この記事は、シスコのグローバル エンタープライズ ビジネス部門で製造業を担当している Chet Namboodri によるブログ「2015 Manufacturing Industry Predictions」
（2014/12/23）を意訳したものです。
業界の新しいトレンドは何でしょうか。来るべき年の主なテーマを予想することは、もちろん新しいことではありませんが、誇大広告の中から現実のものとなるような業界の出来事について、多数の専門家が広い見識を基に集中して検討していることを考えると、話題になっていることは確実ではあります。私が詳しく目を通している産業関連の資料の中に、LNS Research があります。LNS Research は、業界のトレンドとトピックごとに、2015 年の上位 3 つの予測を選んでいます。そのトレンドとは、産業 IoT、産業エネルギー管理、環境衛生と安全、資産パフォーマンス管理です。
毎年読んでいるもう 1 つの資料は、IDC Manufacturing Insights です。今年は『IDC Futurescape: Worldwide Manufacturing 2015 Predictions』というタイトルで、すっきりとした新しい形式で資料が発行されました。IDC の製造実践アナリスト チームは、テクノロジーとライン オブ ビジネスの関心事の融合に基づいて、2015 年以降に世界的なメーカーが対処すべき最も重要な 10 個の緊急課題を選んで定量化しています。そのうちのいくつかは、シスコの Internet of Everything（IoE）イニシアチブに深く関係しています。
- 2015 年、顧客中心主義を推進するためには、優れたカスタマー サービス、効率的な革新、敏感に反応する製造について、高い水準が要求されます。これは、製造メーカーの 75 % にとって顧客に接するテクノロジーに投資する動機となります。
- 2016 年までに、世界中の組立製造メーカーの 70 % は、接続された製品を提供し、ソフトウェア コンテンツの増大、システム エンジニアリングと製品革新プラットフォームの必要性を牽引します。
- 2018 年までに、上位 100 社の組立製造メーカーの 40 % と、上位 100 社のプロセス製造メーカーの 20 % が、Product-as-a-Service プラットフォームを提供します。
- 2015 年には、10 か所以上の工場を持つ企業の 65 % が、操業上のインテリジェンスに対する投資を通じて、工場の現場でより適切な意思決定ができるようにします。
https://youtu.be/e7W9x6uw80s
アナリストの予測が私のラップトップ画面に現れる前に、私は、シスコの報道関係チームから、私が考える上位 3 つのテーマを提言するように依頼されました。そこで、中国、インド、私が住んでいる場所以外の米国の複数の場所への数週間の出張に出発する前に、諸聖人の祝日に、PR のメガホンに間に合わなかった 3 つの考えを作り出しました。以下に示すのは、3 つの予測と、11 月と 12 月の出張およびカスタマー インタラクションから得られたいくつかの関連する所見です。
#1：産業ロボットの進歩と採用は、2015 年には多くの分野で急速に加速します。BYOD といったビジネス環境のコンシューマ化に対する逆の現象として、産業用ロボットの利用（特に、生物模倣や、人と機械が協力するワークフローが中心）が小売りおよび消費者部門に広がり、新しい消費者および小売り指向の要求を含むロボット オートメーションの世界的な産業利用は、世界的なロボット工作機械における非常に高い 2 桁の成長を牽引するでしょう。
先月の出張では、最初に上海の International Industrial Fair（IIF）に参加しました。そこでは、Siemens、ABB、Phoenix Contact、GE などの幹部と並んで、2014 Future Oriented Manufacturing Summit の一員として、500 名を超える産業オートメーションおよび制御エンジニアリング マネージャにプレゼンテーションを行うという栄誉を与えられました。
12 万人以上が訪れた IIF フェアの高度なオートメーション テクノロジーとソリューションの展示は、一言で言えば「インテリジェントなロボットの侵略」と表現できます。国内および海外の、多種多様なロボット工学の革新が展示され、自動車
私が話した首脳会議では、プレゼンテーションと Q&A の日のトピックの中心は、Industry 4.0 でした。これは、Industrial Internet of Things、Cisco Connected Factory とも呼ばれているものです。私とそのグループは、Industry 4.0 と未来の工場にとって不可欠な要素である、ロボット工学の「machine-as-a-service」など、さまざまな面からこのトピックについて議論しました。ロボットは普及しつつあります。
#2：米国の 製造業のルネサンスおよびリショアリングは 2015 年に減速します。世界的な消費低迷によるヨーロッパとアジアのデフレ圧力は、 引き続き米国のドルを強め、輸出に対する要求を妨げます。過去最低の世界的原油価格と、水圧破砕などに対する結果的な経済的誘因の低下により、リショアリングに対する経済ファンダメンタルズと誘因は低下し始めます。ルネサンスに対するもう 1 つの抗力は、労働力の高齢化です。団塊の世代の人々が、今後 10 年にわたって記録的な数で退職していく中、米国の若い労働者は、 物を作る方法についての知識と経験のギャップを埋めるための教育を受けていません。
ここで言いたいのは、私はこの予測が間違っていることを望んでいるということです。上で暗示したように、中国の製造活動と成長は下降しており、政府の介入（金利の引き下げ）を刺激しています。HSBC のエコノミストであるホンビン・クゥ氏によれば、「成長に対するマイナス リスクを相殺するために、さらなる金融および財政緩和策を引き続き期待できる」状況になっています。中国は、特定の関税を廃止する取引協定に関する米国政府の「理解」にもかかわらず
上海の後、11 月に私が次に向かったのはバンガロールです。そこでは、数日間滞在して顧客やアナリストを訪問し、そこからムンバイに行き、国内の主要な製造メーカーの幹部と卓を囲みました。どちらの滞在でも常に話題の中心となったのは、ナレンドラ・モディ首相の MAKE IN INDIA
マーケティング キャンペーンは脇に置くとしても、インドには、実際に克服すべき障害が多数あります。その最も重要なものは、土地や輸送などのインフラです。米国の生産能力が、 2015 年にインドによって奪われるとは信じていませんが、インドに滞在している 1 週間の間に聞いた情熱やプランを基に判断すれば、来年インド亜大陸で実施されるプロジェクトの数は確実に変化すると思います。また、非常に面白いことに、米国と ヨーロッパの 1 ダースを越える企業団体が、貿易および投資面でインドとのより強い結びつきを促すために、最近協力関係を結びました
#3：2015 年には、製造業におけるビッグ データ分析が、誇大広告サイクルから実用的な牽引力となり、バリュー チェーンのすべての要素にわたって拡大するでしょう。製造ビジネスの業績を推進するために、各種の職務にすでに広く適用されている既存の分析技術の環境には、LNS によれば、物理的なプロセス設計分析（たとえば、工場、生産プロセス シミュレーション）、製品設計分析（たとえば PLM）、ワークフローまたはビジネス プロセス分析（たとえば BPM）、製品属性分析およびトレーサビリティ（たとえば MES トラックとトレース）、品質管理（たとえば SPC）、および成果管理（たとえばヒストリアン、EMI、BI、ダッシュボード）が含まれます。ビッグ データ分析の拡大と幅広い利用を可能にする新しいトレンドには、クラウド配信とエッジ（フォグ）コンピューティング機能があり、Hadoop、SAP の HANA、IBM の Watson といった PaaS（Platform as a Service）分析エンジンが含まれています。最後に、IoE の採用は、接続された Product-as-a-Service 製品を通じた接続性とより全体的な情報源を刺激するとともに、セールスおよびサービス職務での分析の利用とニーズを加速しています。
感謝祭を家族と過ごすために 米国のイースト コーストへ戻った後、私は次に西部を訪れ、主要な製造会社の上級 LoB 幹部（特に IT ではありません）の顧客諮問委員会に参加しました。主に取り上げたトピックはビジネス分析論でした。この熟練のグループから主に学んだことは、ビッグ データへの変革にとって人材がきわめて重要だという認識です。テクノロジーだけでなく、文化、ポリシー、プロセスに加え、適切なリーダーシップ、責任能力、スキル、組織構造が不可欠だということです。好奇心の文化が鍵であり、正しい質問をし、解決すべきビジネス上の問題の定義から始めることに優先順位が置かれます。これらの原則と、収集した他のいくつかの洞察、明らかになったツール、きわめて重大なメトリクスと必要なコラボレーション機能以外に、私にとって非常に明らかだったことは、規模、範囲、業界が異なるこれらの 1 ダースを超える製造会社すべてが、生産、サプライ チェーン、エンジニアリング、管理、セールスおよびマーケティング、サービスのいずれにおいても、ビッグ データ分析で推進している、非常に現実的で切迫した価値に焦点を合わせているということです。2015 年はビッグ データにとって重要な年になるでしょう。
今月の初めに、シスコは、顧客がデータにアクセス、分析、操作できるようにするための分析戦略を発表しました。我々は、Cisco Connected Analytics とともに Internet of Everything に速いスピードで向かっており、上記のような諮問セッションから学んだ内容やお客様から聞いた内容に基づいて、この最近のポートフォリオ発表に基礎を置く、Connected Analytics for Manufacturing 製品に向けて作業します。
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