この記事は、Enterprise Networking の Technical Leader である Rajesh I V によるブログ「Three key network challenges every enterprise should address in the post-pandemic era」(2021/10/7)の抄訳です。
Wi-Fi 6 にはさまざまな新機能が導入されていて、見ると胸が躍ります。スループットやセキュリティの向上、省電力などが期待できる Wi-Fi 6 は魅力的なテクノロジーであり、ネットワークのアップグレードを真剣に考える価値があります。企業ネットワークで発生していたアクセス関連の諸問題も、素晴らしい新機能によって解決できる可能性があるのです。
一般的な企業ネットワーク環境では、ネットワークのアップグレードを問題なく進めていくのはネットワーク管理者の役割です。スムーズにアップグレードするためには、計画フェーズで綿密な調査を行う必要があります。
Wi-Fi 6 へのアップグレードにあたっては、管理者は次のような最重要事項を確認しておかなければなりません。
- アクセスポイントの優先的なアップグレードが必要なエリア
- 設置場所に最も適した Wi-Fi 6 アクセスポイントの種類
- ネットワークを中断せずに移行する方法とタイミング
いかがでしょうか。なかなか厄介な項目が並んでいるようです。アップグレードを成功に導く優れた分析情報とガイダンスを提供する効率的なツールがあれば大いに助かります。そこでお勧めしたいのが、Cisco DNA Center です。アップグレードに役立つ機能が用意されています。計画段階から実施段階まで、アップグレード作業を一貫して支援する広範な機能を Cisco DNA Center は備えています。
計画フェーズ
計画フェーズでは、アクセス関連の諸問題が発生している場所を特定し、優先順位を付けます。アクセス関連の一般的な問題としては、次のようなものがあります。
- ネットワークにアクセスが集中するポイントがあって重度の輻輳が発生している
- 帯域幅を消費する高出力の IoT デバイスが稼働しているエリアがある
- モバイルデバイスのアップリンク パフォーマンスが低い場所がある
- 高干渉のエリアがある、など
Cisco DNA Center Assurance は、企業ネットワークの Wi-Fi 6 対応状況に関する分析情報を提供する専用ダッシュボードと、Wi-Fi 6 にアップグレードすることで最大の効果が得られるアクセスポイントを検出する、人工知能/機械学習を活用した一連のダッシュボードを提供します。Wi-Fi 6 ダッシュボードを使用すれば、ネットワークのクライアントがどの程度 Wi-Fi 6 に対応しているかや、定期的にアップグレードが推奨される場所のパターンを把握できます。また、ネットワークで Wi-Fi 6 を有効にするために必要な、インフラレベルでのアップグレードに関する情報も取得できます。
ネットワークのアップグレード対象となる場所について有益な情報を入手したら、次に、使用すべき Wi-Fi 6 アクセスポイントの種類を特定する必要があります。シスコでは、あらゆる種類の機能を提供する Wi-Fi 6 アクセスポイントを豊富に取り揃えています。各種のアクセスポイントを比較し、お客様の要件と突き合わせることで、適切なアクセスポイントをお選びいただけます。
アップグレードフェーズ
アップグレード作業は、ユーザの生産性低下を避けるために定期メンテナンス時に行うのが普通です。Cisco DNA Center には [アクセスポイントの更新(Access Point Refresh)] という効率化された UI ワークフローが用意されているので、アップグレード作業をよりスムーズに進めることができます。
最初にワークフロータスクを作成
計画フェーズでの準備作業がここで役立ちます。収集した情報がワークフローで必要になるのです。ワークフローの各ステップの概要を以下に示します。
- まず、このワークフローを使用して新しいアップグレードタスクを作成し、指示に従って情報を入力します。ワークフロータスクは何度でも編集して保存できます。その後、交換タスクを送信してトリガーします。
- ワークフローでサイトを選択してから、交換するアクセスポイントを選択します。
- 交換前の(古い)アクセスポイントごとに、交換後の(新しい)アクセスポイントのシリアル番号を指定します。Cisco DNA Center はこの情報を使用して、交換に使用されるアクセスポイントが適正であることを確認します。
- 新しいアクセスポイントの詳細を指定するには 2 つの方法があります。新しいアクセスポイントを対応するスイッチに接続済みの場合は、Cisco DNA Center で検出されるので、ワークフローに表示される新しいアクセスポイントを選択して続行できます。新しいアクセスポイントをまだネットワークに接続できない場合や、後で接続作業を行おうと考えている場合は、プロビジョニングを行ってシリアル番号を手動で追加します。Cisco DNA Center は、PNP または WLC ディスカバリによって新しいアクセスポイントを認識します。
- また CSV テンプレートも用意されています。一括交換する場合はこのテンプレートを使用して、古いアクセスポイントと新しいアクセスポイントの情報を指定できます。
以下のスクリーンキャプチャで、アクセスポイントの更新作業がどのようにサポートされるかご確認ください。
アップグレードをトリガー
ワークフローを作成したら、交換タスクをトリガーするために送信します。次のようなアプローチが提供されるので、都合のよい方法でタスクを実行できます。
- まず古いアクセスポイントの電源をオフにして取り外し、新しいアクセスポイントを同じスイッチに追加します。
- 新しいアクセスポイントがまだ用意できていない場合は、ワークフロータスクは待機状態になります。この状態はネットワークに新しいアクセスポイントが接続されるまで続きます。新しいアクセスポイントを接続したら、前の手順から続けます。
正常に交換するために必要なすべての設定が古いアクセスポイントから新しいアクセスポイントにコピーされ、クライアントにサービスを提供できるように準備されます。
最後に、交換のステータスを示すレポートが提供されます。途中で何らかの不具合が起きて交換タスクが失敗した場合は、再試行することも可能です。
Wi-Fi 6 に関心を持っていただけたでしょうか。Cisco DNA Center を利用してスムーズにアップグレード作業を進めていただければ幸いです。
Cisco Catalyst アクセスポイントの詳細をご確認ください。
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