この記事は、シスコのシニア バイス プレジデント Blair Christie によるブログ「Through the Internet of Everything, You May Never Have to Wait in a Long Checkout Line Again」(2015/3/2)を意訳したものです。
食料品店、デパート、あるいはコーヒー ショップでレジを待つ長い列がいつまでたっても動かず、「並んで買うほどの価値があるだろうか」と思ったことはありませんか?消費者の 3 分の 1 は、5 分以上並ぶようであれば、並んで買う価値はないと判断するそうです。 (出典:Brickstream)
レジの列が解消されたら素晴らしいと思いませんか。 これはシスコのテクノロジーを活用することで実現できるのです。 以前 Internet of Everything(IoE)についてご紹介したときに、「Museum of Lasts(さまざまな問題を解決する)」キャンペーンと題して、交通渋滞、停電、会議の欠席、レジ待ちの行列など、さまざまな問題解決の可能性について検討しました。
小売業界では、物理的なプレゼンスとデジタル的なプレゼンスの両方が重要であると認識されはじめています。IoE の世界では、小売店でのエクスペリエンスをデジタル化するのです 。客足を検知してレジのレーンを増やすよう通知する予測分析や、センサーで在庫数を把握して自動的に発注を行うスマート シェルフなどのテクノロジーにより、顧客と店舗との距離が縮まりつつあります。
これらのテクノロジーは、カスタマー エクスペリエンスのさらなる向上につながるのでしょうか。 レジ待ち行列を「完全に」なくすことは可能でしょうか。私は、可能だと考えています。先月の投稿で、米国と英国の消費者の買い物行動に関するシスコの最新調査の結果をお知らせしました。 このデジタルの時代において重要なことは、「顧客が本当に期待している」エクスペリエンスを提供することです。子供がいない消費者には、おむつのクーポンは必要ありません。小売業者は、個々の消費者の購買エクスペリエンスの動機や背景を把握したうえで、適切に対応する必要があります。
この調査の結果によると、買い物客は長い列に並びたくないと思っていることが分かります。77 % が、レジでの予測待ち時間がわかる仕組みがあれば利用すると答えています。また 60 % が、自分のスマートフォンで商品のバーコードをスキャンし、セルフサービス端末で支払いができるとよいと答えています。買い物客は、レジの待ち行列の解消につながるデジタル エクスペリエンスを求めているのです。
消費者が必要な商品を手に取り、モバイル デバイスを 1 回スワイプするだけですべての支払いができる環境を実現できたら・・・もう並んで待つ必要はありません。店舗のどこにいてもすぐに清算を済ませて店を出ることができます。レジに立ち寄る必要すらないのです。
これは遠い未来の話ではありません。小売業界は、2017 年までに、すべての買い物の 56 % がモバイル POS 端末、セルフレジ、または買い物客のモバイル デバイスから行われると予想しています。 (出典:Motorola)
一部の小売業者は、すでにレジの待ち行列を解消し、カスタマー エクスペリエンスを向上させる取り組みを始めています。
英国の大手ショッピング モールの経営を手がける Intu は、モビリティを強化するネットワーク バックボーンとマルチチャネル対応のために投資しています。何が必要か理解することで、モバイル デバイスを多用する顧客をひきつけ、よりパーソナライズされた密接な関係を築くことが可能になります。Intu は、店舗内で Wi-Fi サービスの提供開始後、たった 4ヶ月で、顧客データベースを 25 % 拡充することに成功しています。
カスタマー エクスペリエンスに占めるモバイルの割合と重要性が高まるにつれ、小売業者はレジ待ちの行列にモバイル テクノロジーを活用する必要性に迫られるでしょう。小売店にとって新たな時代が訪れようとしています。IoE を活用することで、長いレジ待ちの行列は過去のものになります。 シスコは創立 30 周年を迎えましたが、これからもレジ待ちの行列や交通渋滞といった日常的な課題の解決を実現し、パートナーと協力し、よりよい社会をテクノロジーで築いていきます。
私自身、もし食料品店でレジの長い列に並ばなくて済むようになれば、とても嬉しいですね。皆さんのご意見をお聞かせください。