8/2(金)に 3 回目となる API ハッカソンイベント、Catalyst Meraki D-1 グランプリファイナルステージが開催されました。今回は 全部で13 チームにエントリーいただきました。
第 3 回目は、エントリーいただいた全チームが、途中辞退をすることなく作品を提出してくださいました。また、年々クオリティも高くなってきていて、ファイナリストの選定が難しいという、とてもありがたい状況となり、予定より多い 7 チームがファイナリストとして進出。ファイナルステージで素晴らしい作品をプレゼンテーションしてくださいました。
この API ハッカソンイベントでは、独創性、先見性、社会貢献、デザインおよび次のテーマを選択いただき、アイディアを作品化してもらいました。
- グリーン、GX、サステナビリティ
- 少子化対策・高齢化対策
- 災害対策・支援
- サイバーセキュリティ
- 教育・労働改革
ファイナリストのご紹介
チーム名 | 所属組織 | 作品名 |
Sky FNETS | 富士通ネットワークソリューションズ(株) | Meraki 脱出ゲーム |
チーム Bs with つなぐマップ | 個人 | 災害時に避難所と支援団体をつなぐサービス |
イノベーション.Lab | ミツイワ(株) | Meraki connects to AI |
Junical | 順天堂大学 | Meraki で叶える災害時と日常の架け橋 |
MERA スクール | ネットワンシステムズ(株) ネットワンパートナーズ(株) |
デジタル副担当と実現!教員を雑多な校務から解放し、ワクワクする未来の学校を目指して |
サンエル | (株)サンエル | 監視業務をスマートにかんたん統合ビュー |
NTT ビズリンク | NTTビズリンク(株) | Meraki API を活用した学校向け Wi-Fi 交通情報 Web |
各チームのプレゼンテーション
各チームにはそれぞれ 10 分のプレゼンテーションを行っていただきました。以下、筆者の個人的な印象を中心に短くどんな作品であったかをご紹介します。補足があればこの Blog にコメントをいただけると幸いです。
最初に登壇いただいたのは順天堂大学の学生が中心の「Junical」。
プログラミングや医療を学び、災害支援にアプローチしたいという想いからこの作品を考えたそうです。日常の高齢者支援のアプリを有事には災害時モードに自動切替し、避難活動や避難所生活の安心、医療支援などを盛り込んだ作品でした。避難所の状況を環境センサーでモニタしたり、外部 API を利用した医療支援のアイディアは素晴らしかったです。
2 チーム目は、「NTT ビズリンク」。学校向け Wi-Fi 交通情報 Web と題した作品でした。Meraki のダッシュボードはシンプルでわかりやすい、と言われていますが、NW 管理ツールを操作した経験がある人には簡単でも、学校の先生には更にわかりやすいインターフェースが望まれていると考えて、この作品に取り組まれたそうです。天気予報や渋滞予測情報サイトのような、教室単位や学校単位での Wi-Fi 利用状況が誰にでもわかるような作品となっており、学校での具体的なユースケースが説得力ありました。
3 チーム目はミツイワ株式会社の「イノベーション.Lab」。Meraki Connects to AI という生成 AI を活用した作品で、プレゼンテーションいただいたユースケースとして、医療介護業界の 2040 年問題にアプローチしたものでした。医療・ケアスタッフの業務を AI で支援したり、利用者のユーザーエクスペリエンスを DX で向上、というサービス提供者、利用者双方に寄り添う素晴らしい内容でした。本当にこのような生成 AI がいろいろな業界・業種で利用されていくだろうというリアリティを感じました。
4 チーム目は「サンエル」。三重県からご応募いただきファイナルステージにご参加いただきました。岐阜大学附属病院様の実際に環境において複数のシステムの監視における課題をシンプルな統合ビューにまとめた労働改革をテーマとした作品でした。各システムの異常をパトランプに例えた究極にシンプル化した統合ダッシュボードにし、実際の管理者のフィードバックをもらう具体的かつ説得力のある作品となっておりました。実際の利用者に寄り添うには、どこまでシンプルにできるかが重要なのだなと改めて実感した作品でした。
5 チーム目はネットワンシステムズとネットワンパートナーズの「MERA スクール」。学校の校務をデジタル副担任としてアシストするダッシュボードを作成いただきました。登校時の生徒の登校確認をカメラ映像解析でデジタル化し、未登校の生徒の認識や表情の分析や、校内でのインシデント発生前後のカメラ映像の録画機能、カメラやセンサーでの戸締まりやプールの開栓監視など教職員だけでなく保護者にも寄り添った素晴らしい作品でした。学校の安心は保護者の立場からも非常に興味深く聞かせていただきました。
6 チーム目は個人メンバでご参加いただいた「チーム Bs with つなぐマップ」。Junical と同じく災害支援をテーマにした作品でした。実際に能登の震災支援をされながら、そこで感じられた課題を解決するための実用性の高い作品でした。センサーで避難所の温度湿度や CO2 監視やセンサーボタン押下により必要物資のコミュニケーションなど避難所に必要な機能が盛り込まれておりました。また、点在する避難所とそこを支援するボランティア団体を SNS から分析して仮想マップで管理するというアプローチも非常に面白かったです。
最後のチームは富士通ネットワークソリューションズの「Sky Fnets」。ネットワークの基礎知識を脱出ゲームを通して学ぶという過去にない手法を取られた斬新な作品でした。ゲームという表面のその裏にはエンジニアの人材不足の解消、エンジニアの育成という情熱があり、それらをプレゼンテーションから熱く感じられました。AI やクラウドに目が行きがちですが、その下支えはネットワークであるというチームの熱い想いが印象的な発表でした。
第 3 回 Catalyst Meraki D-1 グランプリ結果発表!
各チームのプレゼンテーションを聞いたファイナルステージ審査員による採点から審査員特別賞を 2 チーム、優勝チームを 1 チーム選ばさせていただきましたが、今回は 2 チームにアイディア賞を設けさせていただきました。
アイディア賞:「イノベーション.Lab」Meraki connects to AI
生成 AI を使った最先端な作品はアイディア賞にふさわしい内容だったと思います。これで 2040 年問題は解決か!?
アイディア賞:「NTTビズリンク」Meraki API を活用した学校向け Wi-Fi 交通情報 Web
学校の先生という立場に寄り添った見やすいインターフェースのアイディアが審査員全員に響きました。
審査員特別賞:「サンエル」監視業務をスマートにかんたん統合ビュー
究極に UI をシンプル化して本来の業務にフォーカスして欲しいという攻めの業務改革とその実地検証が評価されました。
審査員特別賞:「Sky Fnets」Meraki 脱出ゲーム
ゲームという斬新なアイディアとネットワークエンジニアの情熱が審査員に響きました。
優勝:「MERA スクール」デジタル副担当と実現!教員を雑多な校務から解放し、ワクワクする未来の学校を目指して
教員だけでなく、生徒、保護者からヒアリングを行い、アイディエーションから練った素晴らしい作品でした。
第 3 回の感想と振り返り
今回で第 3 回の API ハッカソンイベントとなりましたが、毎回作品のクオリティが上がってきておりファイナリストに残念ながら残れなかったチームの作品も、非常にレベルが高かったです。3rd パーティ製品と API を使ってつなぐことでまだ見ぬ新しい価値や、ソリューションが生まれることを今回も証明できたのではないかと思います。
運営にあたっては有志 SE を中心に進めさせていただきましたが、至らぬ点もあったと思いますが、無事にファイナルステージを終えられたことを参加いただいた全チームの皆様、関係者に感謝いたします。
今回のイベントを通して作っていただいた作品がどのような形であれ、誰かの、何かのために実際に助けや支援につながることを期待しております。
次回については全く白紙ですが、また皆様にお会いできることを楽しみにしております。この Blog を呼んで CatalystやMeraki、Cisco 製品の API や、API ハッカソンイベントに興味持っていただけると幸いです。