Cisco Talos では、複数バージョンの Microsoft Excel で任意コード実行の脆弱性を発見しました。脆弱性を突いた不正な Excel ファイルを開くと、メモリ解放後使用(Use After Free)状態が発生し、攻撃者により任意コードをリモートで実行される危険性があります。
Microsoft 社は月例のセキュリティ更新プログラムでこの脆弱性を公開、修正済みです。セキュリティ更新プログラムの詳細については、関連記事をご覧ください。
Cisco Talos は情報開示方針に従って Microsoft 社と協力し、今回の脆弱性が解決されたこと、および影響を受けた利用者向けにアップデートが提供されていることを確認しています。
脆弱性の詳細
Microsoft Office Excel の s_Schema 関数に起因する、任意コード実行の脆弱性(TALOS-2020-1015/CVE-2020-0901)
Microsoft Office 2001(ビルド 12430.20264)および Microsoft Office 365 ProPlus x86(バージョン 1908、ビルド 11929.20606)の Excel では、s_Schema 機能に起因する、任意コード実行の脆弱性が確認されました。脆弱性を突いたファイルを開くとメモリ解放後使用(Use After Free)状態が引き起こされ、リモートでコードを実行される危険性があります。攻撃者は、悪意のあるファイルを提供することによってこの脆弱性をエクスプロイトできます。
脆弱性のアドバイザリ全文はこちらをご覧ください。
脆弱性が確認されたバージョン
今回の脆弱性については、Microsoft Office 2001(ビルド 12430.20264)および Office 365 ProPlus x86(バージョン 1908、ビルド 11929.20606)の Microsoft Excel が影響を受けることを Talos で検証、確認しています。
カバレッジ
脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールで検出できます。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。
Snort ルール:53268、53269
本稿は 2020年5月12日に Talos Group のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Code execution vulnerability in Microsoft Excel」の抄訳です。