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シスコの OpenH264 が Firefox の一部に

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Jonathan Rosenbergこの記事は、シスコのコラボレーション テクノロジー グループ担当シニア バイスプレジデントである Jonathan Rosenberg によるブログ「Cisco’s OpenH264 Now Part of Firefox popup_icon(2014/10/14)を意訳したものです。

IP 経由の音声およびビデオ通信は、この 10 年間でどこでも目にするようになり、デスクトップアプリ、モバイルアプリ、IP フォン、ビデオ会議エンドポイントなどで広く普及しています。しかし、大きな障壁が 1 つ残っています。それは、ユーザはさまざまなアプリケーション用の面倒なプラグインをダウンロードしないと、Web ブラウザから直接コラボレーションできないことです。HTML5 に対する拡張機能のセットである WebRTC は、この制限を変え、あらゆるブラウザからのコラボレーションを可能にします。ただし、このテクノロジーの導入を妨げる大きな障害の 1 つは、リアルタイムビデオ用の共通のコーデックです。

Internet Engineering Task Force(IETF)と World Wide Web Consortium(W3C)は、WebRTC 用の適切なビデオコーデックの標準化に共同で取り組んでいます。シスコとその他の多くの企業は、H.264 業界標準コーデックの強力な提唱者でした。これをサポートするため、シスコは 1 年近く前に、シスコの H.264 コーデックをオープンソース化し、ソースコードとバイナリモジュールを提供すると発表popup_iconしました。これらは現在、インターネットから無料でダウンロードできます。おそらく最も重要なのは、このバイナリモジュールの MPEG-LA ライセンスコストを転嫁しないと発表したことです。これにより、アプリケーションでモジュールをダウンロードして、何百万もの H.264 デバイスとコミュニケーションすることが実質的に無料でできるようになります。その頃、Mozilla は、OpenH264 を使用して Firefox に H.264 サポートを追加する計画があると発表popup_iconしました。

それ以来、シスコはこの約束を果たすために大きく前進しました。コードをオープンソース化し、コードをメンテナンスするコミュニティと Web サイトを立ち上げ、改善と修正を行い、バイナリモジュールを公開して誰もが利用できるようにしたのです。このコードは開発者のコミュニティを引きつけ、開発者はソフトウェアの改善と自分たちのプロジェクトでのソフトウェアの活用に取り組みました。シスコ外部の 200 人以上の人々がコードに積極的に関与し、その他の多くの人々が無料でコピーしました。このコードはその他の製品にも利用されています。たとえば、Ericsson は最近、OpenH264 コードを活用する同社の WebRTC 実装をオープンソース化しました。

Ericsson の Stefan Håkansson は次のように述べています。「弊社は、シスコの OpenH264 のオープンソース化を心から歓迎しています。H.264 業界標準ビデオコーデックの実装をサポートすることがより簡単になるからです。弊社は、弊社のオープンソース WebRTC 実装である「OpenWebRTC」で OpenH264 を利用しています。それを受けて GStreamer コミュニティは OpenH264 プラグインを導入しました。各コミュニティが力を合わせて H.264 の実用化に取り組んでいるのは非常に素晴らしいことです。」

本日、Firefox の最新版がリリースpopup_iconされたことにより、シスコの取り組みが完了したことをお知らせいたします。最新の Firefox では、シスコの OpenH264 バイナリモジュールが自動的にダウンロードされて使用されます。これを実現するため、シスコはここ数ヵ月にわたって Mozilla と密接に連携してきました。Mozilla は素晴らしいパートナーであり、この機能を何百万人もの Firefox ユーザに提供するため、改善とバグの修正に尽力してくれました。

Mozilla の最高技術責任者である Andreas Gal は次のように述べています。「シスコは Mozilla にとってかけがえのないパートナーです。弊社とシスコは、業界を Web 上で相互運用可能なビデオへと導くことに共同で取り組んでいます。シスコの貢献と OpenH264 の配布により、インターネットに接続されたデバイスで、使用料を支払うことなく最も一般的なビデオ形式を利用できるようになります。これは Open Web の勝利であり、何億もの Firefox ユーザがクロスプラットフォームの WebRTC 対応アプリケーションの恩恵を受けることになります。」

シスコと Mozilla が H.264 を活用する画面共有 API を共同で追加したことを合わせてお知らせいたします。この大きな機能により、すでにビデオ会議でのコンテンツ共有に H.264を活用している膨大な数の既存製品との間で標準ベースの相互接続が可能になります。

コーデック標準化の話題に関しては、IETF の 11 月の会議で再度取り上げられる予定です。本日の発表が導入を促進し、意思決定の基盤となり、業界があらゆるデバイスのあらゆるブラウザから利用できる完全な音声およびビデオ機能に向かって前進するきっかけになれば幸いです。

 

Authors

岩岸 優希

テクニカル ソリューションズ アーキテクト

コラボレーションアーキテクチャ事業

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