この記事は、モビリティ担当シニア PML である Mark Denny によるブログ「NBASE-T and 802.11ac Wave 2 Just Makes Sense」(2016/4/6)の抄訳です。
ワイヤレス ネットワークを 802.11ac Wave 2 標準へとアップデートする際に最も厄介な側面の 1 つは、高速になった新しいネットワークを扱ううえでインフラストラクチャが有線接続をほとんど伴わないことです。これは、特急列車が走るのに線路がないようなものです。
では、その列車はどこから出発するのでしょうか。選択肢の 1 つは、古いケーブルを取り除き、高速化に対応できる配線に置き換えることです。しかし、これは高価なソリューションであり、非常に時間がかかります。適切な配線を探し出すことも、すでに開いてしまった壁の穴をその後で修復することも簡単ではありません。
最も容易でコスト効率が良いのは、(802.3bz タスク フォースによる)IEEE 標準化の基礎である NBASE-T テクノロジーを導入することです。NBASE-T テクノロジーはイーサネット シグナリングの一種で、現状の配線の速度を増幅します。つまり、大規模な改修を行う必要がありません。現在の配線の最高速度が 1 Gbps(最大 100 メートル)であれば、最高速度は 2.5 Gbps または 5 Gbps にまで増大します(Cat5e および Cat6 ケーブルの場合)。
Cisco Aironet 3800 アクセス ポイント(AP)は、このような配線を活用できる速度を実現可能な、現在市場で入手できる唯一のアクセス ポイントです。デュアル Radio により、最高で合計 5.2 Gbps(無線チャネルごとに 2.6 Gbps)の理論上の接続速度を実現します。これは、現在のハイエンドな 802.11ac アクセス ポイントの約 2 倍です。上記の速度はすべて、Cat 5e および 10GBASE-T を使ったケーブリングでサポートされます。
長い時間や高いコストを費やすことなく、はるかに高速なネットワークが実現可能になります。これは、誰にとっても有益なソリューションです。
ひとまずは現在のネットワークを使い続ければ、当面はそれでやり過ごすことができるだろう、と考える方もいるかもしれません。しかし最終的に、そのようなネットワークにも多くのデバイスが導入されます。そのようなデバイスがネットワークに接続されれば、データを大量に消費するアプリケーションを使用するようになります。ここで言うデバイスには、監視カメラなどのスマート デバイス、つまり IoT を構成する製品は含まれていません。このような新しいデバイスを追加すると、急速に帯域幅が消費されてしまいます。
今すぐネットワーク全体を見直す必要はなくても、いずれ必要になることは避けられません。ネットワークに NBASE-T テクノロジーと新しい Cisco Aironet 3800 アクセス ポイントを導入することは、後に大きな問題となって現れる前に対策を講じるうえでの最初の一歩として最適です。
NBASE-T および Cisco Aironet 3800 アクセスポイントの詳細もご覧ください。