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介護と子育てについての経験談~最終回

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 今回は、WoCのメンバー福永 啓蔵さん(以下、Keizoさん)のお話を伺うインタビューの最終回です。

 Women of Ciscoがシリーズでお伝えする介護と子育てについての経験談。

このブログを通して、従業員が働きやすく、充実した時間を過ごすために企業が提供している仕組みと、そこから生まれる企業文化の恩恵を私たち従業員にどう影響しているのか、その一例をご紹介します。

 第1弾は子育てを中心に伺い、第2弾では、現在子育て中の青柳さん、西本さん、また横井桃子さんからの質問に答えていただきました。
この回では、介護についての体験をお話しいただきました。
まだ、介護を体験していないメンバーからの疑問や質問にもお答えいただきました。

 

Women of Ciscoメンバー

 

 

 【突然の入院と介護、そして働き方改革の浸透

小林:  

今回は、介護体験についてお話しをうかがいます。

Keizoさんが、介護を体験されたのは、比較最近ですが、リモートワークの他に休業や有給休暇など取られたのでしょうか? 

Keizo  

母が入院してから介護をやっていた時期は90%リモートワークでした。 

その時は、休業や有給休暇、どちらも使ってないです。 

一同 驚き!

小林:  

お母様が倒れた時は、コロナ禍で完全リモート勤務になっていた時期とのことですが、看病や介護とのバランスを取った働き方にシフトするまでの準備期間というのはありましたか?

入院手続きなど、何日間かお休みを取ったりというのを一般に想像してしまいます。

Keizo:

実際何日休んだかという質問に対しては答えはゼロです。もうむちゃくちゃですよね

例えば午前中に神戸へ移動してその新幹線の中で仕事をして、 病院に着いて先生とお話しした後待合室で仕事するとかできるので。

病院からリモートで仕事やっていて、例えば1時間とか2時間とか先生とお話をする時間があるわけですけどその時間をぽっかり仕事の空白の時間にして普通に出勤というか仕事してたことにしていましたね。

実際皆さんも出張行くときも移動時間働いたりできるじゃないですか。それと同じですよね。 

 

 【介護に向き合うということ

青柳:

介護の時のつらかったこと、大変だったことを教えていただけますか? 

”介護”は、それだけでも本当に大変だったと想像します。 

育児も大変ですが、子供は大きくなるし、これからの人生が予測できるけれども、介護は、どれくらい続くのか予測できない先行きの不安などの後ろ向きな部分もあり、特にメンタルもすごく大変だと思います。

入院先へ訪問と身の回りのことをする体力(フィジカル)も大変ですが、心(メンタル)の整理をどうしていたのか、気になりました。 

Keizo:

大変だったことは、2つありました。1つはみんなが思うようなフィジカルな大変さで、もう1つはそういうこともあるんだという話になると思うんですけど 

この2つ目は、ショックとして一番大きかったこと、私が病院に行ったときはもう母は起き上がれないような状態で、自分が母に食事を与えるんです。スプーンにお粥とか入れて、はい!と言って食事を口に運んであげて、、。 

親はもう起きれないので横になった状態で、口に食事を運んであげて、やっと食べるというこの瞬間。この瞬間が一番とてつもなくショックを受けました  

社内イベント資料より 介護の段階と流れ

青柳:

そうですよね育ててもらってた親に対してという衝撃がありますね。それって回避できない感情だと思います。 

Keizo:

できない。想像すればそうなのかもしれないですけどそれ以上にきつかったですね。

青柳:

例えば、兄弟など同じ親を持っている同士だと、その感情を共有できるかもしれないですけど、パートナーである奥様は、自分の親ではないから同じ顔をするということも、結構難しいと思います。

どうやったら相談できる相手を見つけたり、抱えてる心の悲しみの状態を解消できるのでしょうか?やっぱり夫婦や近い人ときちんと相談できる環境を築くということでしょうか。何が必要なのかなと疑問に思いました。

Keizo:

すごく難しいですね。ご夫婦で介護に対してどれぐらいの理解があるかにもよると思いますが、どちらかが未経験で、どちらが経験しているという場合は、なかなか難しいんじゃないかなと思いますね。

今の例で言うと、1口目をあげるのにすごいショックを受けてどうしたらいいか分かんなくなったんだよって言ってもやっぱりそこに対する理解がついてこないと思うんですよね。

今青柳さんから言われて私がどうやってそういう気持ちを消化していったんだろうと考えてみたのですが、私は看護士の方に色々話しをしてましたね病院にずっといたので看護師さんに色々聞いたり相談したりしてましたね。

青柳さん:

なるほど、常に看護してくれている方が相談相手になったのですね。

Keizo:

看護士の方々は、本当にすごいですよ!よくここまでやってくれるなって思うくらい、介護のサポートしてくれる人達がいるということに、本当に驚きました。

業務で体を動かすことも、家族の話を聞いてくれたりすることも含めてサポートを感じました。 

 

【介護で必要とされる支援】

小林:

介護について、シスコの制度でこういうサポートがあったらいいなと思うことはありましたか 

Keizo:

とにかくこのシスコの企業文化に助けられているので、追加のサポートがあればということはその枠の外の部分になりますね 

やっぱり第一はお金。

私の場合は神戸と東京を行ったり来たりしていたので、神戸から東京に日帰りで来るとかそういうこともあったりしたんですけれど、やっぱり介護にかかる交通費の支援みたいなのがあると嬉しかったと思います。お金の話ばっかりで恐縮なんですけれど。

あとは、メンタル面のサポートで電話する窓口があるみたいですけれどメンタル面のサポートを使えばよかったなって今は思いますね

青柳:

親がどのぐらい蓄えがあってお金を拠出できるかにもよると思うんですけど一般的に病院の入院費やお薬とか諸々含めた金額と交通費はどのように負担されたのでしょうか

施設の方が高くなると聞きますが、いかがですか?

Keizo:

うちの場合は施設に入っていった時間が短かったので、病院にいる間は月10万円ぐらいで私が全額出しましたね施設に移ってからは母のお金でやりくりしました。

結局、入院も高額医療制度*1があるので費用は抑えられます。

*1高額療養費制度:「限度額適用認定証」の交付を受けて医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとにひと月の支払額が認定を受けた区分の自己負担限度額までとなります。

費用は施設の方が高いです。施設に移ってからは、年金も踏まえて考えましたね。 

青柳:

うーん。介護も入院したり、自宅でホームケアだったり病気だけじゃなく骨折など色々なパターンがあって、かかる費用は様々ですよね。 

Keizo:

そうですよね自宅でケアされる方はまあ大変だと思います

族に自分がどうして欲しいかをちゃんと説明することは大事です。親のことはもう終わっちゃったのでどうにもできないんですけれど次は自分の番になるので自分がどうして欲しいかについては家族にきちんと説明をしておいた方がいいですね。

例えばどこまで病院にいたいのか病気の時の治療方針、延命治療するか、どんな施設に入りたいかなど、施設が対応しているサービスの内容や金額、本当にピンキリなので、ちゃんと家族で話しておいた方がいいと思います。

社内イベント資料より 介護経験者として実感したこと

小林:

多くの疑問にお答えいただきましたが、今から備えておくべきことをアドバイスをいただけますか? 

Keizo:

お金の話しかしてなくて申し訳ないんですけど家族がお金で揉めないようにちゃんとしておくことが大事だと思います。

例えば自分が意識がなくなった後で、でもまだ生きてますという時に、入院するにしても、誰がそのお金出すのかとか、私の貯金がここにあるはずだからそれを下ろそうとか。 

自分に万が一のことがあった時にその財産をどうするかとかいったこともさっきの老後の話も含めて家族にはオープンにしておくっていうことは大事だと思います。 

どうしてかっていうと、私のケースは弟と母の間で色々共有されていて、私が知らないことがあまりにも多くて、悟り始めた時に何でも聞けて教えてあげるよって言ってくれないんですよね

やっぱりちょっと秘密っぽいことができちゃうと思うんです結局、自分が死ぬことで兄弟とか家族で揉めて欲しくないじゃないですか。

介護の時にどうして欲しいかっていうことをお金も含めてきちんとオープンにしておくっていうことですね。

WoCメンバー: 

貴重な体験談をありがとうございました

3回にわたる連載をお読みいただきありがとうございました!今後も誰もが働きやすいインクルーシブな環境を目指してさまざまなトピックを取り上げてブログでも発信していきます。

 

*1 厚生労働省 【高額療養費制度について】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

 

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