シスコでは、Inclusion and Collaboration (I&C) の理念のもと、誰もが強みを発揮して自分らしく活躍できる職場づくりを大切にする企業カルチャーを育み、それをイノベーションの創出へとつなげていくことを目指しています。
その中核を担っているのが、次の 5 つのインクルーシブ・コミュニティです:
- Women of Cisco (WoC) – ジェンダー平等の推進
- Connected Disabilities Action Network (CDAN) – 障がい理解と支援
- Emerging Talent @ Cisco (ETC) – 若手・新卒層のコミュニケーション活性化
- PRIDE (LGBTQ+ & Allies) – LGBTQ+理解と支援
- Cisco Citizen Network (CCN) – 社会貢献活動の推進
このシリーズでは、それぞれのコミュニティに関わるリーダーたちが、自らの言葉で活動への想いや実践例を紹介していきます。第1回は、Cisco Citizen Network (CCN) にフォーカスします。
CCNは、シスコの企業文化を育む基盤
私は、ソフトウェア & サービス営業部門の責任者として、事業拡大を推進すると共に、Cisco Citizen Network (CCN) のスポンサーも務めています。
シスコが掲げる「誰もが活躍できる職場づくり」は、単なる働きやすさの追求にとどまりません。多様な価値観や個性を持つ社員一人ひとりが活躍できる環境を整えることが、個人と企業双方の成長機会を創出し、それが持続的なビジネス成果につながると確信しています。
この観点から、Inclusion & Collaboration (I&C) はシスコにとって欠かせない企業文化の柱です。なかでもCisco Citizen Network (CCN) は、シスコが社会とつながり貢献する企業文化を育む重要な基盤であり、全社員が参加できる活動として、I&Cを重視するシスコの文化を支えています。
職場の外で見えた、つながりと視野のひろがり
CCN の活動の中でも、特に手応えを感じたのが、地域のクリーンナップイベントです。この活動は東京および名古屋でこれまでに数回実施しており、毎回多くの社員に参加してもらっています。


先ほど述べたように、CCNは、I&C を重要視するシスコの企業文化の基盤として多くの社員に参加してもらいたいと考えていますので、いかに多くの社員に参加してもらうかということに腐心しました。「職場の近くでできる」、「誰でも共感できるお世話になっている街のクリーンアップ」というコンセプトで参加者のハードルを下げることで、累計で 100 名近い社員が参加いただきました。大勢の方に参加いただき、シスコの社会貢献意欲や企業文化を実感できる取り組みとなりました。
クリーンアップの活動は半期ごとに継続して行っておりますが、参加した社員の意欲を活性化させるために、Fun の要素も取り入れております。例えば、拾ったゴミの種類や量でスコアをつけてチーム対抗にするなどの工夫を取り入れ、結果として参加者も楽しみながら参加いただき、社会貢献活動に気負わずに参加できる環境づくりをしています。結果として部門を超えた交流や、初対面同士の新しい会話を生む場にもなり、他のコミュニティでは、どんなことをやっているの?」「次はこういうのにも参加してみたい」等のという声が社員の間で自然と生まれ、他の I&C 活動への関心や参加の広がりにもつながりました。

もう一つご紹介したいのが、認定 NPO 法人キープ・スマイリングへの支援活動です。この活動は、病院に入院しているお子様を支えながら、仕事との両立に挑戦している社員の実体験をきっかけに始まりました。
お子様の入院中の社員の実体験を役員会でお話いただいたことで共感を得て、結果としてシスコの年に1回のファミリーディにて、キープ・スマイリング様との共同ブースを持つに至りました。
イベントには数 100 名のシスコ社員やご家族の方に参加をいただき、日頃中々触れることのない「入院しているお子様を持つ親御様のご苦労」に触れる機会を提供できたのではないかと思います。
私自身、この活動を通じて、自分が知らない世界や、普段は意識が向きづらい世界があることを認識するいい機会になりました。日々忙しく働いていると、どうしても自分が認識している世界が世界のすべてと勘違いしがちですが、自分が見て・触れる世界の外側にも多くの世界があることに、気づけたこと、それが一人の社員の勇気ある声から始まったことはシスコの素敵な企業文化の一つの事例と考えています。
活動を通じて見えた変化
CCN の活動を続ける中で、社内にも少しずつ変化の兆しが見えてきました。たとえば、社員のボランティア活動への参加率は、昨年度・一昨年度共に 80 %前後と高い水準を維持しています。多くの社員が何らかの形で社会貢献に関わるようになっており、これは、関わりやすさを重視したプログラム設計や、制度的な後押しの効果が表れたものだと感じています。
シスコでは、社員が社会貢献に取り組みやすくなるよう、制度面でも積極的なサポートを行っています。
- ボランティア休暇:Time2Give
有給とは別に年間 10 日間のボランティア休暇を取得できます。
- ボランティアマッチング
認定 NPO 団体に対するボランティア活動 1 時間につき、シスコがその団体に 10 ドルを寄付します。
- 寄付マッチング
認定 NPO 団体への寄付に対して、シスコが同額を上乗せして寄付します (寄付額が 2 倍になります) 。
こうした仕組みによって、「やってみたい」という気持ちを具体的なアクションにつなげやすい環境が整っています。
また、社員同士のつながりが見えることで、「今度は自分がやってみたい」「次はこんな活動をやってみたい」という声も自然と増えてきました。ただの“参加者”ではなく、自ら提案し動く人が少しずつ増えてきたことも、ここ最近の大きな変化です。
私自身も、普段の業務では出会わない人と関わる中で、自分の視点が少しずつ広がっていく感覚を持ちました。社会とつながる時間は、仕事中心だった思考をいったんリセットし、視野と心を整えるきっかけにもなっています。
まとめ
CCN は、社員一人ひとりの想いや行動を起点に、社内に小さな変化の連鎖を生み出してきました。そして今、その広がりは社外へも向かいつつあります。
今後はさらに社会へのインパクトをあたえるために、社内だけでなく、お客様やパートナー企業、地域の皆様とのコラボレーションし、社会貢献の輪をシスコの外にも広げていけたらと考えています。
もしこの取り組みにご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントやお声がけをいただけたら嬉しいです。ともにより良い社会を育てていく仲間として、つながっていけることを楽しみにしています。