概要
Adobe Acrobat Reader DC にはリモート コード実行の脆弱性が存在します。特定の JavaScript で細工された PDF をユーザが開くと、ヒープが破損する可能性があります。細工された電子メールの添付ファイルをユーザが開いた場合にも、同じバグが発生する可能性があります。
Talos は情報開示方針に従って Adobe と協力し、今回の脆弱性が解決されたことと、影響を受けた利用者向けにアップデートが提供されていることを確認しています。
脆弱性の詳細
Adobe Acrobat Reader DC のテキスト フィールドの値に起因するリモートコード実行の脆弱性(TALOS-2018-0714)
Adobe Acrobat Reader は PDF に埋め込まれた JavaScript をサポートしてます。これによりインタラクティブな PDF フォームを実現しています。ただし JavaScript により攻撃者がメモリ レイアウトを正確に制御できるため、攻撃対象領域が広がるという問題もあります。2 行におよぶ特定の JavaScript コードで PDF を細工することで、ユーザが騙されてそれを開いた場合に不正な整数サイズ プロモーションが実行され、ヒープの破損が発生します。攻撃者がヒープの破損を利用した場合、任意コードがリモートで実行される危険性があります。
包括的な脆弱性アドバイザリはこちらをご覧ください。
脆弱性が確認されたバージョン
Cisco Talos では、今回の脆弱性が Adobe Acrobat Reader DC 2019.8.20071 に存在することを確認しました。
カバレッジ
脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールにより検出可能です。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。
Snort ルール:48293、48294
本稿は 2019年2月12日に Talos Group のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Adobe Acrobat Reader DC text field remote code execution vulnerability」の抄訳です。