Cisco Japan Blog

Cisco Live で発表予定の内容と、発表まで待てなかった理由

1 min read



 

この記事は、Chief Customer Experience Officer , Executive Vice President である Liz Centoni によるブログ「 What We’re Announcing at Cisco Live. And Why It Couldn’t Wait. 」( 2026年 6月 2日 )の抄訳です。

 

Cisco IQ をリリースした際、AI 時代はサイクルの中盤に入ったと述べました。AI は、本来それを想定して設計されていないインフラストラクチャ上に導入され、そのインフラを担当するエンジニアたちは、人間が本来行うようには設計されていない作業に貴重な時間を費やしていました。

この状況は今も変わっていません。しかし、その根底にある脅威環境は変化しています。

攻撃のスピードが加速し、コンプライアンス要件は現実のものとなっています。クラウドに接続できない環境であっても、運用にはインテリジェンスが必要です。そして、セキュリティ態勢は本当に十分なのかという問いに対して、これまで納得のいく答えはありませんでした。なぜなら、それを検証するためのベンチマークが存在しなかったからです。

まさにこれが、シスコが現在取り組んでいる課題です。

Cisco Live は、未来について語る場ではなく、実際の成果を披露する場です。ビジョンを説明する資料も、ロードマップのスライドも提示しません。ご紹介するのは、複雑な環境を管理し、すでに内部に入り込んでいる脅威を明らかにするために必要な機能だけです。

今年は、これまで十分な対応ができていなかった環境へ Cisco IQ をどのように拡張しているのか、そして現在のセキュリティモデルを凌駕する AI 脅威にどのように対処しているのかをご説明する予定です。

シスコは、ネットワーク内の最も隔離された領域にまでエージェント型インテリジェンスを導入し、攻撃者のスピードに匹敵する対応を実現することで、そのギャップの解消を目指しています。

ここでは、2026 年 7 月に提供開始予定の新機能と、それぞれの機能が存在する理由をご紹介します。

 

Resilient Infrastructure サービス

AI を活用した攻撃のスピードによって、従来のパッチサイクルは根本から破綻し、
脆弱性が悪用されるまでの時間は数週間から数分へと短縮されました。Resilient Infrastructure サービスは、ポスト Mythos 時代を想定して特別に設計された 3 段階のサービスです。

製品チームがパッチを開発・リリースする一方で、お客様が攻撃者よりも迅速に対応できるよう支援します。攻撃対象領域を可視化し、最もリスクの高い脆弱性を特定し、即時のパッチ適用が不可能な場合は補完コントロールを適用するとともに、完全な修復対応へ向けた道筋を構築します。目標はいたってシンプルで、脆弱性の公開から防御までの時間を最小化することです。

 

量子対応状況アセスメント

ほとんどの組織は、量子コンピューティングの時代が到来することを認識しています。しかし、それが現在運用しているインフラストラクチャにとって何を意味するのかを理解している組織はごくわずかです。HNDL(Harvest Now, Decrypt Later:今すぐ収集し、後で復号)攻撃は、将来のシナリオではありません。もしお使いのデバイスが量子コンピューティング時代に耐えられない暗号アルゴリズムを使用しているのであれば、機密データはすでにリスクにさらされています。単にそのリスクがまだ顕在化していないだけです。

シスコは Q-Day(量子時代の到来)を待って行動するつもりはありません。すべてのデバイスを、セキュア通信、セキュアプラットフォーム、暗号アジリティという 3 つの基準に基づいて評価する、自動化されたエージェント型アセスメントを提供していきます。これにより、手遅れになる前に、設定変更、パッチ適用、または機器交換を行うための優先順位付きロードマップを得ることができます。

 

Cisco IQ オンプレミス(エアギャップ対応)

多くの組織にとって、データ主権とローカル制御は譲れない要件です。そのため、完全に隔離された環境でも Cisco IQ のエージェント型インテリジェンスをフル活用できるようにしています。外部クラウド接続を必要とせず、AI によるインサイトをローカル環境で提供します。この機能は、お客様のセキュリティ境界内で完全に動作します。データ主権と運用効率のどちらか一方を選択する必要はもうありません。

 

ピアベンチマーク機能

IT リーダーの誰もが問われるものの、自信を持って答えられる人がほとんどいない質問があります。それは、「自社は同業他社より先を行っているのか、それとも遅れているのか」です。正直なところ、これまではその答えを知る方法はありませんでした。Cisco IQ により、その状況は変わります。ピアベンチマーク機能によって、自社のセキュリティ態勢を、業界の同業他社から収集した匿名化・集約済みデータと比較できるようになります。自社と同じような組織から得た実データに基づく、業界平均ではなく、実際の同業他社との比較です。これにより、セキュリティ投資の妥当性を検証し、ギャップが存在する領域へリソースを集中するために必要な、リアルタイムの根拠を得られます。

 

統合された運用とインサイト

シスコのお客様は、Cisco Cloud Control と Cisco IQ のシームレスな統合によるメリットを得られます。Cisco IQ は、Cisco Support および Professional Services 向けの統合デジタルインターフェイスです。Cisco Cloud Control は、稼働中の環境を管理する運用チーム向けに、リアルタイム監視と AI を活用したコラボレーション機能を提供します。一方、Cisco IQ は、IT リーダーに対して、ライフサイクルに関するプロアクティブなインサイト、エキスパートによるガイダンス、パーソナライズされたサポートを提供します。両者は双方向にデータを共有し、統合されたシスコ エクスペリエンスを創出します。これにより、お客様はインサイトを実際の行動につなげ、問題解決を迅速化し、より優れたビジネス成果を達成できるようになります。

 

統合によって実現するもの

Cisco IQ は、Cisco Support および Professional Services を提供する基盤として構築されました。40 年にわたる組織的知見を、お客様から問い合わせをいただく前に継続的に提供できるようにしています。

本日発表する内容は、その対応範囲を、重要なあらゆる領域へ拡張するものです。

つまり、理論上ではなく、今まさに現実に存在する脅威カテゴリへと対応を広げ、現代のツールでは十分に対応できていなかった環境もカバーし、お客様が直面している AI 攻撃のスピードに匹敵する対応モデルへと進化させます。

エージェントがアクションを実行するといっても、すべてが決定論的であることに変わりはありません。お客様のインフラストラクチャに影響を与える前にアクションが検証され、統制の下で実行されます。AI がインサイトを提示し、お客様が意思決定を行い、責任はシスコが負います。

 

詳細情報

Authors

Daisuke Naya

Director, Services Sales

APJC Sales

コメントを書く