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提供開始から 20 周年を迎えたシスコのストレージネットワーキング


2023年6月5日


この記事は、Cloud Networking for Cisco’s Nexus & ACI 製品担当バイスプレジデント Thomas Scheibeによるブログ「Cisco Storage Networking is 20 Years Young」(2023/3/23)の抄訳です。

 

シスコが Cisco MDS 9000 ストレージネットワーキング スイッチを初めて出荷したのは 20 年前のことです。初回販売を開始した数か月後、お客様への大量出荷を実現しました。当時は、なぜシスコが「ストレージビジネス」に参入してきたのかと疑問の声が上がりました。しかし、シスコにとっては至極当然のことだったのです。確かに使っていた用語は少し違っていました。たとえば、その頃の接続先は「ホスト、HBA、LUN」であり、「サーバー、NIC、コントローラ」ではありませんでした。ただ、それでもまだネットワーキングの域を出ておらず、シスコのお客様からは期待の声が上がっていました。

シスコはこのような目標を持って、画期的なストレージネットワーキングのイノベーションを数々取り入れてきたのです。こうしたイノベーションには、Nexus スイッチや運用管理技術など、シスコが蓄積してきたデータセンターのネットワーキング技術のすべてが活用されています。この 20 年、シスコのイノベーションはお客様のお役に立ってきたわけですが、ストレージネットワーキング業界全体の発展にも貢献してきたと信じています。今こうしてシスコがこの業界の一員であることを誇らしく思う次第です。そうしたイノベーションの例を 5 つご紹介します。

  • セグメンテーション:仮想 SAN(VSAN)の使用によって実現したこの技術を用いることで、セキュリティ、仮想化、リソース使用率のレベルが上がり、SAN ファブリックの安定性が向上しました。
  • 可視性とインテリジェンス:シスコのシリコン技術、そして SAN の分析とインサイトによって実現したもので、ファブリックの高い可視性が得られます。拡張性のあるマイクロ秒単位の(すべての SCSI または FC-NVMe フローに対する)自己学習機能も備わっています。
  • 自動化:Nexus Dashboard ファブリックコントローラの RESTful API を使用して、MDS スイッチベースの NX-API、Python SDK、Ansible モジュールをサポートしています。これによりファブリック展開がシンプルになり、複雑さの軽減とコスト削減が実現します。
  • 輻輳管理:シスコ独自のイノベーションから生まれた機能であり、ホストやストレージに依存することなく SAN の輻輳を軽減するように設計されています。この機能は、Nexus Dashboard ファブリックコントローラの輻輳分析機能でさらに強化され、ファブリックレベルの輻輳をプロアクティブに検出して解決するのに役立ちます。
  • 投資の保護と拡張性:主要なファブリックテクノロジーが個々に進化しても(16G から 64G への移行、FC-NVMe の導入など)、同じモジュール式 MDS シャーシを使用できるため、考えるのも嫌になるほどの大混乱を招くフォークリフト アップグレードが不要になります。これは、MDS のモジュール式シャーシアーキテクチャの開発段階から設計原則として掲げていたものです。拡張性があるため導入しやすく、インフラを長く使い続けることができます。
Cisco MDS 9000 ポートフォリオ

図:Cisco MDS 9000 ポートフォリオ

お客様とパートナー様への感謝を込めて

この 20 年間変わらないことがあります。それは、ストレージネットワーキングのお客様のビジネスクリティカルなミッションを支えることに、シスコが全力を尽くしていることです。シスコのお客様は、金融サービス、政府機関、メディア & エンターテインメント、製造業など、最も要求の厳しい業種に属していらっしゃいます。お客様の環境では、最高レベルのパフォーマンス、信頼性、稼働時間が必要とされており、ストレージネットワーキングのプロトコルとして、今でもファイバチャネルが最も広く使われています。

シスコは、数年先を見越したさらなるイノベーションを通じて、既存のお客様と新規のお客様を支え続けてまいります。市場開拓とテクノロジーに関してご協力を賜っているパートナー様には心から感謝の意を述べたいと思います。当初から多くのパートナー様に、シスコと共に歩んでいただきました。シスコにとってパートナー様の存在は極めて重要です。というのも、ストレージのお客様は、ネットワークソリューションをパッケージとして購入することを希望されるからです。完全に統合され、テストされ、検証されたソリューションに、ストレージシステム、ソフトウェア、周辺機器、サービス/サポート契約も含めなくてはなりません。

シスコは幸運にも、長年にわたって変わることのないストレージのパートナーシップに恵まれ、それが数々のお客様の成功につながり、お客様の心をつかんで離さない共同イノベーションを生み出してきました。この 20 年間にシスコとのパートナーシップがどのように進化してきたのか、パートナー各社からお言葉をいただいたのでご紹介します。

「シスコとの 20 年という長く価値あるパートナーシップを通じて、お客様のビジネスクリティカルなデータとインフラのニーズに応えてきました。シスコは、仮想 SAN など MDS の重要な機能でファイバチャネル ネットワーキングにイノベーションをもたらしました。Dell のハイエンド ストレージシステムを補完するものであり、お客様のデータを安全に保護し、常に使用できるようにするために役立っています。」
Dave Lincoln 、ネットワーキングおよび新サーバーソリューション担当バイスプレジデント、Dell Technologies

20 年にわたって、お客様のニーズの変化や、新しい製品、ソリューション、サービス、消費モデルに対する新たな要件に対応するために、両社のパートナーシップが成長し、拡大するのを目の当たりにしてきました。製品を共同で開発し提供することに両社が力を注いできた結果、エッジからクラウドを経てコアに至るまで、お客様にデータを最大限に活用いただけています。今後の 20 年間で両社のパートナーシップがどのように進展し、お客様、そして世界のためにどういった成果をもたらすことができるのか、非常に楽しみであり、楽観的でもあります。」
Mark Ablett 氏、デジタル インフラストラクチャ事業部門プレジデント、Hitachi Vantara

MDS テクノロジーに関して、IBM がシスコの唯一の OEM パートナーであることに誇りを感じてます。シスコとの共同開発の歴史は 20 年に及び、その賜物である MDS を使用した FICON およびファイバチャネル テクノロジーは、IBM zSystemsIBM StorageRed Hat OpenShift をご利用の多くのお客様に高い価値をもたらしてきました。シスコとの共同顧客基盤が拡大し、両社でお客様のデータセンターの近代化を支援するようになっています。こうした中、Cisco MDS テクノロジーをベースにした、自律的なパスリセット機能を持つ IBM C タイプ ストレージ ネットワーキングは、IBM Storage が提供する長期的な価値の重要な部分を占めることになるでしょう。」
Sam Werner 氏、製品管理担当バイスプレジデント、IBM Storage

「最先端のファイバチャネルスイッチとダイレクタを業界に提供する Cisco MDS の発売から 20 周年を迎えられたことにお慶びを申し上げます。過去 20 年以上にわたる長年の関係を特徴づけてきたものが、イノベーションと相互運用性に対する強い信念の共有、そして両社共通のお客様に最先端のソリューションを提供してきた実績です。Marvell® QLogic® 32GFC/64GFC HBA Virtual Lane テクノロジーを活用した最新の輻輳緩和機能を備えており、Cisco MDS の仮想リンク機能をホストとストレージシステムに拡張します。これは両社が継続的に協力してきたことの証であり、今後も共に成功できると確信しています。未来が楽しみです。」
Matt Kim 氏、マーケティング、サーバー接続事業部門担当バイスプレジデント、Marvell

NetApp はシスコが MDS 20 周年を迎えたことに、心からのお祝いを申し上げます。SAN 市場におけるクラス最高のソリューションである MDS FlexPod の一体型ソリューションは共同イノベーションで実現しました。今回の 20 周年という節目は、長く価値あるパートナーシップを示すものです。」
Phil Brotherton 氏、ソリューションおよびアライアンス担当バイスプレジデント、NetApp

今後の展望

お客様にとって、デジタル情報、すなわちデータの重要性がかつてないほど高まっているのは間違いありません。「新しい石油」から現代企業とデジタル経済の「生命線」まで、データはさまざまな言葉で表現されてきました。よりスマートな製品を作り、より良いカスタマーサービスを提供し、競合他社に打ち勝つためのインサイトの宝庫。それがデータです。ストレージ エリア ネットワークは、データとアプリケーションを安全、確実に接続します。これまで以上に、この機能の重要性は増しています。この状況が変わらない限り、シスコはストレージネットワーキングの分野でイノベーションを起こし続けます。

 

Cisco MDS 9000 の詳細をご覧ください。

 

 

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