Cisco Talos はこのほど、NVIDIA D3D10 ドライバ(グラフィックカードドライバ)に 4 件の脆弱性を発見しました。これらの脆弱性を突いて攻撃者がメモリを破損し、任意のメモリをカードに書き込む可能性があります。
NVIDIA グラフィックドライバは、PC に搭載されている NVIDIA グラフィックカード(GPU)用のソフトウェアです。D3D10 ドライバは、オペレーティングシステムと GPU の間で通信します。ほとんどの場合、PC が正しく機能するために必要となるものです。
攻撃者は、細工されたファイル(実行ファイルまたはシェーダーファイル)を標的に送りつけてこれらの脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。
仮想化環境を実行しているゲストマシンが標的にされた場合は、これらの脆弱性を突いて攻撃者がゲストからホストへのエスケープを実行することも考えられます。RemoteFX 機能を使用している HYPER-V ゲストで問題を検証したところ、HYPER-V ホストで脆弱なコードが実行されました。
問題の詳細については、以下にリンクされているアドバイザリを参照してください。
- TALOS-2021-1435(CVE-2022-28181)
- TALOS-2021-1436(CVE-2022-28182)
- TALOS-2021-1437(CVE-2022-28182)
- TALOS-2021-1438(CVE-2022-28182)
Cisco Talos はシスコの脆弱性開示方針に準拠して NVIDIA 社と協力し、今回の脆弱性が解決されたこと、および影響を受けた利用者向けにアップデートが提供されていることを確認しています。
影響を受ける製品(NVIDIA D3D10 ドライバ 496.76、バージョン 30.0.14.9676)をお使いであれば、できるだけ早く更新することをお勧めします。Talos では、このドライバが今回の脆弱性によってエクスプロイトされる可能性があることをテストして確認済みです。
今回の脆弱性のエクスプロイトは、SNORTⓇ ルール(58880 ~ 58883、58885、58886、58910、58911)で検出できます。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Cisco Secure Firewall Management Center または Snort.org を参照してください。
本稿は 2022 年 05 月 17 日に Talos Group のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Multiple memory corruption vulnerabilities in NVIDIA GPU driver」の抄訳です。