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脅威アドバイザリ:F5 BIG-IP の「緊急」の脆弱性

 

概要

F5 Networks 社の BIG-IP に脆弱性があることが最近公開されました。この脆弱性がエクスプロイトされると、未認証の攻撃者が BIG-IP システムにアクセスして、任意のシステムコマンドの実行、ファイルの作成および削除、サービスの無効化を行う危険性があり、それによってさらなる悪意のあるアクティビティが行われる危険性があります。

CVE-2022-1388 として追跡されているこの脆弱性は、F5 社の BIG-IP モジュールにおける認証バイパスの脆弱性であり、iControl REST コンポーネントに影響を与えます。BIG-IP は F5 社のアプライアンス製品シリーズで、ロードバランサやファイアウォールとして組織で使用されます。またネットワークとの間で送受信されるデータを検査および暗号化するためにも使用されます。脆弱性は「緊急」と評価されており、CVSS のスコアは 10 点中 9.8 点です。

F5 社は 2022 年 5 月 4 日に脆弱性を発見し、その後セキュリティアドバイザリとパッチをリリースしました。これに続いて、米国サイバーセキュリティ インフラストラクチャ セキュリティ庁(CISA)もアドバイザリをリリースしています。

Cisco Talos では、CVE-2022-1388 をエクスプロイトする試みに関する最近の報告を注意深く監視しています。影響を受けるシステムをお使いであれば、できるだけ早くパッチを適用することをお勧めします。

脆弱性の詳細と現在行われているエクスプロイト

この脅威は iControl REST の認証の実装に欠陥があることが原因となっています。iControl REST は、BIG-IP デバイスを構成および管理するための Web ベースの一連のプログラミング インターフェイスです。この脆弱性では「/mgmt」以下のパスにある iControl REST サービスが標的となっており、HTTP Connection ヘッダーで X-F5-Auth-Token が指定されていることが条件になります。

この脆弱性の CVSSv3 スコアは 10 点中 9.8 点です。CVE-2022-1388 に対するシスコの Kenna リスクスコアは 24 時間で 100 点中 33 点から 50 点に急上昇しています。このスコアは脆弱性がエクスプロイトされると大幅に上昇します。

この数日間、概念実証(PoC)エクスプロイトコードが Twitter と GitHub で拡散されており、さまざまな方法でこの脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。

現在確認されている PoC のほとんどは「/mgmt/tm/util/bash」を使用してコマンドを実行していますが、この脆弱性は「/mgmt」パスの下にあるすべてのものに影響を与えるため、他のエクスプロイトが開発されるかもしれません。攻撃者がエクスプロイトコードを難読化して検出を回避する可能性もあります。

現在、Talos のテレメトリではいくつかの業界がスキャンされており、教育業界でわずかな増加が見られます。ただし、これは進展中の状況であり、標的を定めた活動であることを示す証拠は得られていません。また、CVE-2022-1388 を利用して Web シェルをドロップすることで長期のバックドアアクセスを確立できることも

研究者は指摘しています。

ガイダンスと緩和策

この脆弱性は重大度が極めて高く、エクスプロイトの詳細がすでに広く共有されていることから、提供されているパッチを直ちにインストールし、パブリックインターネットからの管理インターフェイスへのアクセスをブロックすることを強くお勧めします。更新プログラムをインストールできない場合は、F5 社が示している以下の緩和策を実施してください。

  • Self IP アドレスを通じた iControl REST へのアクセスをブロックする
  • 管理インターフェイスを通じた iControl REST へのアクセスをブロックする
  • BIG-IP httpd 構成を変更する

その他のガイダンスや、ご使用の製品およびバージョンにこの脆弱性が存在するかどうかを確認する方法については、F5 社のセキュリティアドバイザリを参照してください。またセキュリティ会社の Randori 社からも 1 行の bash スクリプトが提供されており、ご使用の BIG-IP インスタンスで CVE-2022-1388 がエクスプロイト可能かどうかをこのスクリプトで確認することができます。

カバレッジ

お客様がこの脅威を検出してブロックするための方法を以下に記載します。

Firepower Threat Defense(FTD)、Firepower Device Manager(FDM)Threat Defense Virtual適応型セキュリティアプライアンスなど、
Cisco Secure Firewall(旧次世代ファイアウォールおよび Firepower NGFW)アプライアンスは、この脅威に関連する悪意のあるアクティビティを検出できます。

Cisco Secure Network/Cloud Analytics(Stealthwatch/Stealthwatch Cloud)は、ネットワークトラフィックを自動的に分析し、接続されているすべてのデバイスで、望ましくない可能性があるアクティビティをユーザーに警告します。

Cisco Secure Analytics を使用してこの脅威に対応するためのガイダンスについては、こちらをクリックしてください。

特定の環境および脅威データに対する追加の保護機能は、Firewall Management Center から入手できます。

Cisco Secure Malware Analytics(旧 Threat Grid)は悪意のあるバイナリを特定し、Cisco Secure のすべての製品に保護機能を組み込みます。

Cisco Secure Web Appliance の Web スキャンは、悪意のある Web サイトへのアクセスを防止し、上述したような攻撃で使用されるマルウェアを検出します。

オープンソースの Snort サブスクライバルールセットをお使いであれば、Snort.org で購入可能な最新のルールパックをダウンロードすることで、最新状態を維持できます。

Talos では、CVE-2022-1388 に対して次の Snort カバレッジを提供しています。

  • Snort 2 SID:59735
  • Snort 3 SID:300131

IOC(侵入の痕跡)

Talos のテレメトリで検出された攻撃者の IP のサンプルを以下に示します。

5[.]189[.]191[.]107
29[.]104[.]233[.]152
41[.]79[.]198[.]18
45[.]61[.]139[.]143
45[.]79[.]171[.]157
51[.]159[.]66[.]249
52[.]74[.]130[.]60
53[.]85[.]187[.]67
58[.]213[.]200[.]67
64[.]39[.]106[.]34
64[.]39[.]108[.]98
64[.]39[.]98[.]152
64[.]39[.]98[.]159
64[.]39[.]98[.]196
64[.]39[.]98[.]227
64[.]39[.]98[.]40
66[.]254[.]159[.]252
66[.]94[.]126[.]14
68[.]183[.]202[.]236
69[.]24[.]129[.]229
72[.]166[.]5[.]40
72[.]167[.]51[.]207
79[.]18[.]33[.]4
81[.]69[.]58[.]15
82[.]80[.]33[.]200
87[.]20[.]54[.]33
88[.]226[.]109[.]164
91[.]36[.]121[.]76
94[.]177[.]118[.]79
103[.]144[.]149[.]206
103[.]144[.]149[.]49
103[.]177[.]174[.]34
104[.]208[.]85[.]237
104[.]244[.]72[.]174
107[.]189[.]29[.]64
109[.]205[.]176[.]248
113[.]23[.]27[.]104
113[.]67[.]10[.]13
119[.]140[.]78[.]118
12[.]172[.]214[.]26
120[.]170[.]212[.]254
120[.]245[.]25[.]3
121[.]196[.]223[.]32
122[.]161[.]50[.]64
122[.]75[.]182[.]121
124[.]160[.]154[.]32
128[.]199[.]16[.]44
132[.]145[.]21[.]77
137[.]184[.]236[.]99
139[.]99[.]149[.]66
141[.]11[.]28[.]89
141[.]11[.]28[.]97
144[.]202[.]124[.]151
144[.]202[.]59[.]76
144[.]76[.]251[.]214
145[.]215[.]56[.]53
149[.]28[.]147[.]208
150[.]230[.]38[.]225
156[.]146[.]34[.]98
157[.]245[.]115[.]135
157[.]245[.]200[.]184
157[.]245[.]206[.]99
159[.]89[.]182[.]71
161[.]35[.]156[.]235
161[.]35[.]158[.]59
161[.]35[.]209[.]168
161[.]35[.]232[.]12
163[.]143[.]106[.]199
163[.]32[.]193[.]116
164[.]90[.]205[.]93
167[.]172[.]83[.]249
167[.]172[.]83[.]250
167[.]172[.]83[.]251
167[.]99[.]225[.]132
172[.]104[.]15[.]189
172[.]70[.]126[.]146
172[.]70[.]131[.]167
172[.]70[.]131[.]47
172[.]70[.]222[.]71
172[.]81[.]129[.]138
174[.]138[.]22[.]187
175[.]107[.]236[.]67
178[.]62[.]228[.]64
180[.]236[.]169[.]125
181[.]214[.]206[.]31
185[.]147[.]212[.]58
185[.]212[.]61[.]84
185[.]239[.]226[.]177
186[.]80[.]52[.]118
188[.]68[.]61[.]6
189[.]37[.]76[.]246
189[.]46[.]90[.]233
193[.]29[.]15[.]143
194[.]163[.]164[.]206
194[.]163[.]185[.]138
194[.]195[.]219[.]144
194[.]195[.]86[.]50
194[.]233[.]171[.]91
194[.]233[.]77[.]245
194[.]5[.]73[.]6
196[.]65[.]108[.]171
198[.]211[.]120[.]110
198[.]252[.]101[.]110
204[.]195[.]115[.]184
206[.]189[.]200[.]122
207[.]180[.]241[.]85
208[.]71[.]210[.]1
209[.]58[.]170[.]164
210[.]92[.]18[.]153
212[.]102[.]50[.]210
217[.]252[.]7[.]13
223[.]187[.]119[.]114
223[.]72[.]39[.]119
226[.]137[.]152[.]105
250[.]100[.]25[.]148
253[.]240[.]199[.]27
103[.]85[.]25[.]79
156[.]34[.]23[.]233

 

 

本稿は 2022 年 05 月 10 日に Talos Group のブログに投稿された「Threat Advisory: Critical F5 BIG-IP Vulnerability」の抄訳です。

 

 

 

 

 

 

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