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未来のインターネットがいまここから

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この記事は、シスコのSenior Vice President and General Manager of Cisco’s Mass-Scale Infrastructure Groupである Jonathan Davidsonによるブログ「Building The Internet for the Future Begins Nowpopup_icon」の抄訳です。

「私たちは日々のことを覚えていない。覚えているのはその瞬間、瞬間である」 Cesare Pavese のこの言葉は私のお気に入りです。興味深いことに、重要な出来事が起こった「瞬間」のことは、細部まで鮮明に覚えているものです。そのときどこにいたか、誰と一緒だったか、何を感じたか、どんな服装をしていたかまで正確に覚えています。 私にとってそのような瞬間の 1 つは、20 年前の 1999 年に Brandi Chastain が女子サッカーのワールドカップですばらしいペナルティーキックを決めた瞬間です。当時、私は上の娘のサッカーチームでコーチをしていました。その勝利を、何か大きなことの始まりのように感じたものです。次の世代の女子サッカーは大きく変わると思ってワクワクしました。

今、ネットワーキング業界もそのような「瞬間」を迎えているように思います。今から何年後かに、この瞬間を振り返り、思い出すことでしょう。というのも、本日、シスコが画期的なイノベーションを発表したからです。このイノベーションは、非常に重要で発展性があり、次世代のインターネットの経済性を大きく変えていくことでしょう。

重要な技術革新は、人類の歴史を特徴づけるものとなってきました。蒸気機関の登場で、人力による労働の代わりに機械が使われるようになりました。電信によって、情報伝達を動物よりも速く行えるようになりました。そして、インターネットによって情報がデジタル化され、グローバルなコミュニティが構築されました。

現在の世界は、IP インフラストラクチャによってつながれています。インターネットによって、私たちの働き方、生き方、遊び方、学び方は大きく変わり、いつでも、どこでも、何でもできるようになりました。その結果、本当に驚くようなことが起こっています。互いにつながり、共同で作業することが可能になり、社会はかつてないスピードで進化するようになっています。戦争を抑制し、飢饉を未然に防ぎ、病気を治療する点で、過去 35 年間の進歩は、それ以前の 3 万 5 千年分の進歩を上回っています。

今日は、インターネットが新しい段階に入る瞬間です。5G、Internet of Things(IoT)、3D プリント、高度な分析といった技術によって、さらに多くの物がつながり、インターネットに取り込まれ、デジタル化がさらに進んでいます。その結果、鉱業などの産業はより安全になり、農業は効率化され、運輸は自律的になり、医療は病気の対応だけでなく予防医療に取り組むようになっています。可能性は無限です。経済、国、世界が変化していく中で、サービスプロバイダーは触媒のような役割を果たします。今後の変革を実現させていく上でネットワーク インフラストラクチャがその中核となるからです。

サービスプロバイダーが成功を収めるのは、簡単なことでも、単純なことでもありません。そのビジネスには根本的な課題が存在しています。すでに巨大な規模のネットワークが、今後さらにその規模を増していきます。サービスプロバイダーの成功には、インフラストラクチャだけでなく、運用やビジネスモデルの変革も必要です。

運用規模が巨大化する中で、現在のネットワークの経済性は崩壊し始めるでしょう。これまでの成長実績を支えてきた物理的な発展には、すでに減速の兆候がみられる一方、トラフィックの増大は加速し続けています。今までは、パフォーマンスの向上によるトラフィックの増大と同じ速さで、トラフィックのコストが下がっていました。現在 1 ドルの CapEx で得られる効果は、わずか数年前の 11 倍にもなります。しかし、現状がこのまま続けば、ルールを変えない限り、CapEx が大幅に増加することになるでしょう。

運用コストも削減する必要があります。現在、多くの事業者は、1 ドルの CapEx に対し、約 5 ドルの OpEx を費やしています。現在のネットワーク管理技術では、ネットワークが大きくなるにつれて事態が悪化する可能性が高く、ルールを変えない限り、運用効率は下がっていきます。

技術的なパイオニアがシリコン、オプティクス、ソフトウェア、システムといった複数の側面にわたるイノベーションを起こして、まったく新しいネットワークアーキテクチャを創造することが必要です。つまり、シスコがインターネットの経済性を再定義するときがその「瞬間」になります。

 

シリコン

インターネットの経済性を再定義するには、基盤から始めることが必要です。インターネットそのものの「DNA」から始めるのです。車にとってはエンジンのようなもの、それがシリコンです。

ムーアの法則は失速しています。業界の他の部分が従来のアプローチの物理的側面により減速を経験する中で、シスコはイノベーションの新たな側面を切り拓きました。シリコン設計を全面的に見直すことで、今日の業界でもトップクラスのパフォーマンスを実現し、未来への「追い越し車線」を創出できます。シスコの画期的なプログラマブル シリコン アーキテクチャ、Cisco Silicon Onepopup_icon をご紹介します。この新しいファミリの最初のメンバである Cisco Silicon One Q100 は、他のシリコンに比べて 2 倍のネットワーク容量と、2 倍の電力効率を実現しています。これは、キャリアクラスの機能(豊富な機能、大容量バッファ、高度なプログラマビリティなど)を犠牲にすることなく 10Tbps の壁を突破した最初のルーティングシリコンです。Cisco Silicon Onepopup_icon は今すぐ利用できます。待つ必要はありません。

Cisco Silicon One のイノベーションは、運用コストの削減にも大きな価値をもたらします。これまでは、ネットワーク全体で複数のタイプのシリコンが使用され、同じデバイス内に混在する場合がありました。機能の開発には一貫性がありませんでした。それぞれのテレメトリも驚くほど異なっていました。ネットワーク全体で新機能を調整し、パリティをテストするために、オペレータが多大の時間と労力を費やすことが必要でした。今回、さまざまな市場セグメント、機能、フォームファクタにおいて同一のシリコンアーキテクチャを使用し、統合されたエクスペリエンスを実現したことで、運用コストの劇的な削減と、新しいサービスが価値を生み出すまでの時間の大幅な短縮が可能になりました。

 

オプティクス

オプティクスのコストは重要な問題です。インターフェイス速度が低い場合、オプティクスのコストはソリューション全体のコストの約 10% で、システムのコストが残りの 90% を占めていました。400G 以上になると、この割合が逆転します。オプティクスが支出総額の主な部分を占めるようになるのです。このようなニーズの大きな変化があるため、短期間と長期間の両方のオプティクスソリューションを簡単に展開できるようにするには、長期的な戦略popup_iconが必要になります。

シスコでは、400G の導入popup_iconを加速し、400G を超える将来に備えるため、シリコンフォトニクスなどの技術への投資を続けています。また、Luxtera の買収により、高度に自動化されたウエハースケールの製造プロセスを取り入れることができました。今後、製造の量と質の向上の両方に期待することができます。

 

ソフトウェア

シリコンが自動車のエンジンだとすれば、ソフトウェアは優れたハンドリングを実現するためのステアリングやサスペンションのようなものです。世界で最も優れたシリコンであっても、それを正しく操縦し、スムーズに動作させられる適切なソフトウェアがなければ、無駄になってしまいます。適切なステアリングとサスペンションがない車を、時速 400 km で走らせるとしましょう。予期せぬ道の凸凹やカーブに出くわすと悲惨な結果になることがあります。

ネットワーク運用の経済性を再定義するために、今後のインターネットには、運用を認識するソフトウェアが必要です。それは機能と同じくらい重要です。CISCO IOS XR7popup_icon は、業界をリードするネットワーキング オペレーティング システム(NOS)の新しいリリースです。運用の優先順位付けが刷新され、シンプルな操作性と自動化も実現されています。必要なリソース、インストール手順、導入作業を減らすためにシンプル化されています(ゼロタッチなど)。

特に、XR7 は全面的に最新化されています。XR7 は、同種のものとして初めてクラウドを活用した NOS です。XR7 では、Cisco Crosswork Cloud からクラウド経由で提供される新しい SaaS 導入モデルを使用し、運用を強化することができます。オペレーションズチームは、アジャイルでプロアクティブな管理をするために、知見と分析をサービスに自由に活用できます。従来のモデルのようなリスクやリソースについて考える必要がありません。

 

システム

では、「車」の本体について見てみましょう。新しいシリコンと、新しいソフトウェアを使用し、パフォーマンス、効率性、運用方法を向上させた新しいシステムを構築し、今後のトラフィック需要の変化に対応することができます。ここで、Cisco 8000 シリーズルータpopup_iconを紹介します。これは、高密度 100GbE および 400GbE 向けに最適化された新しいシステムです。

  • 2 つの固定プラットフォーム:8Tb/s のネットワーク帯域幅を提供、I RU から開始
  • 3 つのモジュラ型フォームファクタ プラットフォーム:8 スロット、12 スロット、18 スロット(それぞれ最大 115 Tbps、172 Tbps、260 Tbps を提供)

これらのシステムは妥協することなく設計されているため、今後も安心して使用できます。オーバーサブスクリプションはありません。ファブリックには全面的な冗長性があります。電力効率をわずか 100GB あたり 4 ワットまで削減できます。これは、後続の競合他社に比べて 1/4 ~ 1/5 の電力量です。また、「クリーンシート」設計により、1.6 TbE インターフェイス以上にまで拡張できます。

まだ他にもあります。Cisco 8000 の最も特徴的な特性は、信頼性に関連しています。ネットワークは各産業、金融、公益事業、政府機関をつなぐ重要なインフラストラクチャであるため、サービスプロバイダーはインフラストラクチャの整合性を維持することが必要です。信頼性のチェーンは、シリコンとソフトウェアの真正性を確認することから始まります。Cisco 8000 シリーズには、信頼性を確保する基盤として改ざん防止シリコンが搭載されており、シリコンやソフトウェアの改変を防止します。さらに、NOS の XR7 は、Cisco Crosswork Cloud と連携してリアルタイムの可視性と制御を実現し、インターネットに必要な信頼性の高いネットワークを提供します。

 

アーキテクチャ

次世代で要求される規模と能力に対応するため、インターネットには根本的な変化が必要です。シスコは DNA、パフォーマンス曲線、運用方法、信頼性、さらにはルールさえ根底から作り変えました。シスコが最も得意とするものへと作り変えたのです。

また、このような再構築によって、新しいアーキテクチャの未来も構築していくことができます。つまり、統合型でクラウドを活用し、信頼性の高いアーキテクチャです。ネットワーキング業界で働いている者として、この瞬間のことをずっと覚えておきたいと思います。20 年前の Brandi Chastain の決勝点と同じほど鮮明に覚えていたいものです。

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