Cisco Japan Blog / Thought Leadership / Internet of Everything エコノミーの可能性

この記事は John Chambers によるブログ「The Possibilities of The Internet of Everything Economy #IoE」（2012/2/18）を翻訳したものです。

ただひとつ世の中で確かなこと、それは、変化し続けるということです。変化しない企業は取り残されていきます。私は、変化というものに対しては、そ れを必然のものとして受け入れ、取り込み、あるいは、変化の先を行き、新たな望ましい成果を創造できるようにそれを上手に利用していくことこそが、いちば んの対処法だと考えています。前回もお話しましたが、私が市場の変遷と呼び、今日の世界の流れを形成している潮流のほとんど全ては、人、プロセス、データ、モノのインテリジェントなつながり、すなわち Internet of Everythingと いう主流に向かって流れ込んでいこうとしています。

破壊的といえるほどの革新が、Internet of Everythingの 世界の出現を強く後押ししています。最近出席した世界経済フォーラムのダボス会議では、イノベーションは現在どのような状況にあるのか、という点について 議論が集中しました。シスコでは、今日の世界がかつてないほど革新的であることを疑う人はいませんが、その確信は、多くのビジネスやテクノロジー分野の リーダーたちと議論を重ねる中で裏付けられたものでもあります。

シスコは、増殖し続けるつながりがお客様にもたらす機会の規模を知るために、Internet of Everythingが 経済に与える潜在的影響力を分析し、本日その結果を発表しました。これにより示されたのは、Internet of Everythingの 出現によって世界の民間企業にもたらされる「価値の可能性」は、今後 10年 間に、14.4兆 ドルにのぼるであろうということでした。

ここにいう「価値の可能性」とは、Internet of Everythingに よって新たに生み出される経済価値と、イノベーションに遅れた企業や業界から活かす企業・業界に移転する経済価値の合計から、導入コストを差し引いた額と 定義しています。当社の分析によれば、Internet of Everythingは 今後 10年 間で世界の企業利益を総計で約 21%押上げる潜在力があると考えられます。

Internet of Everythingの 恩恵をすばやく活用する企業・業界こそが、この増加する収益の中の大きな割合を手にすることになるでしょう。その場合、他方には必ず、行動を開始せず静観 したり、効果的に適応できなかったために利益を逸失する企業や業界が存在するはずです。価値の「可能性」と呼んでいるのはそのためで、まさに取るか取られ るかの状態にあるからです。

当社の経済分析では、生産性改善や GDP成 長率などの広範な仮定に大きく依拠する「トップダウン」型のアプローチを採らず、すでにデータが存在する事例を分析する「ボトムアップ」型アプローチを採 用しています。コラボレーション テクノロジーの採用や在宅勤務の増加など、複数の業界にまたがる事例もあれば、特定の業界に固有の事例もあります。

ここで留意していただきたいのは、この分析が対象とした価値の可能性が、世界の民間企業に限定したものだということです。さらには、市民としての人々、コ ミュニティ、国々が享受する公益や消費者利益にも目を向けたとき、生活の質の改善、より豊かな体験、新しい機能、経済価値の増大をもたらす Internet of Everythingの 可能性をきっと感じ取っていただけるでしょう。

当社は、増加を続けていくこうしたつながりがお客様に与える影響を知ることに努めています。今回はまず、今後 10年 間に世界の企業経済に与える機会について経済分析を実施しました。さらに今年中には、2013年 時点の世界の企業のつながりについての追加調査を公表する予定です。14.4兆 ドルの可能性から少しでも多くの価値の獲得を目指す経営者は、この情報を使えば、自社の進捗状況を把握できるでしょう。

Internet of Everythingに よってもたらされるのは、大きな機会だけではありません。テクノロジー、組織、プロセス、規制、文化などの面での課題も同時に生じさせるでしょう。しか し、つながりの増加が企業や社会にもたらす恩恵はこうした課題を遥かに上回るものですから、必要なのはこうした課題を力を合わせて解決することです。ま た、あらゆる個人と組織のプライバシーやセキュリティを保護し、情報共有を選択的で制御可能にすることや、世界のニーズの変化に合わせて教育やトレーニン グを再構成していくことも必要です。

変化。それは避けられず、不確かなもの。本物のイノベーションや勇気が求められます。シスコは、世界の人々の生活、働き方、遊び方、学び方をただ変えるのではなく、より良いものにしていくことに全力を注いでいます。

（編集者注（記）：分析方法の詳細、対象事例、価値の可能性の地域別、業界別、重点事業分野別（顧客体験の強化、生産性や資産活用の改善など）の内訳は、ホワイトペーパーおよび当社の FAQ（よくある質問）に記載しています。Internet of Everythingに 関するシスコの取り組みについて（の追加情報）は、こちらでご覧になれます。）

http://www.slideshare.net/Cisco/embracing-ioe-to-capture-your-share-of-144-trillion-tomorrowstartshere-16571270

Authors

Cisco Japan

シスコシステムズ合同会社