2023 年 4 月から 5 月にかけて APJC NetAcadRiders が開催されました。
※NetAcadRiders とは、シスコ ネットワーキング アカデミーが主催するインタラクティブなネットワーク技術コンテストです。アジア太平洋地域(APJC)20 カ国以上にあるネットワーキング アカデミーに所属する学生達が同時刻に同じ課題に取り組み、競い合います。
今回の大きな変更点として、昨年は各国1名のみの参加だった Round2 (APJC大会) に今年は各国の上位 3名が参加できるよう変更されました。
今回は、各アカデミー代表が競い合う Round1 において、日本で 1位 / 2位の成績を修められた日本電子専門学校ネットワークセキュリティ科在籍の川瀬 響さんと張 晉 銓さん、またお二人のインストラクターである姜 怜和先生にお話を伺いました。
※お二人には日本代表として、18カ国の代表学生が競い合う Round2 (APJC大会) へも出場いただきました。
-はじめに、簡単な経歴と現在学校で学ばれていることを教えてください。
川瀬さん:ネットワークセキュリティ科で CCNA 取得を目標にしたネットワークの勉強、Linux のサーバ構築、IT セキュリティ全般に関する授業を受講し、日々学んでいます。
張さん:もともとネットワークの構築に興味があり、台湾でも学んでいました。さらに深い技術を学びたいと思い、日本に来日し、日本電子専門学校に入学しました。今はルータやスイッチの設定、ネットワーク全般を勉強しています。
根性がありそうな学生、大会を楽しんでくれそうな学生に参加してもらいたかった
-今回 NetAcadRiders に参加したきっかけを教えてください。
川瀬さん、張さん:先生方から声掛けをしてもらい、自分が今まで学んできた知識がどの程度、学外で通用するかを知りたく、NetAcadRiders への参加を決めました。
姜先生:川瀬さんは根性があり、英語という壁があっても、めげずに最後まで頑張って実力を発揮できそうだという点。また、もともとグローバル企業に興味があると聞いていたため、NetAcadRiders のようなグローバルな大会に参加してみるのが良い経験になるのではないかと思い選抜しました。
張さんはとにかく CiscoLOVE な学生だったからですね(笑)。授業後も学校内に残り、Ciscoの実機を触り学んでいる姿勢や、帰宅後も自宅でパケットトレーサーを活用して勉強しているのを知っていました。そこで、ぜひ Cisco の NetAcadRiders に参加し、楽しんできてほしいと思い声をかけました。
インタビュー中の 姜先生(左) 川瀬さん(中)、張さん(右)
英語での出題はそこまで壁に感じなかった
-実際に NetAcadRiders に参加してみた感想を教えてください。
川瀬さん:Round1 はところどころ英単語の理解が難しかった問題もありましたが、難易度はちょうどよかったです。Round2 は想定していた内容に近い問題でしたが、プロトコルの細かい理解ができていなかったことで、解ききれない問題がありました。もう少し、事前に対策をしていればもう少し点数とれたかも…正直、少し悔しいです。
問題以外の点では、行ったこともない国の学生の皆さんと、一緒に競い合ったことはとても貴重な体験でした。試験中、パーカーをかぶったままで見た目からしてハッカーっぽい学生や、日本では見られないようなすごい髪型の学生がいたりして、画面越しですが各国の文化を感じ、とても面白かったです。
張さん:Round1 は学校の CCNA の授業の質問と似た問題が多く、解きやすかったです。ただ、一部問題はまだ授業で習っておらず難しく感じました。参加前は英語での出題が壁になるかなと思いましたが、実際参加してみるとそこまで壁に感じませんでした。Round2 は時間が足りなかったです。あと 30分あればもう少し解けていたかも!いろいろな国の学生の様子を見られたのはとても良い刺激になりました。
丸暗記するのではなく、のびのびと自分で考えて答えを導くことが大事
-お二人とも Round2 のパケットトレーサーを利用したシミュレーション問題が好成績でした。その秘訣はなんでしょう?
姜先生:正直なところ、うちの学生たちはペーパーテストが苦手だと思っています。ただの暗記作業はどうしても眠くなりますよね、私もその気持ちわかります(笑)
それに対し、実機やパケットトレーサーを活用して課題を解いていくことは得意だと思っています。答えをそのまま暗記するのではなく、自分たちで考え、試行錯誤しながら構成を構築していく、のびのびと学ぶことが重要だと思っています。実際に CCNA の取得を目指すクラスの授業は実機やパケットトレーサーを活用する時間がほとんどです。学校を卒業した後に役立つ能力は、こういった自分自身で考え解決していく能力だと考えています。
変化に対応できるエンジニア、人材育成にも携わりたい
-将来目指すものを教えてください
川瀬さん:広く深く知識も技術もあるエンジニアになりたいと思っています。多くの仕事に携わり、それぞれの分野を極めていきたいです。また、人に教えることも好きなので、将来は人材育成にも携わっていきたいと考えています。
(姜先生:社会で多くのことを学び、ぜひ学校に指導者として戻ってきてね(笑))
張さん:今まで得た知識を生かすだけでなく、社会に出てからも常に新しい技術知識を吸収し、時代が変化しても、対応していけるエンジニアになりたいと思っています。
※川瀬さん、張さん、インストラクターの姜先生、さらには船山校長をはじめとした多くの日本電子専門学校の皆様、トロフィーの授与とインタビューにご協力いただき本当にありがとうございました。
1951 年創立。東京都新宿にある 3,000 名以上の学生が学ぶ工業系の総合学園。創立以来、ネットワーク・セキュリティ、AI、DX、IT・情報処理、Web・モバイル、CG・映像、ゲーム、アニメ、デザイン、電気・電子分野に昼夜間計 24 学科を設置。「一人ひとり、未来への約束。」をテーマにコンピュータ分野に興味をもつ若者たちを知識ゼロから目指す未来へ繋げていらっしゃいます。
※シスコ ネットワーキング アカデミー
1997 年スタート。現在では世界 180 ヵ国以上で展開されている、IT およびネットワーク技術者の育成プログラムです。世界での参画校 は 1 万 2 千を超えており、これまで累計 1500 万人以上のデジタル人材が受講しています。日本でも 150 校の教育機関、各種団体で提供され、毎年 8000 名がこのプログラムを通して、就職やその後のキャリアに繋がるスキルを学んでいます。