この記事は、プレスリリース「Cisco Delivers Trailblazing Innovations to Help Cloud Operators Save Energy and Drive Operational Efficiencies」(2022/10/18)の抄訳です。
ニュースの概要
- シスコは、サンノゼで開催された Open Compute Project(OCP)Global Summit にて新しいイノベーションを披露しました。Nexus 9000 および Cisco 8000 ポートフォリオに導入されたこのイノベーションは、企業、Web スケール、ハイパースケールのお客様が持続可能性の目標を達成できるよう支援するものです。
- Cisco Silicon One を搭載した新しいルータおよびスイッチと、800G をサポートできる新しい高密度光トランシーバは、クラウドサービスにおける持続可能性のニーズと接続のニーズをバランスよく満たしながら、クラウドの経済性とネットワークのパフォーマンス向上に貢献します。
- Cisco Silicon One は、お客様が導入した人工知能/機械学習ネットワークを進化させます。標準のイーサネットでも、フルスケジュールド ファブリックでも、究極のパフォーマンスを実現します。
より多くの人とモノをつなぐことですべての人のためにインクルーシブな未来を実現するというコミットメントを掲げているシスコが、新しいソリューションを発表しました。このソリューションは、企業、Web スケール、ハイパースケールのお客様が、帯域幅の増強とスペースや電力の削減をバランスよく実現しながら、よりリッチなクラウドアプリケーションやサービスを提供するのに役立ちます。
データセンターで深刻化する課題
仕事や私生活で私たちが利用しているアプリケーションやワークロードは大量のトラフィックを生み出しており、データセンターを運用するクラウド サービス プロバイダーに大きな課題を突きつけています。クラウド事業者は、運用の安全性、経済性、
持続可能性、管理性を維持しながら、需要の変化に応じてパフォーマンスやキャパシティをバランスよく拡大することを目指しています。人工知能/機械学習、5G、仮想現実、拡張現実など、ネットワーク帯域幅を大量に消費する複雑で低遅延のアプリケーションをサポートするために、キャパシティを 800G に拡張する必要性が高まっています。複数のデータセンターを高いデータレートで接続する必要もあります。
シスコが提供するメリット
シスコは、オープンソースのディスアグリゲーション型オペレーティングシステムと、クラウドに最適化されたIOS XRネットワーク オペレーティング システムの両方をお客様に提供できる業界リーダーです。データセンターのファブリックを 100G/400G/800G に移行するお客様は、高いパフォーマンスとキャパシティを誇るシスコのスイッチおよびルータソリューションを導入することで、世界中の大規模インターネットバックボーンにおいて費用対効果の高い拡張、持続可能性目標の達成、投資保護というメリットを享受できます。
「シスコは 2019 年に未来のインターネットを構築するための基盤を発表しました。
より強力で効率的なインターネットを構築してより多くの人とモノをつなげられるよう、世界中の通信サービスプロバイダーを支援するためのものです」と語るのは、シスコ エンタープライズ ネットワーキングおよびクラウド/大規模インフラストラクチャ グループでエグゼクティブ バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャを務める Jonathan Davidson です。「シスコは、未来のデータセンターを設計および構築して持続可能性の目標を達成しようとしている企業をサポートする独自の方法とイノベーションを発表しました。画一的なポリシーを押し付けずにお客様に寄り添う姿勢を大切にしているシスコは、制限のない柔軟でオープンな運用を実現できます」。
画期的なマイルストーン
Cisco Silicon One は優れた汎用性を備えており、データセンターでのユースケースは増え続けています。イーサネットがサポートされているので最適な相互運用性を実現できるだけでなく、フルスケジュールド ファブリックもサポートされており、人工知能/機械学習のトラフィックで究極のパフォーマンスを実現できます。お客様はネットワークパフォーマンスのニーズの変化に合わせてより柔軟にネットワークを進化させることができます。シスコが新たに発表したルータよびスイッチソリューションは、現代のトラフィック需要に必要なプログラマビリティ、帯域幅、省エネルギー性を提供する Cisco Silicon One G100 プロセッサが搭載されています。G100 では 25.6Tbps が実現されており、12.8Tbps スイッチを使用して構築したソリューションと比べて電力を最大 77%、CO2 排出量を年間で約 9,000 kg 削減できます。(1)
クラウドデータセンター向けのシスコソリューション
シスコは Open Compute Project Global Summit でクラウド事業者向けの革新したポートフォリオをご紹介します。このイノベーションによってクラウドの経済性が向上し、持続可能性の目標を達成しながらパフォーマンスを向上させ、増加する利用要求に対応できるようになります。
最新情報
- 新しい 800G プラットフォームである Nexus 9232E と Cisco 8111 が登場しました。いずれもCisco Silicon One G100 を搭載しており、100G ベースの革新的な SerDes 設計を使用したシングルチップで 25.6T が実現されています。電力効率の向上と大容量をわずか 1RU で実現できます。
- 256 x 112G SerDes を搭載したこれらのコンパクトプラットフォームでは、市場をリードする 32 ポートの 800G が搭載されています。64 ポートの 400GbE または 256 ポートの 100GbE も含まれており、ブレークアウトケーブルを使用して、大幅な高密度化を省スペースで実現できます。
- 今日では、帯域幅を大量に消費する人工知能/機械学習コンピューティング クラスターをはじめとするハイパフォーマンスの利用要求をサポートすることが必要になっています。これらのプラットフォームはこのニーズに応える技術上の重要な進歩となっており、パブリッククラウドやプライベートクラウドにおけるマルチレベルのデータセンターファブリックを近代化することができます。
- 運用コストと CO2 排出量を削減できるだけでなく、設計を次のように柔軟に選択することもできます。
- Cisco Nexus や NX-OS などを使用した統合システム。データセンター環境およびクラウド環境で VXLAN、マルチテナント、マルチサイト、マルチケース、ACI をサポート。
- ハイパースケーラ環境でオープンソース/サードパーティのネットワーク オペレーティング システム(NOS)を使用するCisco 8000 などを使用したディスアグリゲーションシステム。
- 2 つの新しい高密度の業界標準 QSFP-DD800 フォームファクタ光トランシーバも登場しました。ポート帯域幅が 2 倍になり、データセンターのシングル モード ファイバ リンクを最大 2km まで接続できます。
- これらの新しい光トランシーバによって、400G および 100G インターフェイスへの高密度ブレークアウトを備えた新しい 800G プラットフォームで帯域幅を最大化できます。また QSFP トランシーバとの下位互換性によって既存の投資を保護できます。
業界の反応
「データセンターの運用に数十億ドルを費やしているクラウド事業者にとって、電力効率、エネルギー効率、スペース効率は非常に重要になっています。シスコの Silicon One ソリューションは、データセンター運用の経済性に大きな変化をもたらします。省スペースで大きな成果をもたらすモデルとなっており、需要を上回るキャパシティとパフォーマンスを備えた未来をクラウド事業者は実現できます」
— Ray Mota 氏、ACG Research 社 CEO 兼主席アナリスト
「人工知能/機械学習などの帯域幅を大量に使用するアプリケーションをサポートできる汎用性の高い Silicon One アーキテクチャをオープンコンピューティングにもたらしたシスコの取り組みは賞賛に値します。このようなオープンで、効率的で、持続可能なディスアグリゲーション型ファブリックは、OCP コミュニティに大きな利益をもたらします」
— Omar Baldonado 氏、Meta 社 DC ネットワーキングディレクタ
「Silicon One を搭載した Cisco 8000 ルータシリーズで SONiC がサポートされているのは素晴らしいことです。800G ポートのスループット、アーキテクチャの柔軟性、統合セキュリティ、SONiC サポートを兼ね備えたシスコのプラットフォームは、拡張可能で高性能なソリューションをオープンネットワーキングのイノベーションに基づいて構築するための新たな選択肢を提供します。SONiC ユーザーは、Silicon One の SAI を利用することで導入時の手続きを素早く進めることができます」
— Dave Maltz 氏、Microsoft 社 Azure ネットワーキング担当テクニカルフェロー兼コーポレート バイスプレジデント
「シスコパートナーである当社では、パフォーマンスと信頼性に優れたシスコのテクノロジーを導入しています。トラフィックの大幅な増加と大規模な 400Gbe 接続に対応するためにネットワークを拡張することになったときも、Cisco 8000 シリーズを採用しました。このソリューションを導入したおかげで、米国の著名な R1 機関や成長を続ける R2、R3 機関に対して、主要なネットワークおよびクラウドプロバイダーとして効果的にサービスを提供できるようになりました」
— Mark Meara 氏、NJEdge 社テクニカルオペレーション担当バイスプレジデント兼最高情報責任者
関連リソース
- ブログ記事:クラウドプロバイダーにメリットをもたらす大規模インフラのイノベーション、執筆者:Mauricio Cruz Covarrubias
- ブログ記事:Cisco Nexus:クラウドスケールのパフォーマンスと持続可能性を同時に実現、執筆者:Thomas Scheibe
- ニュースルームの特集:大規模インフラのイノベーションで世界は一気に変わる
- Cisco 8000 シリーズ
- Nexus 9000 シリーズ
- シスコのオプティクス
- Cisco Silicon One