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Leading Lights Awards 受賞 – 新たな視点でとらえた楽天の「5G レディ」なネットワーク、業界で高い評価を受ける


2019年7月8日


Dan Kurschnerこの記事は、シスコのプロダクト/システム マーケティング マネージャーである Dan Kurschner によるブログ「Leading Lights Awards – Industry recognition for Rakuten’s 5G Reimagined Networkpopup_icon(2019/5/7)の抄訳です。

Leading Light Awards 5 月 6 日、業界で最も革新的なサービス プロバイダーの 1 社に数えられる楽天モバイルが、Leading Light Awards の 2 部門で最優秀に輝きました。楽天モバイルが受賞したのは、「オペレーターによる最も革新的な通信クラウド戦略(Most Innovative Telco Cloud Strategy by an operator)」と「オペレーターによる最も革新的な自動化戦略(Most Innovative Automation Strategy by an operator)」の 2 部門で、いずれも順当な結果といえます。

2018 年 4 月、楽天からシスコへまったく新しい視点でとらえたモバイル ネットワークのビジョンについて話がありました。それは、数年前から業界で議論されてきた 5G 時代のソフトウェアデファインド技術を、余すことなくネットワークに組み入れるというものでした。

図 1:Rakuten Software-Defined Telco Platform

Rakuten Software-Defined Telco Platform は完全に仮想化されており、基地局の構成も非常にシンプルで、従来専用ハードで動作していた無線ベースバンド ユニットが不要となりました。シスコは、楽天モバイルのカスタマー エクスペリエンス(CX)チームと Open vRAN エコシステムのパートナー数社と共同で、5G 時代のネットワークの再考に取り組んできました。その中で、マルチアクセス エッジ コンピュート(MEC)を新たに設計し直し、2 つの異なるワークロード モデルをサポートするようにしました。1 つ目のモデルは「Far-edge(遠端)」コンピュートで、コスト効率に優れた仮想 RAN を提供します。2 つ目の「Edge(エッジ)」モデルは、ビデオ ストリーミングなどのネットワーク サービスのほか、エンドユーザとの距離の近さを活かしたさまざまな用途をサポートします。楽天モバイルのコアで採用されているのは、業界をリードする仮想化コアである Cisco Ultra Packet Core です。Telco Cloud Platform ではエンドツーエンドの IP 伝送用としてシスコのインテントベースのネットワーキングを採用しており、ハードウェアとソフトウェアを分離する設計を利用して、よりアジャイルで障害に強いネットワークを提供します。Rakuten Telco Cloud Platform はシスコの技術のみで構築されているわけではありません。実際、シスコの 5G アーキテクチャは、統合アクセスをサポートするオープンなマルチベンダー アーキテクチャとしてモデル化されています。Altiostar が仮想 RAN を提供しているほか、Intel や Red Hat、その他のベンダーも重要なパートナーとして同ソフトウェアデファインド プラットフォームの構築に携わっています。

マルチベンダー対応で、ソフトウェア デファインドのオープンなエンドツーエンド アーキテクチャは、ともすれば管理が煩雑になりがちです。このことが、「オペレーターによる最も革新的な自動化戦略」部門での受賞につながりました。楽天とシスコは、5G 時代のネットワークにおいて高度な自動化が果たす役割について再考すべく、再度チームを組みました。楽天のネットワークでは、Cisco CX Matrix グラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)システムの 1 つの画面から、ネットワークの管理とオーケストレーションを一元的に行えるようになっています。CX Matrix はカスタマイズが可能であり、ネットワークを管理する際の見た目、使い勝手、用語を自由に設定できます。CX Matrix は、Cisco Network Services Orchestrator(NSO)と Elastic Services Controller(ESC)のほか、Innoeye OSS や Alitostar などのパートナーが提供する自動化システムによって支えられています。このような高度な自動化によって、楽天は自社のネットワーク全体をボタンひとつで、数日ではなく、わずか数時間で稼働状態にすることができたのです。

通信クラウドと自動化に関する革新的な戦略が功を奏し、1 年足らずで完全仮想化のネットワークを構築し、実証実験を成功に導くことができました。また、導入と運用にかかるコストも削減されました。4G LTE への対応は一気に進み、2019 年 10 月より順次サービスを開始し、2020 年に計画されている 5G へのアップグレードで問題となるのは、新しい物理アンテナと RAN ソフトウェアだけです。楽天のネットワークは、5G に完全に対応しています。

左から順に、シスコ モビリティ部門 CTO の Ian Campbell、楽天モバイル CTO の Tareq Amin 氏、シスコ プリンシパル アーキテクトの Aeneas Dodd-Noble、シスコ グローバル ディレクタの Bob Everson、シスコ CX マーケティング部門 VP の Nick King

5G への移行で業界をリードしている楽天モバイルの今回の受賞に祝意を表します。楽天のネットワークについては、ホワイトペーパー「5G 時代のエンドツーエンド モバイル ネットワークの再考(Reimagining the End-to-End Mobile Network in the 5G Era)」をご参照ください。

 

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