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さらば交通渋滞、さらば「ビジネス渋滞」

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David McCullochこの記事は、シスコのエグゼクティブ バイス プレジデント Wim Elfrink によるブログ「From the Last Traffic Jam to the Last “Business Jam”popup_icon(2015/1/20)を意訳したものです。


シリコン バレーではよく交通渋滞があります。渋滞に巻き込まれると、車の速度は落ちる一方、私のフラストレーションは高まる一方です。 そんな時、道路、車両、信号機をデジタルで同期させれば、交通渋滞を解消し、大気汚染を軽減し、遅延をなくして全体的なストレス レベルを大幅に減らせるのではないか、と考えるのです。

ちょっとしたデジタル オートメーションを導入するだけで、交通量と事故を減らし、時間の短縮、排気ガスやスモッグの軽減、道路工事や車の修理費にかかるコストを削減できるはずです。 言うまでもなく、これは持続可能な環境作りにもつながります。

私はどこの国にいても、交通渋滞に巻き込まれるといつも、いかにしてこの交通渋滞を終わらせるかについて考えるようになりました。「最後の交通渋滞」です。

https://youtu.be/h_L7gBc__dI

そしてたどり着いた答えは、すべてが「つながる」世界、つまり Internet of Everything(IoE)です。 私たちの生活、仕事、遊び、そして学習のスタイルはこの IoE によって一変します。 これこそシスコが 30 年間にわたって求め続けたものであり、今日の私たちは、パートナーの皆様と共に、より住みやすい世界へ変革する、かつてない絶好の機会を迎えています。

IoE の世界が実現すれば、私たちの悩みの種である交通渋滞もなくなるでしょう。

ある調査結果popup_iconによれば、交通事故の現場処理にかかる時間が 1 分長くなると、車の流れが回復するまでにかかる時間が 4 分長くなります。 さらに 現在、交通渋滞による損失は、米国だけでも年間 1240 億ドルを超えると言われています。 2030 年までに、平均的な米国人世帯が支払う交通関連コストは現在よりも 33 % 増加し、米国と欧州における交通関連費は年間で 50 % 近く増加すると予測されています。

もっと詳しく知りたい方は、 「最後の交通渋滞(Last Traffic Jam)」のドキュメントpopup_iconをご覧ください。

一方で、現在、道路、車両、ドライバー、信号、駐車スペース、公共輸送機関、そして公共の交通機関はすでに「つながって」います。 その結果、交通の流れの劇的な改善、事故件数の減少、および輸送費の低減がいち早く実現しています。 ゆくゆくは交通渋滞もなくなることでしょう。

こうした効果が生まれてきているのは、さまざまなインテリジェント交通システムを接続して、道路状況、交通量、建設工事、公共輸送機関といった情報を集中管理できるハイウェイ システムを実現したおかげです。 コネクテッド ロードウェイpopup_iconコネクテッド シティのコンセプトにより、意思決定機能を強化し、事業費とメンテナンス費の削減に成功しています。

「終わりの始まり」はすでに動き出しています。 世界の各都市で、あらゆる人・モノ・データ・プロセスがつながり始めています。

カリフォルニア州サンカルロスなどのスマート シティpopup_iconでは、データ ソリューションを利用して駐車スペースの車両の発着を分析し、交通量を低減しています。 このデータ分析は、ドライバーが駐車スペースの空きを見つけるのにも役立っています。 これにより、市中心部で駐車スペースを探すドライバーが原因と見られる交通渋滞を 30% 軽減できる予定です。

スペインのバルセロナでは、居住者と旅行者にとってより安全で住みよい環境を実現するために、市内の信号機を通行人の往来や駐車場の空きスペースなどと結び付け、同期させています。 この都市を訪れる人は、いっそう効率的になった環境をより安全に、より快適に楽しむことができます。

欧州有数の港町であるドイツのハンブルグでは、港湾業務を街中の交通網と結び付けています。 船舶の動きを道路、橋、および信号機と連携させ、港中からデータを集めて分析するナーバス システムを構築しており、その結果として、交通の流れと環境が改善されています。

IoE は目覚ましいほど発展しています。 業界的な視点に立つと、この変革の中で情報技術が大きな役割を果たしていることは非常にエキサイティングです。 事実、世界の社会的、経済的、および環境的な課題に対処するためには、ガス、水、および電気に次いで情報技術が 4 番目の必須インフラになる必要がある、というのが私の持論です。

より多くの人・モノ・データ・プロセスがつながることで、ビジネスの世界は計り知れないほどのメリットを享受するでしょう。 これは「『ビジネス渋滞』の終わり」とも表現できます。各企業は、生産性の向上、新しい収益源の確保、技術革新の推進、より優れたカスタマー エクスペリエンスの実現、および資産活用とサプライ チェーンの運用強化に向けて、これまで以上に積極的な取り組みを進めていくと思われます。

IoE による大変革は、交通渋滞の終わりにつながるでしょう。 次に終わりを迎える課題や問題は何だろう、と考えると胸が高鳴ります。

 

Authors

Cisco Japan

シスコシステムズ合同会社

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