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Internet of Everything によって、未来は面白くなる

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この記事は Dave Evans によるブログ「Thanks to IoE, the Next Decade Looks Positively ‘Nutty’ popup_icon(2012/2/12)を翻訳したものです。

人気のヒップホップグループ「Black Eyed Peas」 の will.i.ampopup_icon も、Internet of Everything(IoE)の到来を待ち望んでいます。

彼は、「世界のどこへ行っても、身の回りにあるモノはインテリジェントになっていない。たとえば、目の前にあるこの壁は、この部屋と外の空間を隔てているだけだけど、これからはもっとインテリジェントになるんじゃないかな。これからの 10 年はとても面白い時代になるだろう」と言っています。私はこの見解に賛成popup_iconです。

シスコが定義する IoE とは、人、プロセス、データ、モノをひとつにして、関連性と有用性の高いネットワーク接続を提供することです。このネットワークで得られる情報を基に行動を起こすことで、新たな可能性やより豊かな体験が創出され、企業、個人、国家にかつてない経済的機会がもたらされます。

わかりやすくするために、IoE の構成要素(人、プロセス、データ、モノ)について、詳しく説明しましょう。

 ― 人は通常、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップPC などの端末を使ってインターネットに接続します。テクノロジーはこれまで以上のスピードで進化を続けているため(メトカーフやムーアの法則はまだ通用している)、もっとパーソナルにつながるようになるでしょう。たとえば、米国の食品医薬品局が 2012年に認可したプロテウス社のピルpopup_iconは、体内に摂取できるセンサーで、これを薬と一緒に飲むことによって、医師は患者が薬を飲み忘れていないかチェックすることができます。近い将来には、体内に摂取できるセンサーが、血圧や体温などの情報を測定して送信することで、病気の早期発見や対処や、予防医療が可能なると予想されます。

センサーやコンピュータがpopup_iconや塩粒並みに小型化し、服や香水のような身の回りの品を使って、インターネットに接続する日もそう遠くはないかもしれません。調査会社ガートナーの見解も同じです。『The Internet of Everything Innovation Will Transform Business(Internet of Everything革命がビジネスを変革する)』というレポートの中で、静的な情報の点でも、常に情報を発信する活動システムという点でも、「人自身がインターネット上のノード」になると予想しています。

データ ―人、コンピュータ、センサーが作り出すデータの量は、既に取り扱える水準を超えています。実際、インターネットでやりとりされるデータは 2016年までに 1.3ゼタバイトになると言われています。IoE によって単なるデータが情報に転換されるため、人は知識や知恵をすばやく得ることができます。インターネットに接続されるモノが今よりもスマートで高度な能力を持つようになり、コンピューティングや分析、意思決定がインターネット上で実行されるようになるのです。ただのデータから、「スマート」な情報を使用できるようになることで、インターネットはこれまでよりも、有用性が高く、セキュアなものになるでしょう。

たとえば、ATM のカメラに顔認識機能と分析ソフトウェアが搭載され、犯罪捜査機関や信用調査機関のデータベースとリンクしていたらどうでしょう。窃盗犯や容疑者が現金を引き出そうとしている現場や、顧客が脅迫されている様子を発見したら、ATM が自動的にカードを没収し、カメラで撮影した画像を最寄りの警察に通報することで、犯人を迅速に逮捕できます。

モノ – センサーやコンシューマデバイス、機械といった「モノ」は、IoE の前段階である Internet of Things の主な構成要素でした。これらのモノが、多くのデータを感知し、その背景を認識した上し、体験に基づく情報を提供するようになれば、人や機械の判断に大いに役立つでしょう。さらに、食べ物、小包、建築資材、壁面、エンジン部品など、現在はインターネットに接続されていない身の回りのあらゆるモノの 99 %以上が、IoE の「参加者」となって、生活の質を向上させます。

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プロセス – プロセスの説明を最後にしたのは、プロセスは人、データ、モノとは少し性質が違うからです。IoE では、インターネットにつながったものが連携することで(もしくは連携しないことで)、価値がもたらされます。ここで重要な役割を果たすのがプロセスです。正しいプロセスがあってこそ、適切な情報が適切なタイミングで、適切な方法で、適切な人に提供され、関連性の高い接続が実現し、付加価値を高めることができるのです。IoEの時代が到来して、これまでつながっていなかったモノがつながるようになる上で、プロセスは間違いなく不可欠な要素です。プロセスがモノの連携をスムースにし、人、データ、モノの関係に強力な相乗効果をもたらすことで、生活の質が向上し、日常のさまざまな課題が解決されます。

たとえば、私たちが目的地まで車を運転するとき、停止信号を見て速度を緩めたり、渋滞でノロノロ運転になったり、他のドライバーが割り込んで来たりといったことは、別々の出来事として捉えています。IoEのプロセスによって車がもっとインテリジェントになり、信号機や他の車、さらには道路とつながるようになれば、モノとデータが連携して、ドライブはさまざまな要素が統合されたイベントとなり、人々は予定した時刻までに安全に到着できるようになるのです。

will.i.am が言い当てているように、次の 10 年はとても面白くなるでしょう。私はその日が待ちきれません。

Authors

Cisco Japan

シスコシステムズ合同会社

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