認されたバージョン
Talos では、Google Chrome バージョン 83.0.4103.61 および Google Chrome バージョン 86.0.4198.0 開発者向けビルド(64 ビット)が今回の脆弱性の影響を受けることをテストし、確認しています。
カバレッジ
脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールで検出できます。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。
Snort ルール:54584、54585
本稿は 2020 年 10 月 13 日に Talos Group のブログに投稿された「 Vulnerability Spotlight: Information leak vulnerability in Google Chrome WebGL 」の抄訳です。