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S/4 HANA への移行の課題を解消


2020年2月3日


この記事は、シスコのデータセンター マーケティング担当である Maggie Smith によるブログ「Chipping Away at S/4 HANA Migration challenges」(2019/12/17)の抄訳です。

シスコの SAP ソリューション担当シニアマネージャの Erik Lillestolen(elillest@cisco.com)が投稿したブログを参照し、SAP HANA 移行プロジェクトにおけるさまざまなリスクを、シスコがどのように解消できるかをご確認ください。

デジタル トランスフォーメーションによって競争優位性を獲得するためには、価値とコストのバランスをとることが必要です。S/4 HANA のビジネスプロセス移行には多額の費用がかかる場合があり、高コストで価値を高めていっても優位性は獲得できません。

シスコ、Intel 社、SAP 社が連携して、コストを削減すると同時に S/4 HANA への移行の価値を高め、移行における課題を解消するソリューションを提供しています。そのソリューションは、SAP HANA 向け Cisco UCS ソリューションに、 Intel Optane DC パーシステント・メモリー(PMEM)を組み込むことで実現されています。

 

Intel Optane DC パーシステント・メモリーと SAP の価値

Intel Optane DC PMEM は、既存のダイナミックメモリとメモリスペースを共有するサーバシステムボードのメモリバスに直接接続された、パーシステント メモリ デバイスです。

この新しいデバイスは、サーバの電源がオフになっても保存されたデータを保持するため、サーバの電源が回復すればすぐに SAP HANA データベースが再起動されて、データを利用できるようになります。新しいパーシステント メモリには、128G DIMM、256G DIMM、512G DIMM の 3 つのメモリサイズが用意されています。

ダイナミックメモリとパーシステントメモリを組み合わせた新しい製品により、相互に関連する 3 つのメリットがもたらされ、インメモリのパフォーマンスに影響を与えることなく総所有コストが削減されます。

 

価値 #1:実質的なコスト削減を実現

まず、Intel Optane DC PMEM は、業界標準のダイナミックメモリよりも TB あたりの価格が下がっています。128G DRAM DIMM と 128G PMEM DIMM を直接比較すると、DRAM を PMEM に交換した場合、コストが約 50% 削減されます。その結果、SAP HANA サーバを取得する直接コストが 25% 減少します。

これは、ほとんどすべての S/4 HANA 移行に、少なくとも 3 台の SAP HANA サーバが必要であることを考慮すると、非常に実質的な削減と言えます。(この価格比較は、US におけるメモリ価格の変動に応じて異なります)。

 

価値 #2:大きなコストをかけずにメモリ容量を増やせる

Optane DC PMEM には、128G から 512G までの大容量サイズが用意されています。これにより、大きなコストをかけずに、メモリ容量を拡大することができます。その結果、SAP HANA データのテーブルスペース用に 6T の Optane PMEM を搭載した、 4 ソケット UCS B480 サーバを構築できるようになりました。

Optane PMEM が登場する前は、このサイズのデータのテーブルスペースには、96 個の 128G DRAM DIMM を搭載した高価な 8 ソケットサーバをフル活用する必要がありました。

また、特筆すべき点として、この大容量 4 ソケットサーバは、SAP HANA データ用テーブル容量が、わずか 3T しかない従来の DRAM のみの 4 ソケットサーバとほぼ同じ価格だということが挙げられます。さらに大容量が必要なお客様向けには、4S システムで 12T の SAP HANA データテーブルにも対応しています。

 

価値 #3:計画的ダウンタイムの短縮

従来の 6T SAP HANA データベースでは、メモリへのリロードに 65 分以上かかる場合があり、計画的ダウンタイムに長時間必要でした。Optane PMEM は、データをメモリデバイスに保存するため、SAP HANA が再起動されたときにすぐにデータが表示されます。これにより、再起動時間が 12 倍以上短縮され、65 分よりも大幅に短くなります。

計画的なダウンタイムにおけるシステムリカバリ時間が大幅に短縮されるため、生産的なシステムメンテナンスに要する時間が短くて済みます。

 

S/4 HANA および BW/4 HANA 対応の事前構成済みサーバを提案

ワークロードを SAP HANA に移行するタイミングや、既存の環境を更新するタイミングを判断するのは難しいことです。シスコと Intel 社は、その判断を少しでも簡単にするための短期的なプログラムを発表しています。

シスコは、独自の SAP HANA サーバ製品を 4 つ構築しています。これらの 4 サーバでは、Optane PMEM を利用することによる約 20% 相当のコスト節減が実現されます。

 

SAP S/4 HANA および BW/4 に対するシスコ移行促進の詳細については、シスコあるいはシスコ パートナーにご相談ください。

SAP 社とシスコのパートナーシップの詳細については、シスコのパートナーシップに関する Web ページ(http://www.cisco.com/jp/go/SAP)を参照してください。

 

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