この記事は、Cisco CloudCenter のプロダクト マネージャーである Zack Kielich と Kurt Milne によるブログ「CloudCenter 4.8 Release–Brownfield Import and Action Library」(2017/3/28)の抄訳です。
http://youtu.be/8OamlaH8eNE
クラウドに関する 3 月のビッグ ニュースと言えば、AWS S3 がダウンしたことによる、一部の大規模なインターネット サービスの停止でした。この一件はベンダー側の障害に対応できるクラウド戦略の必要性を浮き彫りにしました。しかし、複数のクラウド、アカウントや機能の管理は、あまりに複雑なことだと思うかもしれません。
これまでは、ハイブリッド クラウドやマルチクラウド サービスを管理できる方法の数が限られていました。それらの大半はテクノロジーまたはクラウド専用のオーケストレーション ツールや管理ツールを組み合わせたものでした。しかし、より優れた選択肢として、Cisco CloudCenter のようなクラウド管理プラットフォームでハイブリッドな環境を管理するという方法があります。「単一プラットフォーム」方式を選択すれば、CMP を使用してワークロードの種類や技術を必要な数だけ管理できるようになり、機能をさらに強化できます。
これは、5 月末にリリース予定の Cisco CloudCenter 4.8 で実現します。
このリリースでは、前回のリリースでテーマとなった内容を踏まえて、一部の機能が大幅に強化されています。今回のリリース以前から、管理者はインベントリ レポート経由で既存の VM を表示できていましたが、何らかの操作ができるわけではありませんでした。さらに、「導入後」の運用リストが含まれていましたが、このリストを有意義な方法で活用する方法がありませんでした。
4.8 は、ブラウンフィールドと運用に関する 3 段階計画の第 2 段階にあたります。このリリースには、CloudCenter で管理可能なワークロードの範囲を広げ、ユーザがセルフサービスで実行できる内容を拡張する新機能が用意されています。今回の変更により、「あらゆるクラウドを単一プラットフォームに集約する」という約束が実現します。ユーザのセルフサービス機能と一元的な IT 制御の両方を改善しながら、シャドー IT を排除するための的確なソリューションを提供します。新しい機能と特長は次のとおりです。
- ブラウンフィールドにおける VM のインポート:これまでに展開したワークロードと新たに CloudCenter で展開されるワークロードを、データセンターとクラウドの両方でインポートして管理できます。
- VM ビューまたはアプリケーション ビュー:VM ビューとアプリケーション ビューを切り替えます。VM レベルでワークロードを管理するユーザ向けです。
- アクション ライブラリ:導入後のセルフサービスの管理アクションを定義して実行することで、保護された環境でセルフサービス機能がさらに有効となり、IT ヘルプを使う必要性が減ります。
- 新しいクラウド タイプ:Alibaba Cloud のサポート対象が全地域に拡大します。
- 言語のネイティブ サポート:中国語、日本語、フランス語がサポートされます。
- サービス プロバイダー向けライセンス契約(SPLA):「サービスごとの支払い」を行うサービス プロバイダー向けです。
- シスコのエコシステムがもたらすメリット:VM のインポートとアクション ライブラリの組み合わせにより、Cisco Tetration、UCS Director、AppDynamics との連携が改善します。
詳細は、CloudCenter 4.8 のビデオをご覧ください。
新機能についての詳細は、以下のとおりです。
- ブラウンフィールドでの VM のインポート:これまでに展開したワークロードと新たに CloudCenter で展開されるワークロードを一元的にインポートして管理できるようになりました。管理者が CloudCenter をクラウドまたはデータセンターに接続すると、既存の仮想マシンを特定してインポートできます。ここで検出された VM を適切な所有者に割り当てることで、追加のアクションやコスト レポートの作成機能を有効にすることもできます。
一元管理機能により、ハイブリッド IT を単一プラットフォームとして管理するための投資をさらに活用することができます。IT とユーザの双方が協力してシャドー IT を排除することもできます。アプリケーションの所有者はワークロードに引き続きアクセスして管理できますが、広範囲なセルフサービス アクションも使用できるようになりました。これまでは、これらのアクションを利用するのに別個のツール、クラウドへの直接アクセス、あるいは IT チケットのリクエストが必要でした。
- VM ビューまたはアプリケーション ビュー:アプリケーション リストと VM ビューを切り替えることで、ユーザは CloudCenter を介して VM レベルで管理できるようになります。管理者は、未割り当てのマシンや、すでに特定のユーザに割り当てられたマシンを含むインポート済み VM をすべて表示できます。ユーザは、管理型アプリケーションや VM を単一インターフェイスから管理できるため、作業が簡素化されることになります。この機能により、VM レベルでの管理を希望するユーザにとって仮想インフラストラクチャの可視性が高まります。
- アクション ライブラリ:CloudCenter の完全なライフサイクル管理には、拡張可能なアクション ライブラリにより定義可能な導入後の操作も含まれています。これらのアクションは、インポート済みの VM またはすでに展開済みのアプリケーションのいずれかに IT チケットなしで適用できます。別途ツールを習得する必要もありません。アクションは、クラウドや状態をエンド ユーザにのみ表示されるよう、コンテキストで認識されています。これにより IT 管理が簡素化し、アプリケーション所有者の作業効率が向上します。クラウド専用のツールや API コールについて理解する必要もありません。
ユーザは、CPU、メモリやディスク容量を増減することでスケールを調整できます。また、データベースのバックアップ、エージェントのインストール、vMotion の利用、リンクされたツールを使用した「リフトとシフト」などのタスクを、IT サポートなしに実行することもできます。クラウド固有の API や環境固有の複数の管理ツールに関する詳細な知識も不要です。
管理者は、一元化されたライブラリでアクションを簡単に定義または修正できます。導入後のアクションには、スクリプト、コマンド、環境固有の API コール、あるいは他のツールへの API コールを活用する共通の管理タスクも含まれます。ロールベースのアクセス コントロールおよびコンテキスト駆動型のポリシー ルールは、さまざまなタイプのアクションに対して導入環境ごとに対応できます。管理者はアクセスやコンテキストを、アクションを使用できるユーザ、方法、タイミング、場所に応じて制御することで、自動化の保護枠を設定できます。
- 新しいクラウド タイプ:CloudCenter に、Alibaba Cloud のサポートが新たに追加されました。アプリケーションは中国、日本、シンガポール、オーストラリア、ドイツ、および米国内の 3 地域を含む 13 の国や地域で展開できるようになります。Alibaba Cloud は低コストの導入環境として進出してきたクラウドです。クラウドの価格競争は、まだまだ終わりが見えません。このためクラウドの移植性を維持しつつ、さまざまなオプションを検討するべきです。
- 言語のネイティブ サポート:CloudCenter では、中国語、日本語、フランス語の言語パックの追加により、サポート言語が拡大されています。言語はユーザのブラウザで使用されている言語を基に自動で選択されます。これは、すべての機能やガイドにも適用されます。
- サービス プロバイダー向けライセンス契約:CloudCenter では、「サービスごとの支払い」環境に最適化された、サービス プロバイダー用ライセンス オプションが追加されています。このオプションは、シスコの認定を受けたサービス プロバイダーのみ利用できます。
- シスコのエコシステムにおけるメリット:CloudCenter は、他のシスコ ソリューションにもメリットをもたらします。たとえば、ブラウンフィールドのインポート機能とアクション ライブラリを組み合わせることで、他の IT オペレーション ツールの機能を強化できます。CloudCenter では VM をインポートして、Tetration センサーと AppDynamics エージェントをデータセンターとクラウドの両環境に導入できるようになりました。ユーザにとって、Cisco UCS Director のワークフローを開始し、一般的なインフラストラクチャ管理タスクをより簡単に実行できるようになります。
CloudCenter の概要についてのビデオをご覧ください。デモをリクエストするには、セールス チームにお問い合わせください。