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OpenRoaming:Wi-Fi 6 と 5G で 自動かつシームレスなローミングを実現する


2019年5月27日


Matt MacPhersonこの記事は、ワイヤレス担当 CTO(Chief Technology Officer)である Matt MacPherson によるブログ「OpenRoaming: Automatic and Seamless Roaming Across Wi-Fi 6 and 5Gpopup_icon(2019/4/29)の抄訳です。

 

クイズ:今、あなたはサンフランシスコ国際空港にいます。機内で見る映画を Wi-Fi に接続してダウンロードしようと思っています。どれを使いますか。

A)無料の空港 Wi-Fi

B)空港 Wi-Fi

C)AirNet SFO

D)ひっかかりません。もちろん携帯電話ネットワークです。便利ですから有料でもかまいません。

D を選ぶのは、あなただけではないでしょう。公共のスペースで Wi-Fi を利用する場合、個人情報、ユーザ名、パスワードを求められるため面倒や不安を感じます。これに比べれば、料金がかかっても携帯電話会社のネットワークの方がいいと思われる方も多いでしょう。では、Wi-Fi が携帯ネットワークに接続するのと同じくらい簡単で安全だったらどうでしょうか。

これは可能なことであり、実際にシスコでは今、その実現に取り組んでいます。

シスコが中心となって進めている取り組み OpenRoaming により、サービス提供エリアに足を踏み入れた瞬間、シームレスかつ安全に Wi-Fi に接続できるようになります。Samsung ID、モバイル SIM カード、クラウド プロバイダなど、すでに持っている ID の 1 つを使って OpenRoaming に一度サインインするだけで、世界中の対象のワイヤレス ネットワークにシームレスにアクセスできます。このサービスはユーザに無料で提供され、安全かつ高速です。OpenRoaming では、どの Wi-Fi ネットワークを使えばよいか考える必要もなければ、ポップアップ表示されるキャプティブ ポータルにイライラすることも、ユーザ名とパスワードを不安に感じながら入力することもありません。どこにいても接続されるため、ダウンロードしたコンテンツ、ストリーミング、ビデオ チャット、ゲームを好きに楽しめます。

OpenRoaming とは

シスコは、業界標準として確立されている HotSpot 2.0 に従った基盤技術を使い、ID プロバイダとワイヤレス アクセス ネットワークの幅広い連携をリードして、すべてのユーザにシームレスで安全なワイヤレス アクセスを可能にしようとしています。すべての Wi-Fi 接続は業界標準のエンタープライズ グレードのセキュリティ プロトコルによりワイヤレスで保護されます。このセキュリティ重視の姿勢では、中間者攻撃やワイヤレスのスニファ対策に特に力を入れています。また OpenRoaming では、ユーザが明示的に許可しない限り、個人を特定できる情報を Wi-Fi ネットワークの所有者と共有することはありません。

高品質のサービスを確実に提供できるように、OpenRoaming をサポートするネットワークには特定の基準を満たすことが求められます。これら基準を満たすことで、高速かつ安全な接続を提供できるようになります。Wi-Fi ネットワークと ID プロバイダはポリシーを適用することで、特定のパフォーマンスしきい値を満たしている場合のみユーザに接続を許可できます。

さらに OpenRoaming は他の新しいワイヤレス アクセス技術の導入を推進するのにも役立つため、5G と Wi-Fi 6 ネットワークpopup_iconのよりよい連携につながります。帯域幅を広げ、信頼性を高めることで、より多くのアプリケーションにアクセスできるようになり、ユーザは 5G と Wi-Fi 6 ネットワーク間の移動で優れたワイヤレス エクスペリエンスを実感できます。

すべての利益のために

OpenRoaming がユーザに役立つのは明らかですが、ゲスト Wi-Fi ネットワークを運用している企業にも役立ちます。小売店を経営している場合や公共アクセスができる場所を管理している場合、ボタンをクリックするだけでゲスト Wi-Fi の接続率を大幅に上げることができればどうでしょう。人々の物理スペースの使い方に関するデータを収集し、消費者の行動パターンの詳しい理解やユーザ エクスペリエンスの改善に活用できます。Cisco DNA Spacespopup_icon を使えば、ユーザがどのようなルートで施設内を移動しているか、どの場所に長くいるか、接続時間はどれくらいかなど、場所に基づいたさまざまな役立つ情報を理解できます。もちろん、このデータから各ユーザのプライベートな通信やトランザクションが判別することはありません。

店舗内(モバイル ネットワークが確実に届くとは限らない)のワイヤレス カバレッジに問題がないことがわかった顧客は、顧客エンゲージメントを高めるための店舗アプリを使う可能性が高くなります。顧客満足にとって接続性は重要な要素です。

携帯電話会社やクラウド プロバイダなどの ID プロバイダであれば、それぞれのネットワークを拡張できるほか、長期利用者を増やし、場所に基づいた付加価値のあるサービスを顧客に提供できます。

メンバー

いよいよ Wi-Fi から目が離せなくなってきました。この新しい標準規格、Wi-Fi 6 は高いデータ レート、低遅延、キャパシティの拡大、全体的なパフォーマンスの向上をワイヤレスにもたらします。ユーザをシームレスに接続することがこれまで以上に重要になります。私たちは、OpenRoaming によりネットワーク アクセスが変革し、いつでもどこでも接続できる環境に向けて業界全体がさらに前進すると考えています。

もちろん、これはシスコ単独で実現できることではありません。このためシスコでは、ID プロバイダやアクセス プロバイダで構成される OpenRoaming コンソーシアムにより、この取り組みを率先して進めています。サムスンは ID プロバイダとして、バルセロナで開催された Mobile World Congress(MWC)でこの取り組みの影響を発表し、OpenRoaming のすばらしい価値を実証しました。MWC の会場で、サムスンの最新型 Galaxy と Galaxy Note を利用しているユーザは、会場のワイヤレス ネットワークに自動的に接続しました。自動的に接続されたユーザの数は 50 % 以上も増えました。また、シスコは Canary Wharf、Clair Global、Presidio、Boingo、GlobalReach、その他のアクセス プロバイダとも協力し、世界中の実際のネットワークで OpenRoaming のテストを始めようとしています。

世界中の何百万台ものアクセス ポイントを通して、皆さんのお気に入りのお店、スタジアム、公共施設、空港のすべてで OpenRoaming が利用できるように、他にもたくさんのパートナーが協力してくれるはずです。この瞬間も、ライブ ベータ版に登録するアクセス プロバイダや ID プロバイダの数は着実に増えています。シームレスなアクセスを中心とした変革の担い手になりたい方、OpenRoaming に参加したい方、エンド ユーザとして参加したい方はぜひ、www.cisco.com/jp/go/openroaming で詳しい情報をご覧ください。

ここで説明したオファーと機能の多くは開発段階にあり、使用可能になった時点で順次提供される予定です。これらのオファーや機能は、シスコの独断により変更される可能性があります。シスコは、このドキュメントで述べたオファー、製品、機能の提供が遅れる、または提供できないことがあっても、一切責任を負わないものとします。

 

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