Cisco Talos は最近、Microsoft Excel で任意コード実行の脆弱性を 2 件発見しました。Microsoft 社が 昨日リリースしたセキュリティ更新プログラムでは、これら 2 件のバグも修正されています。いずれの脆弱性も Microsoft Office HTML と XML ファイルを処理する Excel の特定コンポーネントに起因します。細工された Excel ファイルを騙されて開くと脆弱性がエクスプロイトされ、任意コードを実行される危険性があります。
Cisco Talos は情報開示方針に従って Microsoft 社と協力し、今回の脆弱性が解決されたこと、および影響を受けた利用者向けにアップデートが提供されていることを確認しています。
脆弱性の詳細
Microsoft Office Excel の PivotField オブジェクトに起因する、任意コード実行の脆弱性(TALOS-2020-1027/CVE-2020-1226)
Microsoft Office Professional Plus 2016 x86(バージョン 2002、ビルド 12527.20242)および Microsoft Office 365 ProPlus x86(バージョン 1908、ビルド 11929.20606)の Excel アプリケーションに、エクスプロイト可能な解放済みメモリ使用(use-after-free)の脆弱性を確認しました。脆弱性を突いた XLS ファイルにより解放済みメモリ使用(use-after-free)状態が引き起こされ、任意コードをリモートで実行される危険性があります。攻撃者は、この脆弱性を狙った不正なファイルを攻撃対象者に送り付ける必要があります。
詳細については、こちらから脆弱性アドバイザリ全文をお読みください。
Microsoft Office の Excel HTML および XML テーブル機能に起因する、任意コード実行の脆弱性(TALOS-2020-1045/CVE-2020-1225)
Microsoft Office 2016 Professional Plus(バージョン 2002、ビルド 12527.20242 x86)および Microsoft Office 365 Pro Plus x86(バージョン 1908、ビルド 11929.20606)の Excel アプリケーションには、HTML と XML テーブル機能に起因した、エクスプロイト可能な任意コード実行の脆弱性を確認しました。細工された不正なファイルにより、リモートで任意コードを実行される危険性があります。攻撃者は、悪意のあるファイルを提供することによってこの脆弱性をエクスプロイトできます。
詳細については、こちらから脆弱性アドバイザリ全文をお読みください。
脆弱性が確認されたバージョン
Talos による検証で、2016 Professional Plus(バージョン 2002、ビルド 12527.20242 x86、Windows 10 x86 でテスト)および Microsoft Office 365 ProPlus x86(バージョン 1908、ビルド 11929.20606)の Microsoft Excel が今回の脆弱性の影響を受けることを確認済みです。
カバレッジ
脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールで検出できます。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。
Snort ルール:53487、53488、53650、53651
本稿は 2020 年 6 月 10 日に Talos Group のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Two code execution vulnerabilities in Microsoft Excel」の抄訳です。