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テレワーク実施率とセキュリティ対策

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2021 年 1 月 7 日、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2 度目の緊急事態宣言が行われました。緊急事態宣言の期間中、人と人の接触機会を減らすことは大変重要であるとして、政府は、「出勤者数の7割削減」を目指し、事業者のみなさんにテレワークの実施を奨励しています。

 

1.テレワーク実施率

内閣府の調査によると、2020 年 12 月のテレワーク実施率は 21.5 %であり、同年 5 月 27.7 %に比較して低下しています。12 月はコロナに対する危機感の低下からテレワークの必然性の認識が低下したのではないかと推測します。他方、職場環境は 64 %が「改善した」「やや改善した」と回答しており、必要とあればテレワークが実施できる環境は整っているのではないかと思います。

働き方 地域別のテレワーク実施率

 

2.テレワークのデメリット

内閣府の調査では、テレワークのデメリット(不便な点)についても言及しています。デメリットの 1 位は「社内での気軽な相談・報告が困難」38.4 %、2 位「取引先とのやりとりが困難」31.6 %、3 位「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」28.2 %、4 位「セキュリティ面の不安」22.9 %となっています。

 

3.考えられる対策

(1)リテラシーの向上

デメリットの 1 位から 3 位は、テレワークに慣れていないことやツールを十分に使いこなせていないことが一因ではないかと思います。もちろん、対面で話す方がリモートよりも良い面は今後も残るはずですが、馴れることで改善できる部分も大きいと思います。私もシスコに入社した当時はテレビ会議の文化やツールを理解するのに時間を要しました。しかし、馴れると便利であり、不便さも緩和されてきます。私の場合は、周囲に詳しい人が多く存在したので助かりました。ツールだけではなく、ツールを使う文化も重要かと思いますので、お近くのシスコ社員にシスコはどう使っているのか相談してみるのも良いかと思います。

 

(2)セキュリティ対策

デメリット 4 位はセキュリティの不安であり、確かにテレワークのセキュリティについて考える必要があると思います。直近では、2 度目の緊急事態宣言の直後、2021 年 1 月 8 日、内閣サイバーセキュリティセンターから「緊急事態宣言(2021 年 1 月 7 日)を踏まえたテレワーク実施にかかる注意喚起について」が出されましたが、こちらが参考になると思います。

当該注意喚起では、以下の 2 点をポイントとして挙げています。

  • テレワーク実施者が、職場とは異なった環境で業務を行っていることを十分認識
  • 所属先が決めた規定やルールをよく理解してそれに従う(特に所属先支給外の機器を使う際のルール等)

さらに、「これまで発出した注意喚起等を参考に再点検を行ってください」としていますが、このうち、「テレワーク等への継続的な取組に際してセキュリティ上留意すべき点について」では、政府と重要インフラ事業者にそれぞれに対し、テレワークを実施する際にセキュリティ上留意すべき事項を挙げています。

特に、重要インフラ事業者向けの記載部分は、重要インフラ事業者ではない多くの事業者にとっても役立つものだと思いますので紹介させていただくと、以下の 5 点が挙げられています。

  • 情報セキュリティリスクの再評価
  • 組織におけるポリシーの確認と必要に応じた改定
  • 利用端末・関連機器等の確認
  • 遠隔会議システムの利用状況の確認
  • 情報セキュリティ対策推進部署の関与

 

なお、留意すべき事項が挙げられていますが、事業者はこれらをしっかり分析して自社にあった計画に落とし込む必要があります。テレワーク及びそのセキュリティは、多くの組織にとって経験不足な面もあり、自分たちの組織・ビジネスに合致したあり方を継続的に見直すことが重要かと思います。

コロナ感染者数の減少のため、テレワークの普及率が向上することを心より願います。

Authors

仲間 力

Chief Security Officer

Trust Transformation Office, Japan

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2 コメント

  1. テレワークにおけるセキュリティの考え方についてまとめていただきありがとうございまいた。

    • 守屋さん
      ブログを読んでいただき、さらにコメントまでいただいてありがとうございます!