この記事は、チーム コラボレーション グループの Webex プラットフォーム担当シニア ディレクターである Abhay Kulkarni によるブログ「The Webex Backbone: Because Every Millisecond Counts」(2018/9/10)の抄訳です。
私が属するインフラストラクチャとクラウドのエンジニアのグローバル チームは、世界の 22 以上の場所にまたがって存在しています。チームの会議を行うときには、スタッフは Webex を使用して多様々な大陸から参加します。ビデオ会議は単なる音声会議よりも生産性が高いので、私はチームにビデオの使用を求めています。
世界中にユーザがいることを想像してみてください。自宅、職場、旅行先とさまざまな場所にいますが、そのユーザたちが 1 つのビデオ会議に参加しようとしています。誰かが会議で高品質ビデオを利用できないとしたら、仕事を行うために「音声に後退する」可能性が高くなります。さらに悪いことに、価値がないと判断して会議から退出してしまう可能性もあります。
おそらく他の誰よりも、当社のチームはなぜこうなってしまうのかを理解しています。私たちは偶然にも Webex Platform を実行しています。私たちは自社製品の優れた使用例となっています。そして私たちはユーザがどこから接続するとしても最良のエクスペリエンスを提供するために日々働いています。
ビデオ会議の弱点は、通常はその接続性です。ユーザとクラウド内のサーバ間のパスは損失が多く、ジッタが発生し、長い遅延が発生しがちです。Webex のグローバル分散会議アーキテクチャにより、最も近いデータセンターに接続することができ、そのサーバへの遅延は可能な限り低く抑えられます。
ここで、参加者がアジア、ヨーロッパ、北米にいる会議を想像してみましょう。参加者各自はそれぞれが最も近いデータセンターに接続します。会議では、それらの各データセンターが相互に通信することが必要です。データセンターが多いと、潜在的な課題も多くなります。複数のデータセンター間のパスでは、高いパケット損失、ジッタ、遅延などが生じる可能性もあります。
どのように解決すればいいのでしょうか。すべての会議トラフィックを、メディア向けに最適化されたマネージド ネットワーク上でルーティングします。このアプローチは世界にまたがり、最も近いデータセンターとの間およびデータセンター間での、低損失、低ジッタ、高帯域幅の接続を提供します。これはシスコのネットワーキングとセキュリティにおける深い継承資産により採用できる、独自のアプローチです。Cisco Webex は、リアルタイム メディア向けに構築され、最適化されている唯一のサービスです。
ここ 10 年は、Webex Meetings および Webex Teams の背後のエンジンとして Webex バックボーンを構築するために働いてきました。この世界的な柱により、Webex の世界全体は、高品質で、冗長で、メディア向けに最適化されたネットワークに接続されます。今や、グローバル会議がある場合は、トラフィックをボール遊びのように Webex バックボーンにぽんと渡して、トラフィックのルーティングを管理できます。この「ボール遊び」ルーティングにより、パブリック インターネットからパケットをできるだけ早く取り出し、シスコのプライベート バックボーンで運ぶことができます。これにより、低パケット損失、低ジッタ、および低遅延/高帯域幅の接続を提供できます。
Webex バックボーンでは、すべてのデータセンターが、規模に応じた冗長パスで接続されます。データセンターの中には、デュアル 100 G リンクを使用して接続されているものもあります。このバックボーン上のトラフィックはメディア用に最適化されており、高度に安全なネットワークを提供しながら、可能な限り多くのチョーク ポイントを除去します。Webex Meetings のトラフィックは成長を続けており、そのネットワークは世界中で週 7 日 24 時間体制で監視されています。このように大規模に使用されるネットワークに対して、最適なパフォーマンスのためにバックボーンのさまざまなレグを監視するため、多数のテレメトリを構築してきました。
シスコはインターネットの中核を構築しました。したがってこのバックボーンが、最新かつ最高のシスコ ネットワーク デバイス、レイヤ 2 ~ 7 で構築されていることは秘密ではありません。当社のネットワーキング事業ユニットから最良のメンバーを集め、世界中の何億もの月次ユーザによる、月次利用時間 60 億分を超える処理をサポートできるネットワークを構築します。
新しい市場に入るという特定の状況では、パブリック クラウドを使用して、グローバル フットプリントまですばやく成長するようにします。それぞれのケースで、専用バックボーンをパブリック クラウドに直接接続しています。これにより世界中で当社のバックボーンのメリットを享受できます。シスコのパブリック クラウドへの展開についてもそのように言えます。それらの場所でトラフィックが増加するにつれ、データセンターのフットプリントを拡大しています。たとえば最近では、中南米でパブリック クラウド データセンターを導入しました。また、その他にも多くのデータセンターを建設中です。
Webex バックボーンのもう 1 つの主要な側面は、これまでにないセキュリティを提供することです。監視対象のバックボーン上のトラフィックだけでなく、Webex はクラウド ロケーション間で転送中のすべてのメディア トラフィックを暗号化します。
他のソリューションで、同数またはさらに多くの場所を世界中に備えていると主張するものもあります。ただし、そのどれも今日のビジネス ニーズに応えるビデオ、音声、コンテンツ品質を提供するための、メディア向けに最適化されたネットワークを持っていません。ほとんどの場合、インターネットを経由してユーザをクラウドまたは別々のクラウドに接続させます。しかし、データセンター間のバックホールは、メディア向けに最適化されたリアルタイム ネットワークではありません。これによりビデオ エクスペリエンスが低下し、ユーザは幻滅し、「音声に後退する」可能性があります。
当社の目標は優れたエクスペリエンスを提供することであり、お客様は会議の機構について心配する必要はなく、同僚と会議に参加できればよいのです。Webex バックボーンで優れた会議エクスペリエンスを提供することで、シスコは我が道を進んでいます。