この記事は、Enterprise Connectivity and Collaboration , Senior Vice President & General Manager である Anurag Dhingra によるブログ「 The Agentic Workplace Runs on Cisco 」( 2026年 6月 2日 )の抄訳です。
AI がワークプレイスに参加するようになりました。エージェントは単に質問に答えるだけでなく、タスクの計画、ツールの呼び出し、システムへのアクセスを行います。さらには、他のエージェントと連携して機能したり、チームに代わってワークフローをトリガーしたりもします。このような変化に、あらゆるワークプレイスが対応しなければなりません。
昨年、シスコはこの変化に備え、ワークプレイスネットワークの準備を整えられるよう、「AI対応セキュアネットワークアーキテクチャ」を発表しました。1 年後、その影響は明確になっています。そしてそのペースは予想よりさらに速いものとなっています。
オフィススペースから病院、工場のフロアに至るまで、あらゆるワークプレイス環境で、AI の導入が加速しています。OpenClaw の急速な導入によって強調される AI エージェントの台頭により、AI は、人々が使うツールから、実際に業務を行うデジタルチームメイトへと変わりました。
あらゆる業種にわたり、人間のワークフォースは AI とともに働くように進化しています。ここから、前提に話を移します。ワークフォースの性質は変わり続けているため、ワークプレイスもそれに合わせて変化しなければなりません。
シスコが昨年築いた基盤は、今いっそう重要なものになっています。現在、AI 対応セキュア ネットワーク アーキテクチャは大きな飛躍を遂げています。新たなイノベーションにより、シスコは AgenticOps によって運用を大幅にシンプル化して、ネットワーク自体にセキュリティを深く融合し、AI 時代に対応するスケーラブルなデバイスのラインナップを拡張しています。
AgenticOps によって運用をシンプル化
2026 年 6 月 2 日 に米国の法人顧客向けに制限付きで公開された Cisco Cloud Controlは、AgenticOps を実現する場所です。クロスドメインのテレメトリ、専用モデル、信頼できるエージェントを提供するため、人間が制御を維持しながら、オペレーターは可視化からアクションへと移行できるようになります。

自律型エージェントループ
現代の企業環境を運用する上での驚異的な複雑さを考えると、人間がエージェント AI を活用して最新のインフラストラクチャを管理する「AgenticOps」の必要性は特に高まっています。Cisco Live では、「Autonomous Agentic Loop(自律型エージェントループ)」を発表しました。これは、ユーザー体験の低下の検知、問題の診断、問題の修正、変更の検証、修正の展開を行うように設計された AI エージェントです。その結果、その結果、人間のオペレーターを退屈でミスをしやすいタスクから解放し、解決までの時間を短縮し、問題がインシデントになる前に対処できるよう支援する、クローズドループ型の自律性が実現します。
このループの一環として、素晴らしい新機能を紹介します。
- ネットワーク向けの Agentic Action:Cisco Cloud Control を活用した機能で、2026 年 6 月にベータ版が利用可能になります。この機能はエージェント型オペレーションのミッションコントロールであり、インシデント、推奨事項、推論、証拠、確実性スコア、リスクスコア、次のステップを表示します。
- 拡張体験メトリック:2026 年 6 月にベータ版が利用可能になります。有線および無線環境全体において、生のテレメトリからユーザーの成果(アウトカム)へと視点をシフトさせます。ThousandEyes により、エージェントはユーザー体験の低下を即座に検知し、自動的に修正して、ネットワーク全体のユーザー体験のリアルタイムビューをオペレーターに提供できます。
- Deep Reasoning (ディープ推論):2026 年 6 月にベータ版が利用可能になります。エージェントとオペレーターに、AI Assistant と Cisco Cloud Control で、競合仮説、証拠の裏付け、影響の評価、根本原因、次のステップの推奨という体系化された調査体験を提供します。
- デジタルツイン:2026 年 7 月にアルファ版が利用可能になります。デバイス、接続、トポロジ、構成をエミュレートすることで、人間とエージェントが迅速に行動するための安全な方法を提供します。これにより、チームは本番環境に導入する前に変更を検証できます。
幅広い層での AI 導入の加速により、もう一つの真実が明らかになっています。従来のエンタープライズ アプリケーション自体が AI を導入しているのです。このようなアプリケーションはすでに複数のクラウドに存在します。たとえば、フロントエンドが 1 つのクラウドで動作し、アイデンティティが別のクラウドに存在し、AI 推論が 3 つ目のクラウドで実行される場合があります。その複雑さが倍増し、さらにはネオクラウドも加わり、ユーザーは何百、何千もの場所からこれらのアプリケーションにアクセスしています。

Cisco Multicloud Fabric
2026 年 6 月にベータ版が利用可能になる Cisco Multicloud Fabric は、この現実をシンプル化するように構築されています。Cisco Multicloud Fabric はシスコが運用管理するサービスとして提供され、Cloud Control を介して利用可能です。即座に利用可能なグローバルファブリックを通じて、サイトとクラウド間、クラウド間の接続を提供します。お客様は、クラウド全体にわたるシスコが運用管理する仮想アクセスポイント、組み込みのゼロトラストルーティング、クラウドファイアウォールへのサービスチェーン、ファブリックに組み込まれた ThousandEyes によるエンドツーエンドのオブザーバビリティにアクセスします。AI 展開を加速させているお客様は、Cisco Multicloud Fabric を利用することで、柔軟なグローバルファブリック全体で運用の複雑さを軽減できます。
ネットワークに融合したセキュリティ
エージェント時代において、セキュリティは後回しにできません。ネットワークが常に存在するため、あらゆるネットワークデバイスが、一元化されたポリシーの適用ポイントとなります。ネットワークがあらゆる場所に存在するため、セキュリティの適用もあらゆる場所で行われます。
これは重要です。なぜなら、エージェントワークフローは非常に迅速に進むため、中央の検査ポイントやスケジュールされたメンテナンス期間までセキュリティ適用を待っていられないからです。保護は、ユーザー、デバイス、アプリケーション、エージェントが実際に接続されている場所の近くに存在しなければなりません。
Cisco Live で、キャンパスとブランチのスマートスイッチに対する Live Protect によってセキュアなネットワークアーキテクチャを強化します。これは 2026 年 8 月に一般提供が開始され、主要なセキュアルータのサポートが 2027 年 2 月に開始される予定です。Live Protect は、サポート対象環境においてシスコが検証済みの保護機能を実行時に適用することで、セキュリティチームがこの Mythos 後の世界における脆弱性に適応できるよう支援します。
また、Cisco SD-WAN 向けの耐量子計算機暗号によってインフラストラクチャのレジリエンスを強化しています。これは 2026 年 8 月に一般提供が開始されます。すでに提供済みの耐量子機能である PQC 対応セキュアブート、MACsec、WAN MACsec、IPsec を使用した転送中のデータ、管理プレーントラフィックを基盤としています。最後に、セキュアルータでの Cisco Firewall が 2026 年 8 月に一般提供開始となることをお知らせします。ポリシーは Cloud Control で一元的に管理され、セキュアルータ全体に分散して適用されます。
AI 対応のスケーラブルなデバイス
デジタルチームメイトの増加に伴い、キャンパスとブランチのネットワーク全体でトラフィックのボリュームが急増しています。この需要に対応するため、シスコはネットワーキングデバイスのポートフォリオを 1 年以上前から更新しています。キャンパスとブランチ向けのスマートスイッチ、あらゆる規模のスペース向けの Wi-Fi 7 アクセスポイント、信頼できる保護されたインターネット接続のためのセキュアルータ、製造業などの堅牢な展開用の産業用スイッチというラインナップです。

現在、さらに多くのユースケースに対応するために、このラインナップを拡大しています。2026 年 5 月時点で発注可能になっている Cisco C9550 シリーズ固定コアスマートスイッチは、AI 時代の需要に対応するよう設計されており、400 Gbps のアップリンクポートを最大 4 個搭載し、最大 6.4 Tbps のスイッチング容量と毎秒 39 億パケットの処理を実現します。Cisco Silicon One を搭載したこれらの新しいスイッチは、エージェントトラフィックの新たな要件に対応するために、セキュアで順応性と拡張性のある基盤上に専用設計されています。
また、新しいセキュアルータも多数発表します。その筆頭である Cisco 8600 シリーズセキュアルータは、2026 年 9 月に発注可能になります。このルータは大規模な拡張性を提供し、データセンターのユースケース向けに特化した設計となっており、マルチ 100 GigE ピアリングと最大 15,000 のブランチサイトの VPN アグリゲーションが可能です。
C9550 シリーズおよび新しい 8000 シリーズセキュアルータは、シスコの広範な耐量子ロードマップの一部であり、ハードウェアに根ざした信頼性と耐量子計算機暗号機能(サポートされている場合)を備えています。また、これらのルータは Cisco Cloud Control で一元的に管理できます。
また、Wi-Fi 7 ポートフォリオを拡張しており、Cisco CW9177 シリーズ屋外用アクセスポイントが 2026 年 6 月に発注可能になります。前の世代の 4 倍の容量を実現し、内蔵アンテナ、外部アンテナ、指向性アンテナの柔軟なオプションを提供します。これらのデバイスは、屋外パティオ、立体駐車場、共用エリアに最適です。
さらに、産業用ネットワーキング ポートフォリオも拡張しており、Cisco IR1000 高耐久性シリーズセキュアルータが 2026 年 6 月に発注可能になります。これは次世代ファイアウォール機能を搭載した低消費電力のコンパクトルータで、2 つのバリエーションがあります。IR1000 シリーズは、グリッドネットワークや道路インフラなど、スペース、電力、セキュリティに関する要件が厳しい場所でも、脅威からの保護とレジリエンスに優れた接続を実現します。IR1000 シリーズは、太陽光またはバッテリーで稼働することができ、消費電力は 5W 未満です。
AI 時代のコラボレーション
ワークフォースの性質は変化し続けているという前提に話を戻しましょう。人と AI は協力して仕事をしています。その影響は、物理的な空間、従業員体験、カスタマーエクスペリエンスといったあらゆる面で感じられます。Cisco Live で、仕事の進め方を改善するための新しいイノベーションを発表します。
2026 年 6 月に利用可能になる Cisco Board Pro G3 は、シンプルな Audio / Video-over-IP 展開で臨場感ある会議空間を実現するオールインワンデバイスです。このデバイスは、今年初めにリリースされた Room Kit Pro G2 および Desk Pro G2 の流れを汲んだ製品です。
Webex Suite には既存の一連のデジタルチームメイトを基盤とした新しい目的特化型エージェントである Meeting Prep Agent が導入され、業務を効率化します。このエージェントは 2026 年度第 3 四半期に一般提供が開始され、会議の開始前にアジェンダ、ドキュメント、メモをまとめます。
Webex Contact Center も強化しています。2026 年 6 月にベータ版が利用可能になる AI ネイティブの Workforce Engagement Management ソリューションは、ワークフォース、品質、パフォーマンス管理を統合して、人間と AI エージェントの作業を一か所で計画、管理、最適化できるようにします。
未来のワークフォースは未来のワークプレイスを求める
AI は、人々が使うツールから、人々と一緒に働くチームメイトへと変わりました。このことが、ワークプレイスに関するあらゆることを変えました。誰が作業を行うのか、どこで行われるのか、どのくらいの速さで進むのか、サポートする必要があるインフラストラクチャは何か、といったことです。
AI 対応セキュア ネットワーク アーキテクチャの重要性はかつてなく高まっています。これは、エージェント型ワークプレイスの基盤です。AgenticOps を通じて運用をシンプル化し、セキュリティを考慮して設計されており、拡張性が考慮され、あらゆる環境の人間およびデジタルワーカーに対応しています。
シスコが AI 対応セキュア ネットワーク アーキテクチャをどのように発展させているかをご確認ください。また、AgenticOps、AI 対応スイッチおよびワイヤレス、Cisco Multicloud Fabric の技術的な詳細についてご覧ください。
将来の見通しに関する記述:本記事で説明されている製品や機能の一部は開発段階にあり、利用可能になった時点で順次提供されます。これはシスコの現在の製品計画を反映しています。計画は変更される可能性があり、拘束力のある約束ではありません。製品、機能の開発、リリース、および時期は、シスコの単独の裁量により決定されます。