概要
WebKit ブラウザエンジンには、さまざまなソフトウェア機能に起因する複数の脆弱性が存在します。悪意のある Webページ内のコードにより複数の解放済みメモリ使用(use-after-free)エラーが引き起こされ、リモートなどで任意コードを実行される危険性があります。攻撃者はユーザを欺き、WebKit を利用するブラウザから悪意のある Web ページ
にアクセスさせることにより、これらの脆弱性をエクスプロイトできます。
Cisco Talos は情報開示方針に従って WebKit と協力し、今回の脆弱性が解決済みであり、影響を受けた利用者向けにアップデートが利用可能であることを確認しています。
脆弱性の詳細
Webkit の WebSocket 機能に起因するコード実行の脆弱性(TALOS-2020-1155/CVE-2020-13543)
Webkit WebKitGTK 2.30.0 の WebSocket 機能には、コード実行の脆弱性が存在します。細工された Web ページにより解放済みメモリ使用 (use-after-free) 状態が引き起こされ、リモートでコードを実行される可能性があります。細工された Web ページにユーザがアクセスすると、脆弱性のエクスプロイトにつながる可能性があります。
脆弱性に関する詳細は、アドバイザリ全文をご覧ください。
Webkit の ImageDecoderGStreamer に起因する解放済みメモリ使用 (use-after-free)の脆弱性(TALOS-2020-1195 / CVE-2020-13584)
WebKitGTK ブラウザバージョン 2.30.1 x64 には、エクスプロイト可能な解放済みメモリ使用 (use-after-free)の脆弱性が存在します。ユーザが解放済みメモリ使用(use-after-free)状態を引き起こすように細工された HTML Web ページにアクセスすると脆弱性がエクスプロイトされます。この脆弱性をエクスプロイトするには、被害者が悪意のある Web サイトにアクセスする必要があります。
脆弱性に関する詳細は、アドバイザリ全文をご覧ください。
脆弱性が確認されたバージョン
Talos は検証により、Webkit WebKitGTK バージョン 2.30.0 が TALOS-2020-1155 の影響を受けることを確認済みです。TALOS-2020-1172 および TALOS-2020-1195 は、バージョン 2.30.1 に影響します。
カバレッジ
脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールで検出できます。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。
Snort ルール:55844、55845、56126、56127、56379 〜 56382
本稿は 2020 年 11 月 30 日に Talos Group のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Multiple vulnerabilities in WebKit」の抄訳です。