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BiDi:「ビーディー?」えっ?「バイダイ」って読むの!?


2015年12月1日


突然ですが、「BiDi(バイダイ)」ってご存じでしょうか? このブログをご覧いただいている皆さまなら、聞いたことがあるかもしれません。最近のデータセンター ネットワーク関連でとてもホットな(熱い!?)製品です。

調査会社などのデータによると、特にデータセンター ネットワークでは、今後数年間のうちに 10G から 40G や 100G への移行が進むと言われています。ただ、10G から 40G へ移行するには大きな「壁」がありました。それは、光ファイバです。

40G は IEEE 802.3ba で標準化され、40GBASE-** と表記されるようになっていますが、その基本的な考え方は 10G をベースに多重化することで高速化を行うものです。

通常の 1G や 10G などでは、2 芯(=1 対)のファイバで送受信を行います。たとえばマルチモード ファイバを用いる 40GBASE-SR4 では、8 芯(=4 対)を使って送受信を行います。そのため、光ファイバもそれに対応した芯線数が多いケーブル(通常、12 芯の MPO-MPO の光ファイバ)が必要になります。つまり、40G にするには、光ファイバの「張り直し」が必要だったのです。

「バイダイ」と呼ばれる Cisco QSFP BiDi トランシーバは、そのトランシーバ内で波長を多重化することで、従来多く用いられている 2 芯のマルチモード光ファイバ(LC コネクタ、OM3 MMF や OM4 MMF)上で、40G を実現する「画期的な」製品として登場しました。

BiDi トランシーバで 40G を伝送する基本技術はあくまで標準化された 40G イーサネットで、それを BiDi トランシーバ内で多重しているだけです。BiDi(バイダイ)という呼び方も、Bidirectional(双方向)から来たもので、1 本のファイバ上を 20G の双方向で利用することが基本的な考え方です。そのため、スイッチとしては通常の 40G のポートで通信するときと変わりなく、本体に何か特別な機能を必要としません。基本的にはスイッチなどのデバイスが BiDi トランシーバに対応しているかどうか、だけです。あえて取り上げるなら、ファイバの両端で BiDi トランシーバを使う必要がある、ということぐらいでしょうか(当然ですね)。

トランシーバ自体は高性能なスイッチやルータ本体に比べると地味な製品ですが、ネットワーク システム上で非常に重要です。さらに、物理ケーブル(光ファイバや銅線)、電源なども地味な存在ですが(構成図上は「線」でしかない)、一度敷設してった後での変更は、作業面・コスト面ともに容易ではありません。実際のところ、高性能なスイッチの導入コストより、光ファイバなどの敷設コストの方が大きく、そのため 40G の環境へ移行できずにいる、というお客さまの声も多く聞きます。そのような中で、BiDi トランシーバはそれらの問題をクリアすることができる画期的な製品なのです!

BiDi トランシーバは、データセンタースイッチである Cisco Nexus シリーズを中心にサポートされています。詳細は、以下のホワイトペーパーとビデオをご覧ください。

ホワイトペーパー
Cisco QSFP BiDi テクノロジーによる 40 Gbps データセンターへの移行

ビデオ
TechWise TV : 40 Gbps 双方向 QSFP トランシーバ モジュール

また BiDi トランシーバの最新の対応製品は互換性でご確認ください。(BiDi トランシーバの型番は、QSFP-40G-SR-BD です)

そして、BiDi トランシーバをご利用になるなら、特にCisco Nexus 9000 シリーズがおすすめです。Nexus 9000 シリーズは、シスコのデータセンター スイッチの中核製品として、Cisco Application Centric Infrastructure (ACI)にも対応した製品で、新しくデータセンター インフラを構築されるお客さまや、既存のデータセンター インフラを更新される方、さらには純粋に ToR(Top of Rack)スイッチとしてご利用されるお客さまにもおすすめです。

Cisco Nexus 9000 シリーズの詳細はこちらを参照してください。
http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/switches/nexus9000/index.html

最後に、この BiDi トランシーバを導入いただいた、株式会社スクウェア・エニックス様、の事例を公開しましたので、ご紹介しておきます。

スクウェア・エニックス様といえば、「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」など、多くのゲームを開発されていることで有名ですが、増大するゲームの開発データに対応する 40G 対応ネットワークを Cisco Nexus 9000 シリーズで構築されました。日々の開発業務を支える安定した基盤を高いコスト効果とともに実現できている、ということです。

選定にあたっては、スイッチの性能だけでなく、BiDi トランシーバの提案がキーになったということです。BiDi トランシーバにより、既存のデータセンターのファシリティを活かしながら、40G 対応ネットワークの構築を実現することができ、コスト効果も大きく高められました。

お客さまからのコメントもありますので、是非導入事例をご覧ください。

株式会社スクウェア・エニックス、最新のゲーム開発基盤に Nexus 9000 を採用

 

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