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データプライバシーの重要性を再認識すべき理由


2020年1月17日


この記事は、CiscoのData PrivacyのディレクターRobert Waitmanによるブログ「Why We Must Get Data Privacy Right」(2019/11/20)の抄訳です。

今年もブラックフライデーや年末年始のセールを目前に控えていますが、オンラインショッピングの利用は世界中で増え続けています。年末年始のショッピングシーズンにおける全世界の eコマースの売上高は昨年から 15% 増え、1,400 億ドルを超えると予測されています。

消費者が知っているか否かを問わず、どのようなオンライン商取引でも、購入時に企業や Web サイトと個人情報を共有することになります。その時点で個人情報の用途について消費者が管理する権限と意欲を失ったも同然、と考えるのが一般的です。ただしこの傾向には変化が見られます。

2019年11月に発表された『シスコ 2019 コンシューマプライバシー調査』によると、相当数の消費者は個人データのプライバシーをかなり重要視しており、データを保護するための行動をすでに起こしています。そうした行動の最たる例が利用サービスの変更です。

今回の調査では、世界 12 ヵ国で 2,600 人以上の成人を対象にアンケートを採りました。主な調査項目は、個人データに関する意見と行動、現在使用している製品やサービス、今後登場しうる新しいビジネスモデルに対しての安心感、データプライバシー規制の影響です。
また、データプライバシーの変化が企業に与える影響について、シスコの調査のなかにエンドユーザーの視点を加えています。

 

今回の調査で判明したこと

今回の調査結果を総括すると、プライバシーがビジネス上の必須要素として、そして消費行動を左右する重要な要因として、重要性を増していると言えます。調査では次の 4 つの分野について掘り下げています。

1.消費者はプライバシーを重視しており、多くの人々はプライバシーを保護するための措置をすでに講じている

調査では「プライバシー保護に積極的な消費者層」(32%)を特定しました。この消費者層はプライバシーを重視し、プライバシー保護に必要な行動をいといません。データ保護の姿勢を企業ごとに評価し、場合によっては利用するサービスを切り替えるなど、すでに行動を起こしていることも特徴です。「プライバシー保護に積極的な消費者層」には相当数の消費者が含まれますが、年齢層は若い傾向にあります。オンラインで頻繁にショッピングするため、企業にとって魅力的な消費者層だと言えます。おそらく最も重要な点は、この消費者層はプライバシーを尊重することがカスタマー エクスペリエンスの中核であると考えていることです。

2.プライバシー関連の規制とポリシーは、イノベーションと信頼構築を促進するガードレールとして機能する

今回の調査では、想定外の方法で個人データが使用される可能性のある一方で、個人の安全を向上しうる新しいビジネスモデルについての設問も用意しました。その一例が、自宅や自家用車に関する個人情報と引き換えに、健康または安全に関する警告を提供するビジネスモデルです。消費者は全体的にこれらのビジネスモデルに否定的でしたが、プライバシー規制(EUの一般データ保護規制(GDPR)など)について知っている回答者は肯定的でした。

3.消費者は、個人データの使用を規制する政府の役割を高く評価しており、GDPR を非常に好意的に見ている

回答者は企業による個人データの使用やプライバシー関連の規制、およびポリシーとの準拠について、政府が監視役になるべきだと考えています。おそらくこの理由により GDPR は世界中で強く支持されています(支持 55%、不支持 5%)。他にも回答者は、GDPR によって個人データをより細かく管理できるようになり、個人データを使用する企業に対して信頼感が高まったと述べています。

4.多くの消費者(43%)は、現在でもデータを効果的に保護できていないと回答している

これには多くの理由が挙げられますが、最大の理由は、企業による個人データの使用を消費者自身で把握することが困難だからです。

 

プライバシーがビジネス価値を高める新たな理由

今回の調査では、単なる規制やコンプライアンスといった枠組みを超えた、プライバシーへの投資に対する利益とリターンを測定する新たなフレームワークも提唱しています。このフレームワークには、次のようなメリットがあります。

  • プライバシーを重視し、(プライバシー保護に必要な)行動をいとわない顧客を獲得、維持できる
  • ビジネスの俊敏性を向上させイノベーションを促進できる
  • マーケティングでの軋轢を低減できる
  • 自社の全体的な魅力を向上できる

個人データの適切な保護を重視する消費者が増えているため、規制要件を満たすことはビジネス上のメリット、つまり顧客との信頼を構築することにもつながります。
大半の組織にとってプライバシーは必須課題だと言えます。このことはシスコでも十分に認識しており、お客様に対して透明性を維持することを優先事項に据えています。透明性を保つ取り組みの一環として、シスコの Trust ポータル、プライバシーデータシートデータマップの中で、製品とサービスによるデータの用途を明確に説明しています。

 

詳細情報
シスコ 2019 コンシューマプライバシー調査
シスコ 2019 データ プライバシー ベンチマーク調査
コンシューマ プライバシー インフォグラフィック
シスコ データ プライバシー データシート
Cisco Trust ポータル

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