国際障がい者デーイベント
12月5日に社員を対象に国際障がい者デーイベントを開催しました。
当日の様子を紹介します。
今回は、「災害時における障がいを持つ方との情報連携について考える」をテーマに視覚と聴覚にそれぞれ障がいを持つ社員が登壇し、災害時の経験についてディスカッションしました。ディスカッションでは Webex Teams & スマートフォンの音声認識機能を使い、音声情報を文字情報へ変換しながら、セミリアルタイムでディスカッションをする試みを実施しました。また、逆に文字情報を司会が読み上げることで音声情報へ変換することも実施しました。
まず司会を務めたCustomer Experienceチームの大崎さんより、2011年に発生した東日本大震災を例に次のように情報バリアフリーの重要性が語られました。
「当時は情報の伝達について発災時、避難時、そして避難後と各段階において様々な課題が出た。障がいのある方の死亡率は一般の方に比べて2倍も高い結果となった。高齢者や障がいのある方が的確に安全に避難して命を守るためには、情報のバリアフリーが重要である」
家族や職場など、身近な人のサポートが大切
次に、ディスカッションでは CDAN リーダーの岡本さんがモデレータとなり、パネリストに次の質問をしました。
「今年の台風19号が発生した際に、災害に関わる情報を入手するうえで困ったことは何ですか?」
それに対して聴覚に障がいをもつ杉原さん(マーケティング)は次のように話しました。
「ニュースで随時情報が流れていたので、備えることができた。ただ、川の近くに住んでいるため、避難すべきか、家の中へいるべきかのピンポイントな情報が全く得られなかった。」
聴覚に障がいをもつ三橋さん(人事)は、「メディアから文字情報を得ている。普段から、災害が多い地域に住んでいるので、ハザードマップ等を家族と一緒に確認しています。一部のメディアは字幕に対応しているので、助かっている。」と話しました。
岡本さんは「常に家族や周りの人との協力体制が重要である。」と話しました。
日頃の気配りと準備が大切
次に岡本さんより、「社内で災害が起きた場合、みんなでどんな協力をし合ったらいいでしょうか?」という質問がされました。
これに対して、杉原さんは「周りの行動に合わせるくらいしかできないというのが現実にあり、何が起きたかはすぐにはわからない。なので、何が起きたのかがわかるような情報を共有してほしい」と話しました。
続いて、三橋さんは視覚から「文字情報や光るもの(パトライト)があると助かる。」と話しました。そうすると危険がどこにあるのかが見てわかるとのことです。
また、普段、盲導犬と暮らす八田さんは、「災害が起きた時はとにかく的確な救援の情報と状況説明、安全な避難場所への案内をお願いしたいです。とにかく私は目で確認ができないので文字での情報収集もできませんし、周りがどのような状況になっているのか、どこが危険なのか、そこが把握できないので周りの状況を教えていただけるとすごくありがたいです。」と話しました。
本イベントには Webex も含め 60名以上の社員が参加しました。
今後もすべての社員にとって働きやすい職場を目指して、障がいについて学ぶ機会を社内に提供します。
障がいの表記について
障がい者と表記するのではなく、より個人の強みにフォーカスして、それを活かすことを目指しています。
そのため、そもそも障がい者と表記すべきかどうかも含めて議論になり現時点では、結論に至りませんでした。
CDANとは
CDANとは、Connected Disabilities Awareness Networkの略称です。
Inclusion & Diversityの取り組みの一つで障がい者が会社と社会に適応しやすい環境づくりを目的として設立された社員コミュニティの一つです。
CDANは今後もシスコジャパンがインクルーシブな職場環境を持つリーディングカンパニーとなることを目指し、障がいについての学びの機会、障がいを持つ人々と接する機会や障がいを持つことを体験する機会をより多く提供し、障がい及び障がいを持つ方に対しての理解を深めていきます。
参照:日本における6つの取り組み
https://www.cisco.com/c/ja_jp/about/inclusion-diversity/6-communities.html#~stickynav=3