この大会は元日本代表で実業団トップチームの監督も務められた方が、健常者と障害者、さらには世代や性別による垣根を一切設けず、誰もが一緒に楽しめる大会をということで開催されたものです。
障害者と健常者が一緒に参加する大会は主に全国の障害者のスポーツ施設等主催で開催されてはいますが、障害者と健常者の「ふれあい」ではなく、いわゆる「ガチ」な卓球大会として開催されるのは珍しいのではないかと思います。
しかも主催者がジュニアからシニアまで幅広く多くの方に卓球の指導を行っているような方なので(実は僕のコーチでもあります)、参加者の卓球に対する姿勢も必然的に意識の高いものになると思いますし、事実、そうした方が集った大会でした。
そしてこの大会の面白い点がもう 1 つ。
それは「レーティング」というシステムを用いること。
それは世界ランキングを決めるポイント制と同じようなシステムで、選手一人一人にポイントが設定され、試合の勝敗でそれが増減していくシステムです。
ですので組み合わせも基本はそのポイント数により決定されます。
試合結果の入力も選手それぞれがその場でスマホ入力し、リアルタイムで更新、共有されるというものなので(一般的には紙に書いて本部席へもっていく)、僕は初めての経験でしたが試合進行のスムーズさ、スマートさを実感。
卓球界における IOT の活用を体験できました。
ですので、試合が終わって選手同士の挨拶を交わしたらまずスマホ入力という感じです。
いわゆる健常者の大会に障害者の選手が加わるというこの大会。
車椅子は僕一人、義足など立位の選手が 2 人の計 3 人のパラ選手が参加し、3 つのブロックに分かれてリーグ戦を行いました。
僕は 5 人のリーグで 4 試合を行い、1 試合目からフルセットの大接戦となったのでした。
その試合は最終セット 9 – 11 で敗れてしまい、スムーズな進行からすぐに次の試合、次の試合、と矢継ぎ早の展開に(笑)
暑い中でも夢中になって楽しんでいるのもあり、僕を含めみなさん辛そうにされている方はいらっしゃいません。むしろ笑顔が絶えないといった雰囲気です。
水分補給は互いに声を掛け合い行っていき、あっという間の 4 試合を終え、結局僕は 2 勝 2 敗の 3 位となりました。
さらに、少し時間の余裕があったので空いた台で別の方とも 1 試合。
セットカウント 1 – 1 で迎えた 3 セット目中盤、時間切れの為引き分けとなり、その大会を終えました。
大きなことを言えば、「障害者だから出来ない」ではなく、「障害があるけどこんなに出来る」を目の当たりにしてもらい、その可能性を実感していただいたことで、卓球という切り口から共生社会の実現へ一歩前進と思っていますし、試合の結果や内容はともかく、障害の有無だけでなく、様々な世代やジェンダーの枠を超えて、みんなで手を取り合い、声を掛け合い同じ時間を楽しく過ごし、大会を成功に導く、全員が同じ方向を見て一緒に前進していくというこの流れがすごく良かったなと思いましたし、実にいい経験をさせてもらいました。
ここからは次の大会へ向けた調整を集中的に行っていきます。
この大会で良いパワーを得られたので、それを活かし頑張っていきます。
でも暑さに負けないコンディショニングも怠らずに。