Cisco Japan Blog

より良い未来に向けて、シスコが高度道路交通システムを支える 6 つの方法

1 min read



 

この記事は、Engineering Solution Architect
IoT Product Management Solutions である Pete Kavanagh とProduct Marketing Manager IoT Marketing であるHenry Teichert よるブログ「 Six Ways Cisco is Powering Intelligent Transportation for a Better Future 」(2025/11/24)の抄訳です。

 

毎年、交通渋滞によって何百万もの時間が無駄になっており、交通死亡事故がゼロでないという事実も決して容認できるものではありません。そうした事情にも関わらず、今日、そして将来のニーズを満たす高度道路交通システムへと変革するにあたって、世界各国の運輸当局や都市の前には、依然として共通の障害が立ちはだかっています。変革の中核にあるのは、ますます複雑化する道路沿いのインフラを接続、保護、管理、拡張する能力です。

先日アトランタで開催された ITS 世界会議で、私たちはこれらの課題と、その克服方法について議論しました。このイベントは、世界中のリーダー、研究者、業界の専門家が集まり、コネクテッドカーや自動走行車の安全性、交通分野における AI、サステナビリティなどをテーマに、最新テクノロジーについて展示し、議論するものでした。会議が目指すのは、より安全で、より環境に優しく、よりスマートな未来の交通システムを構築することです。

本記事では、交通機関が抱える 6 つの主要な課題と、それらの課題の克服をシスコがどのように支援しているかをご紹介します。

 

1.  ITS ベンダー間の相互運用性の実現

ITS ベンダーは、それぞれが独自のプロトコル、管理ツール、接続規格を採用しているため、ITS 世界会議では、運輸当局が直面する最大の課題の 1 つが、異なるベンダーの機器を統合することであることが明らかになりました。シスコは、ネットワーク構築にあたり、オープンかつ標準規格に基づくアプローチを用いて、この課題を解決します。シスコの産業用スイッチ、ルータ、ワイヤレスアクセスポイントは、イーサネット、IP、業界標準 API などのプロトコルを使用しているため、共通基盤として機能し、カメラから交通信号制御機まで、異なる ITS デバイス間のシームレスな通信を可能にします。

シスコは 20 年以上にわたり産業分野向け製品を提供しており、その製品は交通分野のテクノロジーベンダーとも完全に相互運用できるよう設計されています。

ネットワークレベルの特長

  • OT の世界がイーサネットや光ファイバへ移行する中、シスコは 40 年以上にわたって IT イノベーションを産業界にもたらしてきました。
  • オープンスタンダード:シスコはオープンな通信プロトコルをサポートし、複数ベンダーの ITS デバイスが独自仕様に縛られることなく接続・データ交換できる環境を提供します。

データ アプリケーション レベルの特長

  • エッジコンピューティング:シスコのエッジデバイスは、データ発生源に近い位置で処理を行い、デバイス間の言語の違いを変換し、データを正規化して中央管理を容易にします。
  • API を活用した統合:シスコの API を利用することで、ITS 管理ソフトウェアとネットワークハードウェアの連携が可能になり、自動化が実現し、サードパーティ ソリューションとの統合も容易になります。

こうした相互運用性は、将来を見据えた柔軟な ITS 環境を構築するうえで不可欠です。これにより運輸当局は、単一のエコシステムに縛られることなく、新しいテクノロジーやベンダーを容易に採用できるようになります。

 

2. 独立したネットワーク展開の課題の解決

従来の ITS の導入では、それぞれのシステムが別個に管理され保護されることが多く、それが非効率な運用とインフラの重複を招き、セキュリティの盲点を生み出してきました。シスコのソリューションは、ネットワーク、管理、セキュリティ機能を統合アーキテクチャにまとめることで、それらの連携をサポートします。

 

シスコのサポート

  • 統合ネットワークインフラ:シスコの産業グレードのスイッチとルータを活用することで、運輸当局は、複数の ITS アプリケーションを単一の堅牢なネットワークに統合できます。これにより、並列的なケーブル敷設やハードウェアが不要となり、運用と保守が簡素化されます。
  • 中央管理:Cisco Catalyst CenterCatalyst SD-WAN Manager は、ITS ネットワークの設定、監視、アップデートを一元的に行える単一の管理画面を提供します。
  • 統合セキュリティ:一元化されたポリシーと監視により、運輸当局は、接続されているすべてのシステムに一貫したセキュリティを適用し、リスクを最小限に抑えながら複雑さを軽減できます。

これにより、俊敏性、安全性、効率性に優れた ITS 運用が実現します。データは自由に流れ、リソースが共有され、運輸当局は変化するニーズに迅速に対応できるようになります。

 

3. 共通のネットワークインフラ、セキュリティ、データツール

シスコは、最新の ITS 展開を真に支える屋台骨を提供します。

  • 耐久性の高いネットワークデバイスシスコの産業用スイッチ、セルラールータ、ワイヤレスアクセスポイントは、過酷な路側環境でも稼働できるように設計されており、天候、振動、電気的ノイズによらず稼働し続けます。
  • セキュリティバイデザイン:シスコは、VPN および MACsec を用いた暗号化通信から、統合ファイアウォール、侵入検知、ゼロトラスト ネットワーク アクセスに至るまで、あらゆるレイヤーにセキュリティを組み込んでいます。これにより、運輸当局は、脅威をより適切に検知し、ポリシー管理を一元化することで、防御の抜け穴を防ぐことができます。
  • データ管理ツールへのアクセス:シスコは、拡張性のあるエッジコンピューティングとクラウド統合を活用して、運輸当局が、さまざまなソース(コントローラ、センサー、LiDAR、レーダー、カメラ)からデータを収集、集約、分析できるようにします。これにより、交通管理、インシデント検知、計画立案に役立つ実用的なインサイトが得られます。

4. 道路沿いのインフラの安全かつ大規模な接続

道路沿いの何千ものデバイス(交通信号、環境センサー、電光掲示板)を接続するには、拡張性を備えた堅牢で安全なソリューションが必要です。シスコの製品は、この課題に対応できるように設計されています。

  • 高性能な接続性:産業グレードのイーサネットスイッチ、5G/4G/LTE セルラールータ、Wi-Fi アクセスポイントにより、厳しい屋外環境でも信頼性の高い帯域幅と低遅延を提供します。
  • ゼロトラストセキュリティ:路上に設置されているキャビネットの多くは物理的セキュリティが脆弱で、内部に容易に侵入される可能性があります。ネットワークにアクセスする前に、すべてのデバイスとユーザーを認証しアクセスを許可して、ネットワークへの侵入やラテラルムーブメントのリスクを低減することが重要です。
  • 遠隔管理:一元化されたツールにより、運輸当局は、ネットワークデバイスをリモートで展開、設定し、パッチを適用できます。また、ネットワーク機器に組み込まれたゼロトラスト リモート アクセスにより、現地に赴く必要が減り、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

5. サイバーレジリエンスの強化

重要インフラに対するサイバー脅威が増大する中、運輸当局は、多層防御を導入する必要があります。シスコは、以下の面でサイバーレジリエンスの強化を支援します。

  • ITS 設備の包括的な可視化:Cisco Cyber Vision をネットワーク機器に組み込むことで、運輸当局は、すべての接続デバイス、その脆弱性、通信状況を把握できます。これにより、運用担当者は、自らのセキュリティ態勢を理解し、攻撃対象領域を縮小するために対策を打てます。
  • セグメンテーションによる運用保護:侵害が発生した場合、あるいは重要でない設備が侵害された場合でも、同じネットワーク機器に接続されているデバイスを分離することで、重要設備を保護し、影響範囲を限定します。
  • 高度な検知と対応:Splunk を活用することで、運輸当局は、すべてのセキュリティデータを単一のツールに統合し、イベントを関連付けて高度な脅威をより確実に検知できます。また、修復ワークフローにより、インシデントに迅速に対応し、潜在的な被害を最小限に抑えることが可能です。

6. 運用効率の強化

中央管理と自動化ツールにより、運用を合理化します。

  • 迅速な展開:新しいデバイスの設定とプロビジョニングをリモートで行えるため、運用開始までの時間を短縮し、エラーを減らせます。
  • 障害の削減:プロアクティブな監視と自動アラートにより、サービスに影響が出る前に問題に対処できます。
  • 効率的な保守:セキュアなリモートアクセスにより、コストをかけて現場に赴くことなく、障害対応とアップデートを実施できます。

イノベーションへの道を切り拓く

シスコの基盤があれば、運輸当局は、以下の機能を活用して、安全性の向上と渋滞の軽減を図れます。

  • 拡張性:LIDAR、レーダー、気象などの新しい種類のセンサーを簡単に接続し、スマート モビリティ アプリケーションをサポートします。
  • データを活用したサービス:リアルタイムおよび過去のデータを活用し、高度な分析、AI による交通管理、新たなモビリティサービスをサポートします。
  • 将来性:オープンかつモジュール式のアーキテクチャなので、運輸当局は、新しいテクノロジーや標準規格を、進化に伴い採用できます。

まとめ

シスコのソリューションは、ベンダー間の相互運用性を実現し、将来の高度道路交通システムに必要な安全で拡張性のある基盤を提供することで、運輸当局が、ITS ネットワークインフラを接続、保護、管理できるようにします。シスコを選択することで、現在の運用課題を解決できるだけでなく、すべての人に、より安全で効率的かつ革新的なモビリティの実現に向けた道を切り拓くことができます。

 

オンデマンドウェビナー:道路のデジタルインフラの未来

道路向けソリューションの詳細

ソリューション概要

コメントを書く