この記事は、Cisco Cloud Center のテクニカル マーケティング エンジニアである Tuan Nguyen によるブログ「Cisco Container Platform – Kubernetes for the Enterprise」(2018/1/31)の抄訳です。
Kubernetes(クーべネティス)は Google 社が自社のコンテナ クラスタの運用に向けて開発したプラットフォームですが、これがクラウド開発者の注目を集めており、導入例も増えています。ここ数年、Kubernetes に加え、Docker Swarm や Mesos なども、コンテナ化アプリケーションのオーケストレーションへの需要に相次いで対応しています。複数のツールの中で長く注目されてきたのは Mesos ですが、こちらの調査によれば、Kubernetes がトップの座をつかみつつあるようです。この調査結果を裏付けるように、最近では Apache Mesos、Pivotal Container Service、Cloud Foundry が Kubernetes のサポートを始めており、さらに直近では Docker Enterprise Edition も Kubernetes をシームレスに統合しています。どのコンテナ オーケストレータが最終的に主流となるにせよ、コア ビジネスの目標に注力するためインフラストラクチャの抽象化を模索する動きが広まるのは確実です。
Cisco Container Platform は、コンテナ オーケストレーションの具体的なメリットすべてを、エンタープライズインフラでの利用に向けて、先駆けて提供します。製品はアップストリームの Kubernetes をベースとしており、コンテナ クラスタをセルフサービスで導入・管理できる UI を備えています。これらのクラスタは、確立された認証プロファイル(既存の RBAC モデルを使用可能)に基づいてプライベード クラウドのリソースを活用します。タイプの異なる仮想プラットフォームを利用するチームを複数抱える組織にとってのメリットは、一貫性と効率性を維持しながらクラスタを IaaS リソースに導入できる柔軟性です。スクリプトベースのフレームワークでは、このような柔軟性を維持するのが至難の業です。また、スケールアウト/スケールインが必要となる状況などでは、チームがクラスタ リソースを区別して管理できます。他のチーム アセットへの影響を懸念する必要はありません。Cisco Container Platform では、確立されたオープン ソース コンポーネントから成る、本質的にオープンなアーキテクチャが採用されています。このようなフレームワークは、クラウド ニュートラルな作業工程に向けたイノベーションを目指す DevOps チームにお勧めです。
Cisco Container Platform は、仮想環境かベア メタル環境かを問わず、既存のインフラストラクチャに容易に導入でき、すぐに運用を開始できるエンタープライズ向けのコンテナ管理プラットフォームです。ユビキタス モニタリングやポリシーベースのセキュリティを備えており、ロード バランシングやロギングなどの重要なサービスを提供します。Cisco Container Platform により、ネットワーク管理、アプリケーション パフォーマンス モニタリング、分析、ロギングなどの拡張機能をアプリケーションに提供できます。Cisco Container Platform が提供する API レイヤには、Google Cloud Platform や Google Kubernetes Engine との互換性があり、今後アプリケーションをプライベード クラウドからパブリック クラウドに移行させる必要が生じた際にも、オーケストレーション スキームとの整合性を維持できます。ワークロードのコンテナ化については、Google Cloud Platform によって仲介されるサービスを Cisco Container Platform 上のプライベート クラウドが使用するケースや、その逆のケースなどが考えられます。Cisco Application Centric Infrastructure(ACI)を実装した環境では、Cisco Container Platform のコンポーネントである「Contiv」により、論理ポリシーベースのコンテキストでコンテナの安全を確保します。Cisco HyperFlex(HX)の環境では、HX ストレージの利点をそのまま活用できるため、FlexVolume の形式でコンテナに永続ボリュームを提供できます。Cisco Container Platform を利用すれば、あらかじめ検証された実稼働品質のソリューションを最適なオープン ソース プロジェクトと統合できるため、Kubernetes 環境の運用管理を簡素化できます。
Cisco Container Platform の詳細についてはwww.cisco.com/jp/go/containers を参照してください。