< DMAT x CNEV >
みなさま、こんにちは。CNEV担当の長嶋です。
今回は2019年9月7日 ( 土 ) に東京都で首都直下型地震発生を想定したDMAT訓練にCNEVと参加させていただきましたのでその報告をさせていただきます。
今回の出動目的は有事の際に災害の状況にかかわらずネットワーク通信が途切れることなく保持できるよう、また被害状況などの情報共有などがよりスムーズにできるような機能を兼ね備えている災害対策車両としてCNEVは出動しました。
DMATってそもそもどんなものなの?
DMATとは災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており*、
災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとって略して「DMAT」と呼ばれています。
*平成13年度厚生科学特別研究「日本における災害時派遣医療チーム(DMAT)の標準化に関する研究」報告書より
DMATは医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。(DMAT事務局HPより抜粋)
非常時に一人でも多くの人の命を守るため日々技術や知識を研磨されているDMAT隊員のみなさんは定期的に訓練を行っています。
CNEV東邦大学大森病院へ到着。訓練にむけてCNEVセットアップ開始
CNEVの今回の出動場所は東邦大学大森病院5号館でした。
こちらの駐車場スペースにてCNEVを設置し、病院内に設けられているDMAT活動拠点本部へ無線環境(Wifi)の提供、遠隔でコミュニケーションをとることができる会議端末・システムの提供を行いました。
また、災害時の訓練ということもあり携帯の電波網(LTE)が使用できなくなることも想定し、衛星通信も設置しCNEVに搭載しているネットワーク機器を通じインターネットへつながるような環境も作り上げました。
*衛星通信はスカパーJSAT様より提供
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Cisco Meraki によるWifi環境の提供
今回の訓練会場における無線の環境はCisco Merakiで構築しました。屋外の駐車場に設置されたCNEVから有線ケーブルを延ばし、屋内会議室を拠点としたDMAT対策本部へネットワーク環境を提供するCisco Meraki端末へ繋ぎました。
Cisco Merakiはクラウド管理型のエンタープライズネットワーク製品です。Cisco Merakiの特徴は事前にネットワーク設定のテンプレートを作成しておくだけで、Cisco Meraki端末がネットワークにつながるとすぐにクラウド上に保存されているテンプレートを自動で読み込むことができます。管理者がConfigを打って設定する必要もないため、ネットワーク構築の即時性が求められるイベント会場や、緊急時のネットワーク構築などに非常に適している製品です。
Cisco WebexにてCNEVと対策本部をつなげる
ネットワーク環境が整うと、対策本部内で行えることに幅が広がります。今回はクラウド型会議システムのCisco Webexを利用しCNEV車内に設置されているテレビ会議端末と対策本部内に設置した可搬型会議端末をつなげて災害時の遠隔コミュニケーションのシュミレーションを行いました。
DX80はネットワーク(有線・無線)につなげ、スクリーンに表示されるガイダンスに沿って
設定するだけですので、IT等の知識がない方でも簡単にセットアップすることが可能です。
会議専用端末は、その名の通り会議に特化した製品になっているためクリアな音声や、鮮明な映像、そして会議に不可欠な資料の共有など、離れたところにいる相手とも違和感なくコミュニケーションをとることが可能です。
緊急時にスムーズに、かつ正確な情報共有が求められる災害現場ではこのようなシステムの導入は今後非常に重要となってくるのではないかと考えています。
情報共有ツールとしてのCNEV
CNEVには外部、内部両方に多くのスクリーンが備えられています。通常、デモなどを行う際にはCNEV内部に設置されている6枚のスクリーンを使用して異なる製品を紹介したり、デモを行ったりしています。また外側の両側面に設置されているスクリーンも各4枚のスクリーンパネルから構成されています。
今回の訓練ではCNEV内部のスクリーンは被害状況の詳細などを共有するツール、そして外部のスクリーンには災害時を想定し、4つのスクリーン各に天気情報や、訓練状況の最新情報など異なる情報を写すようにしました。そうすることで、インターネットが断絶してしまい、最新の被害状況が掴めない被災者の方々にとってリアルタイム掲示板のような役割を果たすことが可能になります。
訓練ではシスコとしてWifi環境やコミュニケーションツールを提供し、より円滑に正確にDMAT隊員のみなさまの任務を遂行できるよう陰ながらサポートさせていただきました。技術の進歩は日々進んでいますが、実際にそれを活用する当事者である隊員のみなさまが訓練の時からテクノロジーを活用し、緊急医療活動に向けて日々研磨されている姿に敬服しました。
さて、次はCNEVはどちらへ出没するでしょうか。
CNEV Nation Wide Tour はまだまだ続く…
*前回の記事 Go, Connect, Experience CNEVが行く 1 もご覧ください!