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Cisco MDS 9700 シリーズ マルチレイヤ ディレクタで投資を保護しながら 64G FC に対応

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この記事は、Data Center SAN Switching の Technical Marketing Engineer である Bhavin Yadav によるブログ「Cisco continues investment protection with 64G FC readiness using Cisco MDS 9700 Series Multilayer Directorspopup_icon」(2020/5/20)の抄訳です。

 

このブログシリーズでは、ファイバチャネル市場全体における Cisco MDS 9000 シリーズ スイッチならではのメリットについて説明します。最初のブログでは、Cisco MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチにおける NVMe/FC のサポートについて説明しました。今回は投資保護について説明します。

投資保護と言えば、一般的には経営上のメリットを指します。しかし本稿ではコストの削減だけではなく、シャーシを複雑に積み上げる必要性を排除することの技術上・運用上のメリットについても説明します。

Cisco MDS 9700 マルチレイヤ ディレクタ クラス スイッチは、Cisco MDS 9500 クラス ディレクタで最初に確立された投資保護の思想を受け継いでいます。2002 年から始まる MDS 9500 プラットフォームのレガシーは、2013 年 4 月に発売された MDS 9700 プラットフォームにも引き継がれています。

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタには、異なるポート密度要件に対応した 3 つのモデルがありました。Cisco MDS 9509(2002 年発売)、Cisco MDS 9506(2003 年発売)、Cisco MDS 9513(2006 年発売)は、それぞれ 224 個、128 個、528 個のファイバチャネル(FC)ポートに対応していました。合計ライフスパン(販売発表からサポート終了までの期間)は MDS 9506 が 17 年、MDS 9509 が 19 年、MDS 9513 が 16 年でした。

約 19 年に及ぶライフスパンの間に Cisco MDS 9500 の FC 速度は、同じシャーシ内で新しいモジュールを同時に使用する方式により、「1G/2G、4G、8G から計 3 回」アップグレードされました。また、お客様のデータセンター環境に必要とされる拡張性を高めるために、Supervisor-1 から Supervisor-2、Supervisor-2A モジュールへとアップグレードされました。さらに重要な点は、これらの変更がすべて中断なく行われたことです。

2013 年 4 月に発売された Cisco MDS 9710 マルチレイヤ ディレクタは、ラインレートでモジュールあたりの FC 速度16G、48 ポートに対応していました。その後、MDS 9706、MDS 9718 が発売されました。

2017 年には同じシャーシ(Cisco MDS 9700)がラインレートで FC 速度 32G に対応しました。さらに、このプラットフォームには、SCSI および NVMe アナリティクス、偽造防止セキュリティ、拡張性の向上、冗長性の
強化、高可用性などの新しいソフトウェア機能も導入されました。

そして今や、64G の FC 速度と NVMe ベースのファブリックの時代になりました。繰り返しになりますが、Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタは、同じシャーシで今後は 64G の FC 速度にまで対応します。最近発売された新しい supervisor-4 モジュールと fabric-3 モジュールを導入するだけで、将来的に 64G の FC 速度に対応できるのです。バックプレーンが 64G に対応しているため、現行シャーシでも将来的に最大 64G の FC 速度で SAN を運用できます。これにより、発売からすでに 8 年近く経過したシャーシの寿命がさらに約 10 年延長されることになります。

下の図 1 および図 2 は、MDS 9700 シリーズ プラットフォームにおけるシスコの SAN 投資に対する取り組みを示しています。シスコは Cisco NX-OS ソフトウェア 6.x、7.x、8.x をリリースし、3 世代の速度(16G、32G、64G)を通じてハードウェアとソフトウェアのイノベーションを継続的に生み出すことにより、ファイバチャネル市場をリードしてきました。

図 1:ハードウェアのイノベーション

図 1:ハードウェアのイノベーション

 

図 2:ソフトウェアのイノベーション

図 2:ソフトウェアのイノベーション

 

では、いったいどの分野の投資が保護されているのでしょうか。わかりやすくするために、例を挙げます。

 

Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタを使用しているお客様に必要な設備投資

Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタを使用しているお客様に必要な設備投資

Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタを使用しているお客様に必要な設備投資

 

シスコ製品を使用していないお客様に必要な設備投資(速度をアップグレードするたびに必要)

シスコ製品を使用していないお客様に必要な設備投資(速度をアップグレードするたびに必要)

シスコ製品を使用していないお客様に必要な設備投資(速度をアップグレードするたびに必要)

 

注:新しいシャーシ = 新しいハードウェア(シャーシ + スーパーバイザモジュール + ファブリックモジュール + ラインカード)+ 新しいスイッチライセンス + 新しい管理ソフトウェアライセンス + コンポーネント(SFP、ケーブルなど)+ その他 … さらに、不要になったコンポーネントを取り除くためのコストがかかります。

しかも、これで終わりではありません。

  • シャーシのアップグレード計画(エアーフロー、スペース、電力などの計画)を策定するのにどのくらいの労力が必要でしょうか? DC アーキテクトにお問い合わせください。
  • あるいは、新しいシャーシのラックとスタック(新しいケーブル、新しい SFP、新しいエアーフロー方向、新しい電力要件、シャーシの物理的交換に要するダウンタイム)にどのくらいの労力が必要でしょうか?シャーシの交換中に問題が発生した場合(マーフィーの法則)、15 分間のダウンタイムが発生するだけで数百万ドルの損失につながる可能性があります。

Cisco MDS 9700 シリーズ マルチレイヤ ディレクタがハードウェアとソフトウェアの両面で機能的優位性を維持するためにイノベーションを生み出し続けている理由はここにあります。

その結果、何百台もの Cisco MDS 9500 ディレクタが 10 年以上休むことなく稼働し続けています。

また、何百台もの Cisco MDS 9700 ディレクタも 5 年以上休むことなく稼働し続けています。

Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタ クラス スイッチに投資すれば、何百万ドルものコストを削減することができます。

つまり、Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタに今投資しておけば、将来の環境にも対応することができるのです。

これは優れた投資と言えるのではないしょうか。次回のブログでは Cisco MDS SAN 製品ポートフォリオのユニークで革新的な優位性についてご説明します。

 

Cisco MDS 9000 シリーズについては、以下もご参照下さい。

 

Authors

Cisco Japan

シスコシステムズ合同会社

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