ネットワークはもはや単に IT 企業をサポートする機能ではなく、日常的なビジネスを運用するためのバックボーンへと急速に変化しつつあります。
自動走行車についてはお聞きになったことがあるでしょう。では、セルフ ドライビングのエンタープライズ ネットワークについてはどうでしょうか。
シスコによると、このネットワークが今まさに登場しようとしています。アジャイルな IT インフラストラクチャが追求される中、エンタープライズ ネットワークは、データセンターやクラウドに比べると後れをとっています。近年、これらのテクノロジーが転換を遂げている中、エンタープライズ ネットワークの構築と管理方法は 25 年前からほとんど変わっていません。
「それが、今後は変わっていくのです」と、シスコのコア ソフトウェア グループのシニア バイス プレジデントであるラビ・チャンドラセカランは言います。「ネットワークは変革の途上にあります。サイロ化された手動型およびハードウェア中心型のインフラストラクチャから、一貫性があり、ビジネスの目的に合わせて直感的に調整できる、ソフトウェア駆動型の自動化された新しいネットワークへと変化しつつあるのです」
シスコはこの新しい、ソフトウェア駆動型のモデルをデジタル ネットワーク アーキテクチャ（DNA）と呼んでいます。このアーキテクチャは、デジタル変革に取り組むお客様のニーズによって推進されています。一方、1990 年初頭のネットワークは、自動車で言えばマニュアル車のようなものです。このネットワークは主に人々を接続することを重視していました。タスクはシンプルだったので、人がモニタし、管理できたのです。これらのネットワークは確かに機能していましたし、その過程で生産性は大幅に向上し、業界全体が変わりました。これは、今日私たちが知っているエンタープライズ ネットワークの基礎になっています。
しかし、この数年の間に、ネットワークの他にもいくつかの大きな変化がありました。現在、モビリティが私たちの仕事のやり方を変えています。セキュリティに対する脅威の複雑さは日ごとに増しています。アプリケーションはクラウドに移行し、しかも今後数年間の間に数十億のモノがネットワークに参加する見込みです。
「ネットワークはこうしたあらゆる変更の影響を受け始めています」とチャンドラセカランは言います。「ネットワークはあまりにも巨大に、あまりにも複雑になりました。しかも非常に多くの動きを手動で管理する必要があります。そこで、私たちはネットワークについて再考し、その根本部分を変更することにしました」
ビジネスの言葉を話す
セルフ ドラインビングのネットワークは、完全に仮想化されたソフトウェア定義型です。基盤となるインフラストラクチャはオープンかつ柔軟で、適応性と柔軟性に優れています。また、簡単にプログラミングすることができ、モニタリングして自身を修正できなければなりません。
「このネットワークはビジネスの言葉を話し、聞く必要があります。つまりビジネスの現場における理解しやすさと、ビジネスへの適応性が必要です。そしてビジネスのスピードに対応しなければなりません」とチャンドラセカランは言います。「ユーザのオンボーディング、デバイスのオンボーディング、アプリケーションのオンボーディング、そしてプロセスのオンボーディングは完全に自動化されるでしょう。これはもはや、ビジネスレベルのポリシーを作成し、ネットワークを手動で変換し、設定してサポートするということではないのです」
以下のシナリオについて考えてみましょう。
シナリオ 1：吹雪のため、組織の従業員が家で仕事をしなければならない。
現在のネットワークを使用した場合：従業員は、ホーム ビデオ会議システムを使用して接続できます。しかし、ユーザの急増により、品質の低下と接続の問題が発生し、生産性が低下します。
セルフ ドラインビングのネットワークを使用した場合：このネットワークは吹雪によるネットワーク混雑を予測します。それは、このネットワークの分析エンジンが天気予報などの外部フィードに接続されているためです。その結果、このネットワークは新しいビデオ会議セッション向けにエンドツーエンドの Quality of Service（QoS）を動的に設定し、需要に対応するために追加の帯域幅を要求します。天候が回復すると、ネットワークは以前の状態に戻ります。生産性が低下することはありません。
シナリオ 2：生産現場にある一連のマシンが、ネットワーク経由でデータセンターまたはクラウドにある Internet of Things（IoT）の診断アプリケーションに接続されている。
現在のネットワークを使用した場合：ネットワークは手動でセグメント化する必要があるため、IoT デバイスおよびアプリケーションは、ネットワーク上の他のデータおよびユーザとは切り離されています。また、アプリケーションのサービスレベルの要件を、ネットワーク内の各デバイスに対して手動で設定する必要があります。これには時間が必要な上に、エラーの可能性も高くなります。
セルフ ドラインビングのネットワークを使用した場合：サービスレベルおよびセキュリティ ポリシーは、アプリケーションおよびデバイスからネットワークに対してオープン API 経由で直接伝達されます。完全にプログラム可能で抽象化されたネットワークが、安全性が高い仮想セグメントを即座に作成することによって応答し、QoS およびセキュリティ ポリシーをすべての IoT デバイスおよびアプリケーションに対して適用します。さらに、すべてのアプリケーションを対象としたパフォーマンスのトラッキングもされるため、必要なサービス レベルを下回ったアプリケーションがあれば、自動的に調整が行われます。これにより、時間が節約され、運用とユーザ エクスペリエンスが向上します。
考えられるシナリオは多数あります。小売業や宿泊業では、セルフ ドラインビングのネットワークがモバイル デバイスのロケーションベースのサービスを利用して顧客のトレンドを予測し、カスタマイズされたエクスペリエンスを提供できる可能性があります。金融機関の場合は、自動化されたプロビジョニングやセキュリティ ポリシーの適用により、より速く、安全なデジタル化を推進できる可能性があります。建物内では、IoT センサーを使用したスマートな照明や環境制御ソリューションにより、コストを削減できるでしょう。
ヒーローとしてのネットワーク
多くのお客様が、デジタル対応がさらに進んだネットワークの利用を計画し、ビジネスの収益を高めようとしています。IDC
によると、グローバル企業のうちの 45 % が、今後 2 年以内にデジタル ネットワーク対応を次のステージに進めることを計画しています。
また、IDC が実施した最新の分析によると、シスコの DNA ソリューションを使用してネットワークをアップグレードした組織は、ユーザ 100 名につき、年間 48,000 ドル以上利益が増えると予測しているとのことです。この結果、5 年間の ROI は 400 % 以上になります。その他のメリットには、IT ネットワーキング チームの効率の向上（28 %）、アプリケーションの提供までの時間短縮（17 %）、WAN ブランチの導入の高速化（42 %）などがあります。
「このストーリーでは、ネットワークがヒーローです」とチャンドラセカランは言います。「私たちのデジタル変革へのジャーニーでは、ネットワークを進化させて、デジタル イノベーションを推進する必要があります。真にセルフ ドライビングするネットワークへの進化は一夜で実現されるものでありません。しかし、今すぐこのジャーニーを始めなければ、リスクが解消されることはありません」
貴社のネットワークはデジタル変革に対応する準備ができていますか。シスコはそのお手伝いをすることができます。変革を始めるには、こちらにアクセスしてください。
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この記事の内容や意見は寄稿者の個人的な考えであり、必ずしもシスコの見解を表すものではない場合があります。この記事は、多様な革新的テクノロジーに関する継続的な対話を促す取り組みの 1 つとして提供されています。皆様のご意見、ご参加をお待ちしています。
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この記事は、ロサンジェルス在住のフリーランス ライター Laurence Cruz によるブログ「Coming soon to the enterprise: The self-driving network」
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