この記事は、シスコの Nexus & ACI プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントである Thomas Scheibeによるブログ「High-Performance, Low-Latency Network Innovations Continue as Exablaze Joins」(2020/3/25)の抄訳です。
ネットワークの応答性は、すべての企業にとって重要ですが、特に金融業界の高頻度取引の場面では死活問題にもなります。超低遅延の取引を維持できるようお客様をサポートすべく、シスコでは Exablaze 社のエンジニアリングチームと、社内のデータセンター部門との統合を進めています。Exablaze 社はオーストラリアのシドニーに拠点を置く企業で、先日の買収によりシスコの子会社となりました。低遅延のデータセンター アプリケーションと、高精度のタイムスタンプ ソリューションは Exablaze 社の得意分野であり、同社の開発チームは今後もこれらの分野に注力していきます。
FPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載したネットワーク インターフェイスカードや超低遅延スイッチなどの同社製品に、シスコのグローバルな開発、サポート、販売力を動員すれば、金融の高頻度取引の分野だけでなく、新しい AI/ML クラウドサービス、5G 通信インフラ、防衛分野などの低遅延が求められるアプリケーションの設計や監視に対するそれぞれのソリューションによってお客様の期待値を越えることができます。同社の ExaNIC と FPGA ファームウェア開発キットは、パフォーマンスを損なうことなくアプリケーションを最適化できる、特徴的なツールです。ビジネス基盤にとっての重要性が高いこれらの ExaNIC and FPGA FDK productsについては、新体制となっても開発とサポートが続けられます。
業界で注目を集める Exablaze 社の革新技術
統合された両社のエンジニアリングチームは、Exablaze のロードマップを引き継ぎながら、シスコのデータセンタースイッチへの技術統合も進める予定です。その土台なるのは、業界で高く評価されてきた同社の歴代製品です。たとえば最近では、「TradingTech Insight Awards–Europe 2020」で Exablaze の ExaLINK HPT スイッチが「最優秀タイムスタンピング/遅延計測システム」賞を獲得しました。
HPT スイッチとネットワーク インターフェイスカード製品は 70psec(ピコセカンド:一兆分の一)のタイムスタンプ精度と 32GB のディープバッファが特徴で、ネットワークをタップ、集約、監視します。ExaLINK Fusion HPT は、「ExaLINK Fusion Layer 1」のマトリクス スイッチ プラットフォーム上に構築された製品です。ロギング目的のタップ、フェールオーバーのパッチ適用や、QoS モニタリング向けのパケットカウンタと信号品質統計などの機能をサポートします。
上述した「TradingTech Insight Award」では、お客様にとって利益となる技術革新に対する、Exablaze チームの継続的な努力と成功が認められました。ExaLINK Fusion HPT は、業界最高峰の精度、ポート密度、バッファ容量を誇る、ネットワークモニタリングとタイムスタンピングのソリューションです。金融企業にとって、金融データの速度と正確性は生死を分ける問題です。そのため、リアルタイムで高精度の測定システムをネットワークに組み込むことは不可欠なのです。
Exablaze 社の買収により、将来の製品では遅延が大幅に短縮
Exablaze のテクノロジーは、シスコのネットワーク製品を補完し、低遅延アプリケーション向けの次世代プラットフォームを提供するうえで、重要な一角を占めます。データセンター ASIC と FPGA ベースのプラットフォームに対するシスコの投資は、分析機能によって強化されたネットワークとセキュリティを実現するという、インテントベースネットワーク戦略の中核にあります。シスコと Exablaze 社は、次世代のスイッチング プラットフォームとネットワーク インターフェイスカードにより、パフォーマンスを最適化された帯域幅のニーズの高まりに対応していきます。
詳細については、シスコによる Exablaze 社の買収発表をご覧ください。また Exablaze 社の「Cisco and Exablaze are One Company!」の記事や、「TradingTech Insight の「最優秀タイムスタンピング/遅延計測システム」賞を Exablaze 製品が獲得」の記事も、ぜひご覧ください。