この記事は、シスコ コラボレーションの Webex プラットフォーム担当プロダクト マネージャーである Regina Moore によるブログ「Cisco Webex Control Hub – Helping IT Admins Become Superheroes」(2019/8/30)の抄訳です。
IT 管理者はスーパーヒーロー
IT 管理者の仕事は、時に大きな困難を伴います。その中でも、コラボレーション ツールのサービス品質の確保は、おそらく最も難しい仕事です。要求の厳しいシニア エグゼクティブからマルチタスキングなミレニアル世代まで、すべての従業員が常に満足できるサービス品質を確保することは、至難の業にさえ思えます。その上、ユーザは、IT 管理者には透視能力があり、貴重な時間を質問で無駄にすることなく、報告された問題の原因を即座に突き止め、解決できると思っています。
革新性、柔軟性、適応能力を兼ね備えたヒーロー
現代の流動的で柔軟な職場環境が複雑さを増すにつれ、高い期待値がさらに高まっています。今では、従業員は自宅やホテル、カフェで仕事をし、車、電車、さらには飛行機の中から会議に参加することもあります。BYOD(Bring Your Own Device/個人所有デバイスの持ち込み)、BYOH(Bring Your Own Headset/個人所有ヘッドセットの持ち込み)、BYOA(Bring Your Own Attitude/個人の働き方の選択)が可能です。この柔軟性によって様々な不確定要素が生まれ、複雑化しました。エンド ユーザの環境(ラップトップのリソース、ヘッドセットの種類、スピーカーの品質)、ロケーション(在宅ワーカー、カフェ ワーカー)、接続の種類(モバイル、Wi-Fi)から、企業のネットワーク、インターネットおよび音声サービス プロバイダー、クラウド ベンダーに至るまで、あらゆるコラボレーション ソリューションのユーザ エクスペリエンスがこの影響を受ける可能性があります。
Cisco Webex Control Hub の新しい高度な診断機能
シスコでは、社内のテクニカル サポート組織が有する豊富な分析情報をすべてお客様の IT 管理者に直接提供することで、IT 管理者の仕事を容易にしたいと考えています。このシスコが持つ強力な機能を、Cisco Webex Control Hub(IT 管理者向け管理ポータル)にて新しい高度な診断機能として提供しています。
Abhay Kulkarni の 6 月のブログ「Cisco Webex – Building and Maintaining Trust with IT Administrators(Cisco Webex – IT 管理者との信頼関係の構築と維持)」では、Webex Meetings の診断機能について簡単に説明し、シスコがこの分野に多額の投資を行っていることもお伝えしました。Control Hub で高度な診断機能が利用できるようになり、IT 管理者はシンプルな赤/黄/緑の 3 色表示で、エクスペリエンスに問題があると考えられる参加者を迅速に絞り込めます。加えて、ドリルダウン機能によって各参加者の環境、デバイス、クライアント、周辺機器、接続方法についての詳細情報や、音声、ビデオ、共有に関する多数のサービス品質メトリックの推移をほぼリアルタイムで確認できます。問題の根本原因は、ラップトップのリソース不足やリソースの競合である場合が非常に多いため、ラップトップに関する品質メトリックの推移も表示されます。これらの新機能によって、透視能力があるかのように状況を把握できます。
克服すべき課題
診断ソフトウェアの設計における課題の 1 つは、最先端の IT 管理者のニーズを満たすように構築すると同時に、多くのコールを処理し、迅速に根本原因にたどり着く必要があるヘルプ デスク担当者が簡単に理解できるようにすることです。シスコは中堅・中小企業のお客様を抱えていますが、Cisco Webex を採用し、日々 10 万を超える会議を行っている世界有数の大企業で求められる規模と高度化にも対応する必要があります。それに加えて、ほとんどの会議には世界各地からの参加者がいます。
Webex クラウドで開催されるすべての会議について、参加者ごとに分刻みの分析情報を取得するには、かつてない規模の分析インフラストラクチャを構築する必要がありました。
根本原因を透視できるユーザ インターフェイス
シスコの設計アプローチはシンプルです。色分けされたユーザ インターフェイスを使用して、問題を抱える参加者をトップレベル ビューで強調表示し、ワンクリックでそのユーザに関する詳細なメトリックを確認できます。これにより IT 管理者は、会議のどこに問題があるかをすぐに把握し、特定の参加者の詳細をドリルダウンできます。BYOD の世界では、参加者のマシンの選択など、あらゆる不確定要素が問題の原因となる可能性があります。このドリルダウン機能では、参加者の会議中の音声、ビデオ、共有、CPU 使用率に関するすべての健全性メトリックをスクロールして一目で確認できます。
上の Webex Control Hub のビューを使用すると、ヘルプ デスク担当者は、会議の参加人数、参加時刻、参加方法、主催者、そして最も重要であるサービス品質に問題があった参加者をすぐに確認できます。問題が発生していると思われる場所を特定するにはどれくらい時間がかかるか、実際に試してみてください。赤い部分があります。ここが問題でしょうか。正解です。ただし、これはまだ簡単な方です。根本原因はどうすれば分かるのでしょうか。ここで、ドリルダウンの出番です。赤い部分がある参加者をクリックするだけで、あとは一目瞭然です。
最新リリースでは、ユーザごとに以下の豊富な分析情報が表示されます。
- クライアント タイプとバージョン、ブラウザ、OS
- デバイス タイプ、製造元、モデル
- 周辺機器(スピーカー、ヘッドセット、カメラ)
- 参加方法
- 音声、ビデオ、共有に関するサービス品質メトリックの推移(1 分ごとに更新)
- システムとアプリケーションの CPU 使用率の推移
これらの情報はすべて、最初のコールで問題の根本原因を特定するのに役立ちます。早期ベータ版をお試しいただいたお客様からは、とても役立っているとフィードバックが寄せられています。
「CenturyLink には、お客様をサポートする大規模な IT 管理者グループがあります。この新しい分析情報により、お客様に影響を与えかねないサービス品質の問題を特定し、ユーザ エクスペリエンス向上のためにお客様の環境内で実行できる改善点を案内できます。高度な診断機能により、最初のコールでの解決時間が短縮され、お客様のエクスペリエンスを向上させることができました」– CenturyLink 社 UC & C プロダクト マネージャ James Sommers 氏
新機能を利用するには
Webex Control Hub の高度な診断機能は、8 月 30 日以降、すべての Webex のお客様に標準サービスで提供されています。この新機能をぜひご活用ください。新機能を試してみた感想を下のコメント欄でお聞かせください。
そしてご安心ください。Control Hub はさらに進化する予定です。引き続きご注目ください。
Control Hub での Webex Meetings に関するヘルプが必要ですか。Control Hub での Webex Meetings のトラブルシューティングのビデオ をご覧ください。