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ハイパーコンバージド インフラストラクチャの利点をエッジ環境でも最大限に引き出す HyperFlex Anywhere

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Kaustubh Dasこの記事は、シスコ コンピューティング システム プロダクト グループのストラテジー&プロダクト開発ストレージ担当バイス プレジデント Kaustubh Das によるブログ「Taking the Full Power of Hyperconverged Infrastructure to the Edge with HyperFlex Anywherepopup_icon(2019/1/29)の抄訳です。

私たちはシスコにおいて、次世代のデータセンターとプライベート クラウドのデザインパターン(カタログ化)を開発するというミッションを負っています。そのパターンとは、かつてないシンプルさ、既存環境を劇的に改善する優れたパフォーマンス、さらには、お客様が頼りにできるエンタープライズクラスの俊敏性を兼ね備えたものです。

2009 年にシスコは、サーバとファブリックの両方の特性をハードウェアから切り離し、それらをポリシーに体系化したことで、サーバ業界を揺るがしました。その数年後にはコンバージド インフラストラクチャという分野において業界をリードし、今でもその分野でトップに立っています。2016 年には、当時提供されていたものよりもはるかに洗練された方法でハイパーコンバージド インフラストラクチャ(HCI)を構築できることに気付きました。そこで、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング、および管理機能を組み合わせた設計を行い、優れたアーキテクチャを備えた、綿密に設計されたシステムを開発したのです。その後 2017 年に、アプリケーションのパフォーマンスを重視した HyperFlex 2.0 を発表し、第三者機関の評価テストにおいて競合他社と比べて優れた評価を勝ちとりました。2018 年には HyperFlex 3.0popup_icon をリリースし、複数のハイパーバイザ、複数のコンテナ フレームワーク、およびマルチクラウド環境への架け橋となる統合をサポートしました。

1月29日、バルセロナで開催された Cisco Live では HyperFlex 4.0 を発表しました。HyperFlex 4.0 は、シスコの HyperFlex プラットフォームをコアのデータセンターからエッジ環境に拡張します。他に類を見ない革新的なプラットフォームであり、HCI をエッジ環境に、世界規模で展開するための要件を満たすよう設計されています。

Data Center Anywhere – データセンターにはもはや「センター」という概念がありません

クラウドやデータセンターを構築する理由は常に 1 つ、アプリケーションを実行するためです。しかし、現在のアプリケーションはますます多様化し分散されています。アプリケーションはさまざまな場所でデータを生成し、さまざまな場所からそのデータを利用します。さらに詳しく言えば、2022 年には、企業で生成されるデータの 50% が、従来の中央集中型のデータセンターやクラウドの外部で生成および処理されると予測されています[1]。従来のデータセンターの外部でデータが蓄積されるとなると、データセンター自体もそのデータに合わせて支店・支部、リモート、エッジなどの拠点へと拡張しなければなりません。

最新の HyperFlexは、こうした新たな現実を考慮して設計されており、コアでもエッジでも、データが存在するあらゆる場所に展開できる柔軟なデータセンター イン ア ボックス(コンパクトな 1 つの箱で実現するデータセンター)を提供します。

HyperFlex Anywhere – 分散展開を簡素化

HCI を地域、国、または世界規模で複数のサイトに展開する場合、その工程・作業は複雑になりかねません。従来の製品では、中央拠点でのステージング、そこから各拠点へ配送、IT チームの拠点移動、手作業のインストールなどが必要になります。こうしたプロセスは問題を伴うことがあります。たとえば、タイプミスによりエラーが引き起こされる、拠点の構築を完了する前に最初のエッジ サイトが古くなる、プロセス全体で非常に時間がかかる、などの状況が発生する場合があります。HyperFlex は Cisco Intersight と連携して、こうしたプロセスを変革します。HyperFlex Edge ノードは、すぐに現地導入できる状態で工場から出荷されます。また、クラウドベースの Cisco Intersight への接続コネクタも用意されています。これにより、Intersight クラウドの性能と管理機能を活用して、作業が自動化された、HyperFlex Edge クラスタのゼロタッチ インストールが可能になります。

これで、導入とライフサイクル管理の利点を世界規模で実現できます。しかも、それをクラウドからリモートで提供します。また、HyperFlex Edge と Intersight は、リモート・分散拠点(ROBO) やエッジ環境利用のお客様に次のメリットをもたらします。

  • 簡素化された単一のハイパーコンバージド アーキテクチャを、コア、ハイブリッド クラウド、エッジに展開して、運用を簡素化できます。
  • エッジとブランチ向けにインフラストラクチャを大規模に展開する場合にも、厳しいコスト制約の中で実現することができます。
  • エッジ サイトで求められる限られた物理スペースに合わせて、2 ノード(最大 4 ノード)の小規模クラスタで展開できます。
  • 費用をかけずにデータの復元力を高められます(Intersight の水面下でのクラウドベースの監視を中心とした、業界をリードするシスコのイノベーションを利用)。
  • 一元化されたライフサイクル管理と、Intersight で得られる実用的な情報によって、運用を簡素化できます。

インフラストラクチャ管理向けの Intersight クラウドに加え、Citrix Cloud サービスとも統合できるようになりました。これにより、Citrix Cloud を使用して、大規模な仮想デスクトップと仮想アプリケーションをさまざまな場所から迅速かつ簡単にプロビジョニングできます。

HyperFlex Anywhere – 妥協のないパフォーマンス

本日の HyperFlex の発表では、2 つ目の主要なテーマとして、パフォーマンスが重要であることが紹介されました。パフォーマンスは、主要な差別化要因の 1 つであり、シスコがリードし続ける領域でもあります。一部の競合他社製品では、パフォーマンスは自社ソリューションの強みではないため、それを強調していませんが、シスコはその逆のアプローチを取っています。パフォーマンスは重要な要素であり、パフォーマンスこそが、ミッション クリティカルなアプリケーションもカバーし、お客様の総支出額を最小限に抑える鍵であるとシスコは考えています。

その理由は簡単です。いまや HCI は、企業の重要なビジネス アプリケーションを実行し、その数もますます増加するところまで成熟しています。HCI のパフォーマンスが不十分だとカスタマー エクスペリエンスとチームの有効性に影響し、最終的には企業の収益にも影響を与えます。その一方で、HyperFlex が提供する高パフォーマンスの HCI ソリューションは、こうしたリスクを軽減するだけでなく、コスト節約とコスト回避の両方の観点で TCO に大きな効果をもたらします。少ないリソースでより多くの作業を行えれば、必要なハードウェアやソフトウェア ライセンスの数は少なくなります。さらに重要なこととして、運用のオーバーヘッドの削減にもつながります。こうした節約はすぐに効果が得られます。

このように、パフォーマンスは重要です。HyperFlex の最新リリースでは Intel®Optane™ キャッシュおよびオール NVMe ドライブ構成に対応することで、さらに、パフォーマンスに力を入れた理由はそこにあります。シスコは、Intel 社と緊密に連携してオール NVMe ノードの HX220c M5 を開発し、高い信頼性、可用性、および有用性(RAS)の機能を組み込んで綿密に設計された業界初のオール NVMe HCI システムを市場に投入しました。さらに、ホット プラグにも対応し、お客様のビジネス クリティカルなアプリケーションに適したエンタープライズ クラスのオール NVMe システムを実現しています。

最新のリリースには、HyperFlex アクセラレーション エンジンと呼ばれる、新しいハードウェア オフロード エンジンも追加しました。このエンジンは、オンボード でFPGAに対応したオプションのアドオン PCIe カードです。これにより、CPU の処理をカードにオフロードし、その処理サイクルを、稼働するアプリケーションのワークロード向けに解放できます。さらに、このハードウェア アクセラレーションによってパフォーマンスが向上するため、シスコはこの分野でのリードを一段と広げるとともに、お客様の経済価値を最大限に引き出すことができます。

前述したすべての新機能のほかに、このリリースでは、RedHat Openshift Container Platform と Kubernetes Container Storage Interface(CSI)をサポートし、クラウド ネイティブ アプリケーションに対応する機能を提供しています。

シスコのミッションは続く

HyperFlex Anywhere により、シスコのお客様は、ハイパーコンバージェンスのシンプルさをコアからエッジに拡張して、多数のワークロードとユーザ利用に対応できます。また、シスコの新しい HyperFlex 4.0 リリースと Intersight のイノベーションによる世界規模の展開性と優れたパフォーマンスにより、ハイパーコンバージド インフラストラクチャのエッジと リモート・分散拠点(ROBO)独特の展開要件に対応します

2018 年に、シスコが Forrester と Gartner の両社からハイパーコンバージド インフラストラクチャ分野でのリーダーとして認められたことを誇りに思います。シスコは、デジタル変革の推進に必要なイノベーションをお客様に提供するというミッションを今後も積極的に進めていきます。

Cisco HyperFlex の詳細については、https://www.cisco.com/jp/go/hyperflex を参照してください。

同時に発表されたシスコのデータセンター イノベーションについてはニュースリリース を参照してください。

シスコのパートナーによる HyperFlex 4.0 についての記事も参照ください。

Intel – Cisco HyperFlex*:あなたのすぐ近くのお店にもやってくる

Commvault – 企業実績のある Commvault Complete™ Backup & Recovery により、さまざまな場所の Cisco HyperFlex 4.0 ワークロードを保護 [英語]

Veeam – HyperFlex 4.0 and Veeam Availability Suite 9.5 Update 4 deliver big!

Citrix – Cisco HyperFlex が Citrix Workspace をエッジに拡張 [英語]


[1] Gartner 社『Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference Event Presentation, The Future of IT Infrastructures: Always On, Always Available, Everywhere』David J. Cappuccio、Bob Gill およびその他の登壇者、2018 年 12 月 3 ~ 6 日

 

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