この記事は、コラボレーション Webex インテリジェンスの Head of Machine Learning である Karthik Raghunathan によるブログ「Cisco Open-sources the MindMeld Conversational AI Platform」(2019/5/9)の抄訳です。
過去 5 年間でアプリケーションの主流は対話型へと移行しました。Siri、Cortana、Google アシスタント、Alexa などの仮想アシスタントは、毎月数百億もの音声や自然言語のクエリを処理しています。Amazon Echo や Google Home といった音声対話型デバイスを日常的に利用している家庭は 1 億以上に達しています。歴史的に見ても、これらのデバイスは最も急速に成長している製品カテゴリに数えられます。
このように対話型がコンシューマに広く受け入れられている状況を受けて、多くのグローバル企業は対話型 AI への投資に力を入れ、時代に即した企業として同様の改革を実現しようとしています。しかし、ソフトウェア開発者とデータ サイエンティストにとって、業務で利用できるほどの信頼性や有用性を備えた対話型エクスペリエンスは実現にまだ遠いのが現状です。対話型をキーワードにした学術的な研究やオープンソースのソフトウェアは豊富にありますが、業務で使えるレベルの対話型アプリケーションの構築に取り組むエンジニアにとって、役立つ実践的なリソースは現在ほとんどありません。
シスコはエンタープライズ向け音声テクノロジーの世界的リーダーとして、過去 10 年間、対話型 AI の数々の進歩を最前線で支えてきました。シスコは 2017 年に、業界初の対話型 AI プラットフォームのひとつを開発した、この分野のパイオニアである MindMeld 社を買収しました。MindMeld の対話型 AI プラットフォームは過去 5 年間を通して、複数の世界最大手企業で高度な対話型アプリケーションの構築に使われてきました。MindMeld チームはこうした経験により、エンタープライズ環境で優れた対話型エクスペリエンスを実現するためのテクニックとベスト プラクティスの多くを定式化しています。
対話型 AI アプリケーションを簡単に構築してテストする
本日シスコは、MindMeld Conversational AI Platform をオープンソースとして公開することで大きな一歩を踏み出します。これは、対話型アプリケーションを構築する開発者の能力の引き上げにつながる、総合的で実践的なツールです。この Python ベースの機械学習フレームワークに加えて、シスコではさまざまなドキュメントのほか、Conversational AI Playbook と呼ばれるステップバイステップ ガイドもリリースします。Conversational AI Playbook は、最先端の対話型エクスペリエンスを構築するために必要な手順を詳説した初めての実用ガイドで、応用機械学習エンジニアを対象としています。シスコは、パートナーおよび開発者へのオープンソースのソフトウェアと関連ドキュメントの提供を通して、より多くの企業が多様な対話型アプリケーションを構築、導入できるよう支援してまいります。
シスコの開発者にとって中心的な Cisco DevNet では、今後さまざまなリソースを提供する予定です。開発者はここで対話型 AI アプリケーションを簡単に構築してテストできます。MindMeld をオープンソースとして公開し、開発者向けの豊富なリソースを提供することで盤石な開発者コミュニティが構築され、開発における情報のやり取りや仕事の進め方が変わっていくはずです。
詳細については、次のリソースを参照してください。