Cisco Japan Blog

エンド ユーザ エクスペリエンス モニタリングがIT 部門の成功に欠かせない理由

1 min read



この記事は、Cisco AppDynamics のシニアマネージャーである Shreyans Parekh によるブログ「Why End User Experience Monitoring Is Critical for IT Successpopup_icon(2019/4/12)の抄訳です。

 

ユーザエクスペリエンスをエンドツーエンドでモニタリングすることで、利用者の視点からアプリケーション パフォーマンスに関する的確な分析情報が得られます。

エンド ユーザ エクスペリエンス モニタリングは、エンドツーエンドのアプリケーション パフォーマンス管理ソリューションにおける重要な要素のひとつです。エンドツーエンドのパフォーマンス モニタリング ツールを導入すれば、アプリケーションの問題を迅速に特定して、平均修復時間(MTTR)を大幅に短縮できます。また、カスタマージャーニーを通じて発生するすべてのトランザクションを追跡することで、ユーザエクスペリエンスを最適化できます。

現在、多くの IT チームが、オンプレミス環境とマルチクラウド環境にまたがる分散システムのパフォーマンスと信頼性を確保する必要に迫られています。また、最近のアプリケーションはスピードと柔軟性に優れていますが、音声テクノロジーpopup_iconの普及に代表されるような、急速に発展・多様化するエンドユーザ向けサービスによって大量のデータが生成され、IT エコシステムが圧迫される可能性もあります。

以前からデータセンターとクラウドベースの IP トラフィックが世界的に増加すると予測している Cisco Global Cloud Index(GCI)によると、分散サービスとクラウドサービスの急速な成長の原因には、人だけでなく、機械やセンサーをはじめとする Internet of Things(IoT)デバイスpopup_iconによって生成される膨大な量のデータがあります。人、機械、モノによって生成されるデータの量は 2016 年時点では 220 ゼタバイト(ZB)でしたが、その後大幅に増加し、2021 年までには約 850 ZB に達すると予想されています(1 ゼタバイトは 10 億テラバイト)。

エンド ユーザ エクスペリエンス モニタリングが IT 部門にもたらすメリット

エンドユーザモニタリングの重要性を十分に理解するためには、IT プロフェッショナルが直面する課題、特にますます複雑化するアプリケーション環境の管理方法について詳しく調べる必要があります。Forbes 社が今日のテクノロジーリーダーの最重要課題popup_iconに関して最近発表した記事でも述べられているように、デジタル変革は、市場のニーズを正確に予測することや、AIOps などの人工知能・機械学習(AI/ML)ソリューションを安心して利用する方法を学ぶpopup_iconことと並んで、エンタープライズクラスの企業にとっての大きな関心事となっています。

今日では、多くのエンドユーザが、商品やサービスにアクセスするためにモバイルアプリや Web サイトを利用するようになっているため、IT チームは膨大な量のデータを処理する必要に迫られており、カスタマージャーニーを自動的にモニタリングできるツールを必要としています。たとえば、今日の Web アプリは、高度なインタラクティブ性を備え、クライアント側の複雑なロジックを実行することによって、魅力的なユーザエクスペリエンスを提供するものが少なくありません。このような機能を充実させればカスタマーエクスペリエンスは豊かになりますが、IT プロフェッショナルにとっての複雑さ(と頭痛の種)も増えることになり、バックエンド側のパフォーマンスをモニタリングするだけではもはや不十分であることを多くの IT プロフェッショナルが認識しています。ユーザエクスペリエンスを最大限に高めるには、クライアント側のパフォーマンスも測定して分析する必要があるのです。

エンド ユーザ エクスペリエンス モニタリング(EUM)ツールを利用すれば、エラー、クラッシュ、ネットワーク要求、ページ読み込みの詳細といったメトリックを自動的にキャプチャできるため、カスタマーエクスペリエンスをさらに向上させて、問題を迅速に解決することができます。また、サードパーティの API やコンテンツサービスがパフォーマンスに及ぼす影響も把握しやすくなります。その結果、IT チームはサービスレベル契約(SLA)の遵守といった課題によりいっそう力を注げるようになります。

また、EUM ツールを利用すれば、重要なビジネストランザクションをプロアクティブに管理し、Web アプリケーションのパフォーマンスに関わる問題にすばやくリアルタイムで対応できます。さらに、関連するビジネストランザクションを自動的に検出できるため、Web アプリケーションを通じてユーザに提供される主要なエクスペリエンスを一貫してモニタリングすることができます。そして、インテリジェントなベースライン測定とエラー検証を通じて、潜在的な問題もプロアクティブに特定してアラートを発行することができます。

フロントエンドの複雑化に伴い増大するエンドユーザモニタリングの必要性

今日の企業では、サービスを提供する対象が世界中へと広がっています。AppDynamics が発行したホワイトペーパー『アプリケーション パフォーマンスのボトルネックが重大である理由と企業におけるボトルネックの回避方法popup_icon』でも述べられているように、インドやアフリカなどの新興市場の方が、北米やヨーロッパなどの先進地域よりもはるかに大きな成長の可能性を秘めています。

たとえば Consumer Technology Association が最近実施した調査popup_iconによると、米国ではすでにスマートフォンの世帯普及率が 87% に達しています。一方、開発途上地域ではローエンドの Android デバイスが主流popup_iconとなっています。今後、多国籍企業は、そうしたデバイスのエンド ユーザ エクスペリエンスをモニタリングし、モバイルネットワークの速度などを地域ごとに把握して、パフォーマンスを最適化していく必要があります。

AppDynamics のエンド ユーザ モニタリング ツール

AppDynamics End User Experience Monitoring を利用すれば、Web アプリケーションやモバイルアプリケーションのパフォーマンスをエンドツーエンドで可視化できます。AppDynamics では、あらゆるデジタルトランザクションにわたってカスタマーエクスペリエンスを包括的に可視化できます。EUM は、Web 要求やモバイル ネットワーク要求に対する反応の遅延や、IoT アプリケーションのエラーといった問題のトラブルシューティングに役立ちます。また、EUM は、アプリケーションのパフォーマンスとユーザアクティビティに関する次のようなメトリックも提供します。

  • サーバのパフォーマンスが Web、モバイル、およびデバイスのパフォーマンスに与える影響の程度
  • サードパーティの API が Web、モバイル、およびデバイスのパフォーマンスに与える影響の程度
  • 最も高い負荷が発生している場所
  • ユーザのアプリケーションへの接続や操作に関する情報

業界トップクラスのエンド ユーザ エクスペリエンス モニタリングを実現する AppDynamics EUM を導入すれば、利用者の視点からアプリケーション パフォーマンスに関する鋭いインサイトを入手できるようになりします。また、世界中のエンド ユーザ エクスペリエンスをリアルタイムで把握しながら、アプリケーションのパフォーマンスをエンドツーエンドで可視化することで、ボトルネックをすばやく解消できるようになります。

 

Shreyans Parekh
AppDynamics でシニアマネージャを務める Shreyans Parekh は、すべての製品リリースにわたり市場投入戦略を管理し、エンドユーザモニタリング(EUM)、クラウド移行、IoT の分野におけるイノベーションを主導しています。Parekh の著書は、Intuit、IBM Bluewolf、New Relic、Apttus、ミシガン大学ロススクールオブビジネスから出版されています。Parekh にご質問やご意見がある方は Twitter(@ShreyParekh)で直接ご連絡ください。

 

Authors

内田 雅彦

カントリーマネージャー

シスコ アップダイナミクス

コメントを書く