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AppDynamics Cloud が Cisco Live で発表されました

この記事は、Cisco AppDynamics の最高マーケティング責任者Eric Schouによるブログ「AppDynamics Cloud launches at Cisco Live」(2022/6/24)の抄訳です。

 

シスコが提供を開始する AppDynamics Cloud は、先進的なアプリケーションの複雑さを解消し、技術者にクラウド ネイティブ テクノロジー環境を一元的に把握できるシームレスなビューを提供する斬新なオブザーバビリティのプラットフォームです。

 

今週の Cisco Live の場で AppDynamics Cloud を紹介できることを嬉しく思います。この革新的な新しいオブザーバビリティ ソリューションは 6 月 28 日に提供を開始します。(注:翻訳時点ではすでに提供を開始しています) AppDynamics の計画においてこの日を迎えることがなぜ喜ばしく、画期的な出来事であるかをお話ししたいと思います。

新しい AppDynamics Cloud ソリューションは、分散型かつ絶え間なく変化するクラウド ネイティブ アプリケーションを大規模に可視化する目的で開発されています。このソリューションはサービスオーナーと SRE、DevOps と開発者との間で生じる負担を軽減する、データ収集の標準仕様として登場した OpenTelemetryなどの業界標準を採用した新しいプラットフォームの上に構築されており、複数のデータソースから取得したアプリケーションのパフォーマンスをチームが共同で可視化して、測定できます。

AppDynamics Cloud を利用すれば技術者はクラウドネイティブ環境の全体に及ぶテレメトリデータの相関ビューを得られます。まったく新しいオブザーバビリティ ソリューションでありながら従来の AppDynamics 製品とも併用できる、シスコのフルスタック オブザーバビリティ プラットフォームにとって不可欠なコンポーネントです。

AppDynamics Cloud の細部を見ていく前に、クラウドネイティブのお客様向けにこの画期的なオブザーバビリティ ソリューションを開発した経緯について説明します。

先進的なアプリの複雑さ

先進的なアプリケーションのアーキテクチャは規模においてもアジリティ(俊敏性)、信頼性においても前例のない性能を有します。こうした強力な機能を利用すればアプリケーション体験を画期的に向上させることもできますが、その分アプリケーションの構成が複雑になりがちです。たとえば高度な分散型システムの基盤には何千ものコンテナがあり、無数のメトリクス、イベント、ログ、トレースが毎秒生成されます。技術者がアプリケーションのパフォーマンスを最適化する目的でこのデータの奔流からインサイトを抽出しようとした時に、大きな壁に突き当たることは想像に難くありません。

たとえば Kubernetes® コンテナ オーケストレーション プラットフォームは、ホストクラスタ全体のコンテナで実行されるアプリケーションの導入、拡張、運用を自動化するためのデファクトスタンダードになりつつあります。 Kubernetes はこれからのアプリケーションとビジネスを支える基盤テクノロジーとして、多くの企業に採用されています。実際、最近の Cloud Native Computing Foundation®(CNCF)のアンケートでは、96% の組織が Kubernetes をすでに使用しているか、評価中の段階にあることがわかっています。

どんなに有益な技術革新にも特有の課題というものがあります。Kubernetes の場合には、一時的に生成されては消える何十万ものコンテナを管理するという複雑な問題があります。この動作は従来のアプリケーションとは根本的に異なるものです。そうした、コンテナとマイクロサービスが複数のクラウドに分散されている環境では生成されるデータも膨大な量になります。結果として、流れ込むデータは洪水となって指数関数的に増加しています。

AppDynamics Cloud を選ぶ理由

AppDynamics Cloud はクラウドネイティブのモニタリング要求に対応するために作られています。つまりクラウドプロバイダーのアプリケーションサービスや Kubernetes のような最新のコンテナテクノロジーを使用して構築された、新しいタイプのアプリケーションをモニタリングする目的で開発されたという意味です。

では中核となる AppDynamics ソリューションをクラウドネイティブの世界で動かしてみましょう。AppDynamics は従来のモノリシックな 3 層型アプリケーションで威力を発揮する、優れたオブザーバビリティ ソリューションですが、当社のお客様の中にも分散型のイベント駆動型クラウド ネイティブ アプリケーションの分野で革新を起こしている組織があります。

競合他社の中には既存のインフラストラクチャや APM モニタリングソリューションにクラウドネイティブの機能を付け加えただけという場合もあります。その結果、ユーザーは分断されたデータサイロの観測と管理のためにタブからタブへの移動を強いられる、最適とは言い難い UI になっています。この機能追加という手法では、IT 担当チームの多くがそれぞれの目的に合わせて多様なクラウド ネイティブ テクノロジーを取り入れてしまっていて、スタックの構造や高度に分散された、動的なアプリケーショントポロジ全体を、エンドツーエンドで可視化できない状態に陥っているのです。

AppDynamics Cloud の開発では、まったくの白紙の状態から取り組んでいます。シスコのフルスタックオブザーバビリティというビジョンを実現するにあたって、中核となる AppDynamics プロダクトに新機能を追加する手法を選ばず、新たなオブザーバビリティ製品を開発することにしました。

では当社の「目的に特化した」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。AppDynamics Cloud はドメイン横断的にインサイトを得るという機能を追求して開発されていて、次々にタブを切り替えなくてもすべてのドメインを観測できます。またクラウドネイティブスタック全体でつながりのある正常性分析が可能で、アプリケーションのパフォーマンスを一目で即座に把握できます。

AppDynamics Cloud ではエンティティを軸とした画期的なアプローチを採用しています。データの収集の源であるあらゆるソースが、エンティティとなります。エンティティはいくつかのレベルで関連付けられ、効果的なクロス MELT(メトリクス、イベント、ロギング、トレース)トラブルシューティングが可能です。メトリクスを観測すると基準を外れているものを見分けられます。トレースとイベントを利用すれば「この事象はどこで起きているのか?」あるいは「どのドメインで発生しているのか?」という疑問に答えられます。ログの存在も、何かが起こった理由と問題の原因を発見するには効果的です。

もちろんこの MELT をすべて合わせると、ドメインレイヤやコンテナ、マイクロサービスなど際限がなく、正常性ルールが多くなりすぎて人の手には余ります。シスコなら高度な AI/ML テクノロジーの構築経験を活かして、お客様がルール設定に費やす時間を短縮できます。

クラウドネイティブなお客様に最適なクラウドのオブザーバビリティ

ラスベガスで開催された Cisco Live 2022 の基調講演で、Cisco EVP と最高戦略責任者、アプリケーション部門 GM を兼務する Liz Centoni は、AppDynamics Cloud が「お客様の要望に応えるためにゼロから開発された」ことを強調しました。実際、AppDynamics Cloud を使用すると技術者は先進的なアプリケーションの複雑さから解放され、ユーザーに何が起きているのか、何が効果的か(および何が効果的でないか)を確認できます。

AppDynamics Cloudは先進的な分散型アプリケーションを次のようなさまざまな形で支えています。

  • パブリッククラウドの可視性と Amazon Web Service(AWS)や Microsoft Azure で実行されているワークロードのモニタリング。将来的には Google Cloud Platform(GCP)など他のクラウドプロバイダーもサポート予定
  • マネージド型の Kubernetes ワークロードやコンテナ化されたアプリの可視性。アラート機能によるコンテナのパフォーマンス上の問題の迅速な切り分けとトラブルシューティング
  • お客様による各サービスのパフォーマンスのモニタリングを可能にし、アプリケーションおよび基盤インフラストラクチャの全体的な状態を理解できるマイクロサービスの可視化
  • トレース分析による分散型アプリのボトルネックの特定、ログおよびイベント分析による規則性および変則的挙動の検索
  • テレメトリの種別とドメイン間をすばやく移動できるコンテキスト化された UI(インフラストラクチャやアプリケーションの場合は MELT)
  • AI/ML の補助によるベースライン設定、異常検出、根本原因分析
  • OpenTelemetry への将来性のある投資をサポート。

それではまとめに入りましょう。AppDynamics Cloud は分散型かつ絶えず変化するクラウド ネイティブ アプリケーションを大規模に観測する目的で開発されています。オープンな標準仕様による強固なプラットフォームの上に構築されていることで、IT 担当チームや開発者チームはテクノロジー環境全体にわたって、フルスタックのあらゆるテレメトリデータを相関関係から把握することができます。オブザーバビリティと高度な AIOps 機能という独自の組み合わせにより、クラウドネイティブアプリの可用性やパフォーマンスに影響が出る前に迅速に問題に対処するためのインテリジェントなインサイトを得ることができます。

AppDynamics Cloud は、2022 6 28 日に一般向けに提供を開始しています。OpenTelemetry™ The Linux Foundation® の商標です。


Eric Schou

Cisco AppDynamics の最高マーケティング責任者である Eric Schou はグローバルな市場開拓戦略の推進と、カスタマーエクスペリエンスの向上、市場進出、画期的な製品ポートフォリオの開発を担当しています。

Splunk 社でのセキュリティマーケティング責任者という経歴を持ち、Palo Alto Networks 社、Hewlett Packard Enterprise 社、Good Technology 社でもリーダーとして腕を振るいました。

門脇 拓弥

2022年度にAppDynamics事業の一員としてCiscoにjoinしました。主にCiscoならびにAppDynamicsのパートナー企業様へのテクニカル面での支援を担当しています。