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激しい市場競争を勝ち抜く、これからの製造業のネットワークインフラ

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近年、製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。デジタル技術の最大活用、新興企業との競争、より一層求められるカーボンニュートラルへの対応をはじめ、企業が解決すべき課題は山積しています。

こうした環境の変化に素早く対応する上で、ITの観点から重要なのは、柔軟性の高いネットワーク インフラストラクチャです。今、製造業に求められているネットワークのあり方を、実例を交えながら解説します。

ビジネススピードに追随できる安全なネットワークが必要

 製造業が昨今の企業競争を勝ち抜く上でどのようなIT環境が求められるでしょうか。この問いに対してロボットによる無人化、自動化など高度なデジタル技術を連想される方もいるかもしれません。しかし、企業の基本的なITインフラとして、いま改めてネットワークに目を向けてみる必要があります。

例えば、組織変更や従業員の働き方に伴いユーザーのアクセス許可を柔軟に変更したい、外部企業との協業を加速するために必要なITリソースにアクセス許可を与えたい、といったシーンを考えてみましょう。こうした組織的な柔軟性は昨今極めて重要になっています。このとき、ネットワークの設定・変更が滞ると、ビジネススピードのボトルネックになってしまいます。ネットワークのちょっとした変更も社内での対応ができず、外部企業に依頼して対応を行っているという企業も少なくないでしょう。

こうした課題に対応するため、企業にはより柔軟かつ簡単に運用管理できるネットワークが必要になっているともいえます。加えて、注意を払わねばならないのがサイバーセキュリティ対策です。特に製造業では、ランサムウェアによって工場が操業停止に追い込まれた事例が頻繁にメディアに取り上げられていることからもわかるように、セキュリティ対策はビジネスに直結しており、もはや経営問題の1つとなっています。

 

セキュアで効率的なネットワーク運用をCisco DNA Centerで実現する

IT運用業務に十分な人員や時間を割けない、専門技能を持った人材の確保が難しいという課題も多くの企業で見受けられます。それは製造業でも同様です。だからこそ企業には、少ない業務負荷で、誰でも効率的にネットワークを運用できるソリューションが求められているともいえます。

ここまでお話したような課題に対してシスコが提供しているのが、自動化、仮想化、可視化などの技術で高度かつセキュアなネットワーク運用管理を実現する「Cisco DNA Center」です。これまで管理者が社内のネットワーク機器に対して行っていた設定作業などは、Cisco DNA Centerで一括して行えるようになります。

製造業の企業で特に活用が進んでいるCisco DNA Centerの機能とその価値をまとめると、以下の点が挙げられます。

1.作業の自動化

ネットワーク機器のひとつひとつに対する設定作業を、Cisco DNA Centerのコントローラから一括で自動的に実施できます。こうした一括処理の機能はソフトウェアアップグレードを行う際にも活用できます。

また機器の脆弱性やバグといった潜在リスクを自動スキャンしたり、設定変更の履歴管理を行ったりもできます。こうした自動化機能によって、ネットワーク設定の迅速な変更や、セキュリティ向上を実現することができます。

Cisco DNA Centerによる脆弱性情報の一元管理

Cisco DNA Centerによる脆弱性情報の一元管理

 

2.端末や通信の可視化・分析

昨今の製造業では、IoTの導入によって管理対象のデバイスが増加している企業も多くあり、ネットワークに接続されている多種多様な端末を把握し可視化することは非常に重要です。加えて、障害の検知、無線LANの電波状況、ネットワークトラフィック状況の把握と管理が可能になるため、不審な端末があってもすぐに発見して対処できるようになります。

Cisco DNA Center によるクライアントと通信状況の可視化

Cisco DNA Center によるクライアントと通信状況の可視化

 

3. ネットワーク仮想化

Cisco DNA Centerでは、SDN機能によって物理ネットワークの上に仮想的なネットワークを簡易に構築できます。これによって、例えば社内の新たな組織や社外の新たな協業チームに、GUIの簡単な操作でネットワークを割り当てて安全なアクセス権限を付加することができます。こうした変更においても個々の機器設定は不要となり、Cisco DNA Centerのソフトウェア上で作業が完結します。

外部の人や協業先などさまざまな人が業務に関わる場合でも、Cisco DNA Centerなら、ポリシーベースで新たなセグメンテーションを設定でき、多様な利用者向けに柔軟なアクセスコントロールを行えます。

Cisco DNA Center でのセグメンテーション設定

Cisco DNA Center でのセグメンテーション設定

 

上記に挙げた3つの機能をるのもDNA Centerの特徴です。業務を外注せず、社内の人材だけで対応できるようになります。

ソフトウェアアップデートやネットワークアクセス制御を省力化

Cisco DNA Centerの製造業における事例を2つほど紹介します。

まず国内に10数拠点を有する部品メーカーでは、約400台のネットワーク機器のソフトウェアアップデートにCisco DNA Centerを利用しています。従来は機器ひとつひとつに個別対応を行う必要があり、1年近くかけて行っていた作業を、5月の連休の期間だけで完了できるようになりました。

Cisco DNA Center からソフトウェアアップデートを実施

Cisco DNA Center からソフトウェアアップデートを実施

 

事前にスケジュールしておけば立ち会いも不要で夜間でも実施可能です。また作業が失敗しても、どこで失敗したかが分かるようになっているので、すぐに適切な対処を施すことができました。

 もう1つの事例が、エレクトロニクス分野の製造業です。同社ではイノベーションを加速するために6000人規模の開発拠点を設立しました。そこで自由度の高い開発環境を構築するために、Cisco DNA Centerのネットワーク仮想化技術を利用しています。

開発に必要な端末やサービスへのアクセス環境を迅速に整備して開発スピードを加速すると同時に、協業する社外の人間にも必要なITリソースを開放して、活発な議論の場を創出しています。Cisco DNA Centerのポリシーベースのセグメンテーションを活用することで、柔軟なネットワークアクセス環境を、セキュリティを保ちながら効率的に運用している事例といえるでしょう。

ネットワークの高度化に向けた段階的なアプローチ

Cisco DNA Centerは、ここまで紹介したように多彩な機能を備えています。SDN機能を利用することで、拠点内のネットワーク変更を柔軟に制御することができる点はすでに紹介しましたが、既存のネットワークインフラを短期間で抜本的に変更するのが難しいこともまた事実です。必ずしもそこまで一足飛びに目指す必要はありません。

まずは、これまで一元的に把握することができなかったネットワーク機器を可視化したり、手作業で行っていた設定の一括処理や自動化などを進めていくだけでも、業務効率化に大きく貢献できるでしょう。

製造業はこれまでクローズドな環境が多く、工場のシステムが外部のシステムと連携したりすることは多くありませんでしたが、デジタルトランスフォーメーションの機運が高まりシステム構成も複雑化・高度化しています。そうした中で効率的かつ安全な運用管理を実現するためにも、改めてネットワーク運用管理の仕組みを見直してみてはいかがでしょうか。

 

Authors

渡部 周一

DNAセールススペシャリスト

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