この記事は、コラボレーション テクノロジー グループのシニア バイス プレジデント Amy Chang によるブログ「Future of Work with Cisco and Google」(2018/7/25)の抄訳です。
21st Century Fox 社の戦略的技術パートナーに選ばれたシスコと Google 社は、新しい時代のパートナーシップを発表しました。今回は、21st Century Fox 社 CTO である Paul Cheesbrough 氏から受けたインタビューを掲載します。Google 社の製品管理部門でバイス プレジデントを務める David Thacker 氏も参加しています。以下は今回の対談内容です(敬称略)。
Paul:業界は狭いですね。お二人は、どこで知り合ったのですか?
Amy:David と知り合ってから、かれこれ 13 年も経ちます。当時は Google で同僚として働いており、お互いのデスクはわずか数メートルの距離でした。入社して最初の週に、途方もないプロジェクトの再調査を任されましたが、そこで助けてくれたのが David だったのです。
David:私も覚えています。2 人ともテキサス州オースティン出身でしたね。
Amy:ええ。そうした共通点があったので、退社後も連絡をとっていました。当時はどちらも子供がいませんでしたが、今では 4 人も走り回っています。元気すぎて大変ですよ。
Paul:それ以来、いろいろと大きく変化しましたね。Amy は「Accompany」のアプリを立ち上げた。これは今でも私のお気に入りアプリです。そしてつい最近、シスコに買収されました。そして今やシスコで数千億円規模のコラボレーション ビジネスを率いています。おめでとうございます。一方の David は、Greylock、Groupon、Linkedin の各社に務めた後、Google に戻っている。テクノロジー業界における幅広い変化を目の当たりにしたと思います。お二人の現在の役職について、興味深い点を教えてください。
David:自分にとって大きなポイントは、Google が世界中に及ぼしている影響です。Google のアプリケーションを使用しているユーザは 10 億人を超えています。そうした製品やサービスが個人や職場におよぼす影響を考えると、モチベーションが生まれてきます。
Amy:私の場合は、あらゆるミーティングや交流の機会を「対面」にすることです。平たく言えば、技術を活用して、人とのつながりを職場に復元している感じです。
Paul:2 社の強みを組み合わせ、使いやすいコラボレーション ソリューションを大規模に提供すること。それがシスコと Google 社のパートナーシップの核心にあるように思います。コラボレーション分野は今後数年間でどのように変化すると考えていますか?
David:職場ではビデオ会議への移行が進んでいます。どのような会議であれ、ビデオ会議にしない理由はありません。Google では、社内の全部屋に会議機器が組み込まれています。こうした動きは会議の性質を大きく変化させます。その次に大きな変化は、自宅、空港、移動中の社内など、オフィス以外でも働けることです。いつでもどこでも同僚とコラボレーションできるツールが本当に重要になります。
Amy:本当にその通りです。私から付け加えるなら、近い将来、より多くのコンテキスト情報が当然視されるということです。あらゆる会議や交流の場で、自ら収集しなくても、すべての関連情報を手元に表示できる。ユーザはそれを期待するようになります。これは非常に重要です。手元にあるコンテキスト情報が増えるほど、意思決定も迅速になるからです。これこそが未来の仕事スタイルです。
Paul:なぜもっと早くその時代が来なかったのか、本当に不思議ですね。業界最高のツールでコンテキスト情報を提供すれば、間違いなく大きな付加価値になります。昨日発表されたシスコと Google 社のパートナーシップは、以前よりも強化されていますね。顧客にとってのメリットは何でしょうか?
Amy:パートナーシップの主眼は、より合理的で統合されたインテリジェントな環境を構築することです。たとえば、Webex では Google カレンダーがネイティブ統合されています。シスコのビデオエンドポイントを含むあらゆるデバイスから、Webex Meetings にワンクリックで参加できます。ユーザ エクスペリエンスは迅速かつ高品質で、一貫してストレスフリーです。別の例はドキュメントの作成です。共同編集機能に高品質のビデオや音声を組み合わせることで、より迅速でシームレスな共同作業が実現しています。電話会議を終えた後は、会議の要約と編集履歴が Webex Teams から確認できます。こうした機能はすべて見事に統合されています。
David:同感です。G Suite の特徴のひとつはシンプルさです。どのような製品であれ、ユーザにとっては使いやすく、管理者にとっては導入とメンテナンスが簡単であるべきです。それらを、企業にとっての信頼性と同時に実現することがカギです。
Paul:2 社の統合モデルには疑いようのない将来性がありますね。業界最高のツールが上手に統合されているのは素晴らしいことです。適切な方法で導入すれば、エンドユーザの生産性やエクスペリエンスが飛躍的に向上するでしょう。これを実現するための統合は、どの程度進んでいますか?
Amy:統合作業はすでに始まっています。私のチームでは、シンプルさとインテリジェンスを段階的に提供すべく精力的に取り組んでいます。第 1 段階では、ユーザからの要望が最も多い分野で機能統合を進めています。たとえば Google カレンダーと Webex が統合されましたが、これはユーザにとって大きな価値があります。拡張版の Android SDK により、Cisco Calling、Meeting、Messaging を Android アプリに組み込むことが以前より簡単になりました。また、Chromebook では Jabber のサポートが追加されました。Cisco Contact Center ソリューションでは顧客の利便性を向上させるため、Google AI が統合されています。肝心なのは、ユーザが直感的に使えるような統合を実現することです。
David:そして第 2 段階では、Webex Teams と、G Suite/Google Drive との連携を深める予定です。ミーティング スペースでの音声テキスト変換や翻訳など、AI が活躍できる他の分野についても一緒に模索しています。2 社が連携できる分野はたくさんあるため、本当に楽しみです。
Paul:2 社のパートナーシップはこれから本格化するようですね。シスコや Google 社のような大手が連携するのは素晴らしいことです。企業向けの生産性ツールでは、すでに多くがインテリジェンス機能を備えています。これは生産性やコラボレーションなどに良い影響を与えると思います。生産性ツール以外の分野にもパートナーシップを広げれば、多くの企業を劇的に変化させる可能性を秘めています。
Amy:その通りです。私たちが目指しているのは、まさにそこです。どちらの企業も、顧客を非常に気にかけていますし、顧客からのフィードバックには実際に耳を傾けています。ユーザにとって何が役立つのか知るためです。ユーザ ニーズを満たせるよう、先進的な努力は欠かせません。改善点があれば大歓迎です。
関連ニュースについては、Cisco Newsroom の記事をご覧ください