
2022年、シスコはエンタープライズ向け “デジタルトランスフォーメーション(DX)の継続的な成長を支える” IT インフラストラクチャとして「やわらかいインフラ」を発表しました。シスコが考える「やわらかいインフラ」の概念を様々なチャネルでの情報発信を続けるなかで、昨年の INTEROP2024 では、2030年を見据えた Service Provider のインフラストラクチャと運用を見据えて「やわらかいインフラ for Service Provider(SP)」を発表するに至りました。
本シリーズでは「やわらかいインフラ for SP」について解説していきます。ぜひ、お楽しみいただきたいと思います。
第1回目となる本ブログでは、「やわらかいインフラ for SP」をスタートした背景と、「やわからいインフラ for SP」の概要について紹介します。
エンタープライズ版「やわらかいインフラ」
社会環境やユーザーニーズの変化、パンデミックなどにより、IT インフラを取り巻く環境は大きく変化しています。
企業ビジネスの発展には DX が重要であることは周知されていても、アプリケーション/データにばかり注目されてしまい、DX を支える IT インフラストラクチャーへの注力が疎かになっているのが現状です [1]。
シスコは、DX を支えるインフラに必要な「やわらかいインフラ」を提案しています。
「やわらかいインフラ」は Connect、Secure、Optimize、Automate、Observe の 5つの要素で構成され、ユースケースごとに構築されていた従来のインフラを抽象化することで、様々なアプリケーションやデータに対応可能なインフラを実現します。
「やわらかいインフラ」では、これまで行われていたようなビジネス・業務要件からITインフラを構築するのではなく、将来にわたって様々な要件に対応できるように”インフラファースト”でITインフラを構築します。
エンタープライズ版「やわらかいインフラ」の詳細は Cisco のホームページや Cisco ブログを参照してください。
Service Provider のインフラと「やわらかいインフラ」の関係
「やわらかいインフラ」という名称の元となった“やわらかい”は、Service Provider のインフラを構築する際に使われてきた言葉です。もともと Service Provider のインフラは ”インフラファースト”で構築され、各キャリアは自社のインフラを活用してサービスを提供しています。また、昨今のニーズの変化に対応するには、様々なサービスを柔軟に提供するための ”やわらかさ”が求められています。
Service Provider を取り巻く環境の変化により、単に回線サービスを提供するだけでは収益向上は期待できない状況になっています。そのため、顧客のニーズに合わせて様々なサービスを迅速に提供することが必要となり、より柔軟なインフラが必須になっています。このような背景からシスコは、「やわらかいインフラ for SP」を発表することになりました。
「やわらかいインフラ for SP」では、収益向上を目的とする2030年に向けたインフラのあり方と、コストを削減するための高度な運用の実現(運用高度化)を提案しています。
次回からは、「やわらかいインフラ for SP」について説明します。
[1] IDC 2023/01 – Market Forecast – Doc # JPJ49207823 By: Hitoshi Ichimura国内IT市場 地域別予測、2023年~2026年
https://www.idc.com/jp/research/report-list?document=JPJ49207823
やわらかいインフラ ホワイトペーパー SP 版
2030 年を見据えたSPインフラの理想像[PDF-7.3MB]「やわらかいインフラ」の詳細はこちら
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