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オープンバンキングとエコシステム

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Adam Neibergこの記事は、Global Industry Marketing Manager for Financial Servicesである Adam Neibergpopup_iconによるブログ「Open Banking and Ecosystemspopup_icon」(2022/11/15)の抄訳です。

 

Venmo は Google と同じように、固有名詞というだけでなく、今や動詞となっています。Venmo は、現金、小切手、またはデビットカードやクレジットカードを使用しない個人間での(あるいは中小企業宛ての)支払いを可能にしました。これを実現したのがオープンバンキングです。オープンバンキングでは、サードパーティの金融サービス企業が API を安全に使用してコンシューマバンキング、トランザクション、その他の財務データにアクセスできます。これにより、サードパーティプロバイダーはイノベーションの促進に必要な情報を入手して、付加価値のある新たなサービスを構築できます。

オープンバンキングが出現する前は、それぞれの金融機関がお客様のデータを内部で保持し、独占していたため、革新的な新しい金融サービスプロバイダーはそれらのデータにアクセスできず、市場参入が困難でした。これは、自身の診療記録を別の医師に確認してもらいたくてもそのデータを持ち出せないという、医療業界での仕組みと似ています。オープンバンキングの出現により、個人や中小企業が資産を管理する方法、金融機関のツールやブランドを使用する方法が劇変しました。

オープンバンキングは Venmo を誕生させただけでなく、デジタルエコシステムにも大きな影響を与えています。

オープンバンキングがもたらしたもの

金融機関のブランドと商品をエコシステムでサポートすることは不可欠です。ポストコロナ時代を迎えた今、迅速かつ大規模なイノベーションのニーズに牽引され、カスタマーエクスペリエンスとプロセスの両方に革新をもたらすパートナーエコシステムの導入と拡大が進んでいます。

オープンバンキングには、プライバシーを確保しつつ、消費者が自身の個人情報を管理できるようにするためのセキュリティ要件があります。これらの要件により、新たに構築される金融サービスエコシステムでは、お客様に選択の自由が提供され、小規模で俊敏性のあるテクノロジー企業には業界を劇的に革新する機会が与えられます。米国とカナダでは、非営利の業界標準化団体である Financial Data Exchange(FDX)popup_iconによって、財務データへのセキュアなアクセスを確保するための共通の標準規格が策定されています。FDX のグローバルメンバーには、金融関連のあらゆる利害関係者が含まれています。FDX の信頼できるプロバイダーとバンキングデータをより円滑に共有できるようになるにつれて、従来とは異なる小規模な金融機関が顕著な成長を遂げています。

こうした中、業界では頼りになる新しいオープン バンキング プラットフォームを開発する体制が整い、金融エコシステムが拡大しています。「構築するか購入するか」という難問に金融機関の経営者が頭を抱えることはもうありません。新たな問題となるのは、パートナーの選択です。たとえば投資パートナーを選べば、構築するか購入するかという問題に悩むことなく、迅速にイノベーションに取り掛かることができます。

実際、金融エコシステムの拡大により銀行業界全体では競争が激化しています。なぜなら、資金力やリソースがない小規模な地方銀行や信用組合でも、金融エコシステムのパートナーと API を活用して大手銀行と競争できるからです。つまり、規模を問わずに機会が与えられるということであり、大手銀行でも投資家や買収者であればエコシステムを利用でき、その知識を活用できます。

この急速な変化とイノベーションの推進により、一部の金融機関は安全地帯から抜け出して、イノベーション戦略を再設計し、新しい商品やサービスをデジタルエコシステムに提供する最良の方法を見極める必要があります。こうした金融機関が構築、購入、パートナーのいずれの方針を選ぶとしても、サポートと基盤は不可欠です。これはまた、古い考えを引きづって時代遅れの内部システムにこだわるのではなく、新しいプラットフォームやクラウドベースのソリューションに移行するための力にもなります。

進化するエコシステムの中でのシスコの存在

新しいデータ共有技術は、どんなに優れたAPIを構築しても、セキュリティリスクとパフォーマンスの問題を引き起こします。金融サービスにおけるこれらのアプリケーションの管理は、他の業界とは異なります。金融機関のミッションクリティカルなアプリケーションの開発とサポートには、規制が極めて重要な役割を果たしており、こうした規制がアプリケーションの管理を難しくしていることがよくあります。

そこで活躍するのが、AppOps と SecOps を中心に据えてビジネスを成功へと導く Cisco AppDynamics です。AppDynamics では、お客様が自社のインフラストラクチャを接続して、インフラストラクチャがアプリケーションに与える影響をモニタリングできます。このアプリケーション パフォーマンス モニタリング(APM)ソリューションを導入することで、広範な金融エコシステム内でハイブリッド アーキテクチャの AIOps を推進できます。具体的には次の成果を得られます。

  • IT の効率化迅速な根本原因分析によって平均復旧時間(MTTR)を短縮し、ソフトウェアとビジネスの KPI を相関させてパフォーマンス問題を診断できます。
  • あらゆるアプリのモニタリング パブリック/プライベート/マルチクラウド環境でリアルタイムのパフォーマンスモニタリングを利用して、
    アプリケーションの優れたパフォーマンスを確保できます。
  • フルスタックの拡張性 – オーバーヘッドの少ないモニタリングエージェントを使用して、エンタープライズ規模の拡張性を確保できます。
  • 堅牢なセキュリティ – 設計時点からセキュリティを考慮したアーキテクチャで、きめ細かいロールベースのアクセス制御を実現できます。

 

次のステップ

オープンバンキングで適切なパートナーを見つけて強力な関係を構築することで、非常に大きな可能性が切り拓かれます。最終的には、消費者により良いエクスペリエンスが提供され、日々のフィナンシャルウェルネスを管理するための選択肢が広がります。アプリケーションのパフォーマンスは顧客満足度に大きな影響を与えます。Cisco AppDynamics ならコードから消費者まで、その間にあるすべてのものを包括的に可視化します。

 

 

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Authors

Haruhisa Sakabe

Enterprise SE Manager

システムズエンジニアリング

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