この記事は、Cisco AppDynamics のジェネラルマネージャーである Danny Winokurによるブログ「AppDynamics and Cisco Intersight Empower IT to Deliver World Class Experience-Driven Applications」(2020/1/28)の抄訳です。
AppDynamics の Experience Journey Map と Cisco Intersight Workload Optimizer を活用して、ワールドクラスのデジタルエクスペリエンスを構築するためのプレミアソリューションを実現する方法について説明します。
デジタルの世界は IT チームの働き方を変え続けています。今日の IT チームに期待されている役割は、システムの稼働時間の管理だけでなく、アプリケーションのパフォーマンス、セキュリティ、適切なインフラストラクチャ リソースの割り当てなども管理できる、ビジネス上の戦略的パートナーとしての役割です。
しかし、世界で最も有名なブランドの多くでは、環境の複雑さが増しているため、アプリケーションは単にビジネスをサポートするだけのものではなく、ビジネスそのものになっています。
そのため、IT チームはかつてないほど顧客に近い存在になっています。
その結果、IT チームはコストセンターからイノベーションドライバーへ、つまり、基盤となるインフラストラクチャを管理しながら、ワールドクラスのカスタマーエクスペリエンスの提供拡大に重点を置くグループへと進化を遂げているのです。
では現在、何が問題となっているのでしょうか?
近年、アプリケーション環境の複雑さは急激に増し続けています。IT チームにはその複雑さを管理することが求められてきましたが、多くの場合、運用がサイロ状態に陥り、コラボレーションとデータ交換が困難になっています。同時に、コンテナ、クラウド、エッジコンピューティング、IoT などの進化により、これまで以上に多くの依存関係がスタック全体にわたってできあがり、その勢いはとどまるところを知りません。実際、IDC によると、各ビジネスアプリケーションには、現在 4 ~ 8 件のアプリケーション依存関係があり、2 年以内にはその数が 1.5 倍に増加すると予測されています。
さらに、IT チームの役割は変化していますが、アプリケーション、インフラストラクチャ、ビジネスの複雑な相互作用に対する可視性は変化していません。IT チームには新たなハイブリッド環境やマルチクラウド環境全体で絶えず変化をサポートすることが期待されているにもかかわらず、依存関係を完全に把握するという課題の達成は依然としておぼつかないのが現状です。
ですが、それは今までの話です。
俊敏性、シンプルさ、自動化により、優れたカスタマーエクスペリエンスを構築
現代の顧客はかつてないほど多くの選択肢を持っています。幸いにも、強力なデジタルエクスペリエンスを提供するアプリケーションは、膨大な数の競合他社との差別化を図れる可能性を秘めています。実際、最近の調査によると、ポジティブなデジタルエクスペリエンスが製品やサービスの価値をさらに高める可能性があることが示唆されています。 AppAttention Index によると、すべての消費者のうち半数が、より優れたデジタルエクスペリエンスを提供する製品やサービスに対してより多くの対価を支払っても構わないと考えています。
Cisco Intersight と AppDynamics を組み合わせて、マルチドメインアプローチを採用すれば、非の打ち所のないデジタルエクスペリエンスに対する需要の増大に対応できるよう各チームを支援することが可能になります。このマルチドメインアプローチの中核になるのは、Experience Journey Map と呼ばれる機能です。Experience Journey Map は、カスタマーエクスペリエンスに直接影響する問題の特定、トリアージ、解決の方法を完全に変革する、業界の機能です。
アプリの仕組み
Experience Journey Map は、機械学習を活用して、アプリケーション環境と AI によって生成されたデータを取り込み、リアルタイムで問題を自動的に優先順位付けして解決します。市場の他のツールとは異なり、Experience Journey Map は、アプリケーション全体にわたるカスタマージャーニーを包括的かつエンドツーエンドで可視化し、ビジネスと運用の洞察において重要なコンテキストを階層化することで、より少ない時間でスマートに意思決定を行うことを可能にします。
Cisco Intersight と AppDynamics のパワー
Cisco Intersight と AppDynamics のパワーを活用すれば、Experience Journey Map から洞察を得たり、より大規模な IT エコシステムに接続したりすることが可能になります。ここで登場するのが、シスコの Intersight Workload Optimizer です。Intersight Workload Optimizer を活用すれば、インフラストラクチャに対するきめ細かいレベルの洞察を AppDynamics のトポロジに組み合わせることが可能になるため、コラボレーションが促進し、依存関係の把握が容易になり、アプリケーションの提供が迅速化します。
Intersight Workload Optimizer と AppDynamics を活用することで、IT チームは、ユーザの需要に合わせてデジタルエクスペリエンスを拡張・調整し、アプリケーション中心ビジネスのコストと複雑さを管理することができます。これにより、アプリケーションチームとインフラストラクチャチームが、エンドユーザ、ビジネス、アプリケーション、インフラストラクチャから成る複雑な環境を完全に可視化し、共通の認識と優先順位に基づいて行動することができるクローズドループの運用モデルが実現します。このようにコンテキストが共有されることで、アプリケーションチームとインフラストラクチャチームは、それぞれのアクション項目を明確に特定し、最も重要な問題を適切なタイミングで迅速に解決できるようになります。
エクスペリエンス主導型アプリケーションの未来
今日の IT チームは、ビジネス成果の戦略的な推進役となり、ワールドクラスのカスタマーエクスペリエンスを大規模に提供する上での主要プレーヤーになっています。同時に、アプリケーションはますます複雑化し、パブリック、プライベート、ハイブリッド環境全体にわたるパフォーマンスモニタリングに対する予防的なアプローチが必要とされています。変革には多大なリソース投資が必要ですが、その複雑さに直面する停滞のリスクにはより多くのコストがかかります。そのため、今日のビジネスでは、プロセスの中で顧客を喜ばせながら、可能な限り最高のデジタルエクスペリエンスを提供して競争優位性を維持できる態勢へと IT チームを迅速に移行する必要に迫られています。そのため、Cisco Intersight との緊密な統合によって、ワールドクラスのデジタルエクスペリエンスを推進するためのプレミアソリューションを提供できるようになったことは実に喜ばしいことです。
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